ドイツで39番目の世界遺産 かつての帝国僧院コルヴェイ
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2014年08月13日公開

エリア:ヨーロッパ  > ドイツ / ジャンル:観光情報・観光局・現地便り , 名所旧跡・観光施設 , 

1200年の歴史を誇る帝国直属僧院コルヴェイが2014年6月22日に世界文化遺産に登録された。ドイツでは39番目となる世界遺産。世界遺産の登録リスト名は「カロリング王朝の西構えとキウィタス・コルヴェイ」とある。9世紀、現在のドイツ・フランス・イタリアの基礎となるフランク王国を築いたカール大帝(カロリング王朝)時代の822年、ヴェーザー川畔のコルヴェイに帝国僧院が創設され、その僧院聖堂の西側に接して“西構え”の建造物があり、これが世界遺産の核となっている。

1階は玄関広間、2階には大広間、入口両側に塔を配し、三つの塔が並立した“西構え”はそれ以前には例はなく、その後の教会建築の西正面の原型となっている。コルヴェイ僧院聖堂の西構えは、完全な姿で現存する唯一最古の“西構え”であり、プレロマネスク建築またはカロリング朝建築と呼ばれている。柱で支えられたアーチ形ホール、三方を聖歌隊席で囲まれた上階の大広間には等身大の漆喰像、ギリシャ・ローマ神話をキリスト教的に解釈して描いた壁絵などがあり、カール大帝による文化振興、古代文化とキリスト教、ゲルマン民族の文化の融合が見られ、カロリング朝ルネサンスとも呼ばれている。

“キウィタス”はラテン語で都市や集落を表し、コルヴェイの僧院敷地をキウィタス・コルヴェイと記した遺跡がある。僧院施設は17世紀にかなり破壊されため僧院の営みはなくなり、後にその基礎にバロック様式のコルヴェイ宮殿が建設された。現在でも僧院敷地で発掘が続いており、欧州の宗教、文化、政治において重要な役割を果たしている事が評価され世界遺産に登録された。

見所は、コルヴェイ僧院聖堂西構え、僧院聖堂、回廊、宮殿の大公図書館(ドイツの国歌の作詞者である詩人フォン・ファラースレーベンが司書として勤務)、華麗な宮殿内部、音楽祭が行われる皇帝の間。

コルヴェイは、フランクフルト近郊ハーナウ、カッセル、ハーメルン、ブレーメンを結ぶドイツ・メルヘン街道上にあり、カッセルからブレーメンに流れるヴェーザー川流域の景勝地にヘクスターの町とコルヴェイがある。グリムの町カッセルから100km。

コルヴェイ僧院
見学時間: 2014年5月~9月(毎日 10時~18時)、2014年4月~10月(火曜~日曜 10時~18時)
入 場 料: 大人6ユーロ
      一般ガイドツアー 毎日11時と15時(入場料+3ユーロ)

コルヴェイ(Corvey)の公式サイト(英語): http://www.schloss-corvey.de/en/

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Photo 1 title: Corvey in January 3
Photo 2 title: Corvey in January 4

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