4年間の歳月を経て蘇ったパリ左岸のホテル「ホテル・ルテシア」の歴史
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[リスヴェル編集部]2018年09月28日公開

エリア:ヨーロッパ  > フランス  > パリ / ジャンル:ホテル・宿泊施設 , 

パリ左岸を象徴する高級ホテル「ホテル・ルテシア」が約4年にわたる大規模改修工事が完了し、2018年6月にリニューアルオープンしたが、その歴史はまさにパリの歴史であるとも言える。

ブシコー家が世界初の近代的百貨店「ボン・マルシェ」をオープンした時、パリ市民とその後の世界のショッピングのあり方に変化をもたらした。同家が小売店の販売を一変させた後では、ホテル経営者がもたらす経営革命の決断は遅すぎるくらいであった。ブシコー家の百貨店が成功を収めたため、遠くから高級品を運んでくるサプライヤーの多くは、一夜を快適に過ごせる場所を必要としていた。ヨーロッパ各地から訪れる顧客たちも長く滞在したいと思わせる場所を求めていた。そこでボン・マルシェ百貨店取締役会は、有名となった百貨店の向かいに近代的なパラス・スタイルの高級ホテルを開業する決定を下す。

パリ左岸に位置する2つ目のランドマークの名前を決める時、取締役会はパリの歴史の起源までさかのぼり、ローマ時代の都市名「ルテシア(Lutetia)」という名を付けた。パリでも有数の高級ホテルとなったホテル・ルテシアは、あらゆる面で新しい豪華なライフスタイルのモデルとなっていった。優れたものを創り出すためには出費は惜しまず、サプライヤーのネットワークを通じて、陶磁器はリモージュ磁器の「アビランド」、銀製食器は「クリストフル」、クリスタルは「バカラ」など、最高のものを厳選していった。

ホテル自体のデザインは、当時のアール・ヌーヴォー様式から流行の兆しのあったアール・デコ様式へと大胆に移行。ホテル・ルテシアの最大の革新は、由緒あるホテルが建ち並ぶ一帯を離れ、セーヌ川を渡った左岸に近代的な豪華さを持ち込んだことでした。ホテル・ルテシアは、瞬く間に有名無名な人々が行き交う場所として、芸術、哲学、科学と政治がひっそりと人知れず、しかし継続的に創造される場所となっていった。歳月は流れ、約4年間の沈黙を破り、現在のホテル・ルテシアが再び脚光を浴びている。

ホテル・ルテシアの総支配人ジャン=リュック・クスティは、「すべてのパリ市民およびサン・ジェルマン・デ・プレを愛するすべての人々に左岸のパラスホテルとして認知されているホテル・ルテシアは、パリの偉大なホテルというこれまでの地位に返り咲こうとしています。歴史と人生の物語に満ち溢れ、その名前を冠した都市の生ける伝説となっている神話的なこの建造物は、「リヴ・ゴーシュ(左岸)」の精神とも表現されています。今日、ホテル・ルテシアの目標は、再びパリ左岸の中心地になることです」と述べている。

Hotel Lutetia
Address: Lutetia, 45, boulevard Raspail , Paris, 75006 France
Website: https://www.hotellutetia.com


ホテル・ルテシアの改装を手掛けた建築家が語る舞台裏
https://jp.france.fr/ja/paris/list/la-nouvelle-vie-du-lutetia-racontee-par-jean-michel-wilmotte0-jp

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