- 2025.06.13
約70年前に資本主義社会を痛烈に批判したイギリスの戯曲「調理場」を原作に、今も昔も変わらない国同士の格差と埋まらない溝を盛り込んだエンタテーメント『ラ・コシーナ/厨房』が2025年6月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開される。
『ラ・コシーナ/厨房』の監督はメキシコの新たな鬼才アロンソ・ルイスパラシオス。デル・トロ、キュアロン、イニャリトゥと並ぶ才能として評価されている。監督が第64回ベルリン国際映画祭で最優秀新人賞を受賞してから一貫して用いてきたドキュメント手法が本作にも盛り込まれ、14分間のワンテイクカットは必見。レストランの「厨房」を“世界の縮図”としてモノクロームで描き、そこで働く人々が巻き起こす葛藤や苦悩が交錯する姿を、アメリカが抱える問題、移民と不法就労者、自由と格差社会として見事に表現している。
舞台のニューヨークの大衆レストラン「ザ・グリル」の料理人のひとりでメキシコ移民である主人公ペドロを演じるのは『コップ・ムービー』『巣窟の祭典』などのラウル・ブリオネス。トラブルメーカーで大人になりきれないが料理の腕は一級という魅力的な人物像を文字通り熱演し、The Hollywood Reporterが選ぶ2024年ベストパフォーマンス俳優15名の一人に選ばれた。彼の恋人で秘密を抱えるアメリカ人ウェイトレス、ジュリアを演じるのはハリウッドが誇る実力派のルーニー・マーラ。ふたりのどこか訳ありのラブストーリーは、大混乱を極める厨房での一日のゆくえと絶妙に絡み合っていることも注目。
〈STORY〉
多くの移⺠がビザ取得のために厨房で働くニューヨークの大衆レストラン「ザ・グリル」。そこでコックとして働くメキシコ移⺠のペドロは、アメリカ人ウェイトレスのジュリアと恋愛関係にある。ペドロを頼って店にやってきた少女エステラ初出勤の朝、会計係が「昨日の売り上げが足りない」と言い出したため、出勤直後のスタッフ全員が面談される。ただでさえ毎日嵐のように忙しいスタッフたちの愚痴は止まらない。移⺠雇用を自覚するアメリカ人オーナーは「警察には突き出すな、クビにしろ」と言い、犯人探しが始まる。常にトラブルを持ち込みがちのペドロは普段の素行の悪さから第一容疑者となるが、本人はきっぱりと否定する。加えて次々に新しいトラブルが勃発し、料理人やウェイトレスたちのストレスはピークに。カオスと化した厨房での1日は無事に終わるのだろうか...。
『ラ・コシーナ/厨房』(米国/139分)
原 題:La Cocina
公開日:2025年6月13日(金)
監督・脚本:アロンソ・ルイスパラシオス
原 作:アーノルド・ウェスカー「調理場」
出 演:ラウル・ブリオネス、ルーニー・マーラ、アンナ・ディアス、モーテル・フォスター、エドゥアルド・オルモス
公式サイト:https://sundae-films.com/la-cocina/
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