- 2025.06.06
JTB総合研究所は、アンケート調査とインタビュー調査を交え、「旅に求めることについての調査」をまとめた。世界中の情報や情景がインターネットを介して見ることができる現在において、旅の本質のひとつである「非日常」の意味合いが変化していることに着目し、「現代の旅行者が旅に求めることは何か」を追求する。
サマリー:
・旅とは、「リフレッシュ・気分転換(56.4%)」、「癒し・リラックス(49.8%)」、「楽しみ・喜び(47.2%)」、「思い出づくり(39.1%)」、「非日常(38.4%)」
・旅の中で「非日常を感じる瞬間があった」と感じる人は全体の約8割
・旅における「非日常」とは、普段の仕事や家事から解放される時間や空間、子どもにとっての初めての体験など。最近の時勢を反映して、海外からの旅行者との触れあいにも「非日常」を感じる
・若い世代ほど、旅行先ありきではなく、「現地でやりたいこと」から旅行先を探す傾向
・コロナ禍後は、「混んでいる時期に旅行しなくなった」
「あなたにとって旅とは?」という質問をしたところ、最も多かった回答は、「リフレッシュ(56.4%)」でした。続いて、「癒し・リラックス(49.8%)」、「楽しみ・喜び(47.2%)」、「思い出づくり(39.1%)」、「非日常(38.4%)」の順番。
旅に求めることとして、「リフレッシュ」、「癒し」といった気分に関わる要素以外に上位となったのは「非日常」。直近の旅行で「非日常」を感じたかどうかを聞いたところ、約8割の人は「非日常を感じる瞬間があった」と回答した。
旅における「非日常」とは、普段の仕事や家事から解放される時間や空間、子どもにとっての初めての体験など。最近の時勢を反映して、海外からの旅行者との触れあいからも「非日常」を感じるとのこと。では、具体的に旅の中での「非日常」とは、どのような体験を指すのか。
具体的な発言内容をみると、男性は「仕事」、女性は「家事」など、日々の忙しさから解放された瞬間、子ども連れの旅行の場合は、「子供にとっての初めて」を一緒に体験することに「非日常」を感じるという回答が多かった。普段から身の回りにも存在する夜景やカフェ、街並み、電車の駅なども、旅行先では一味違う趣があるようだ。
旅に対する考え方の変化は、旅行先を決める意思決定段階にも影響を与えている。旅行をするプロセスとして、「美味しそうな食べ物や魅力的な風景などをSNSなどで見かけ、旅行先を決めることが多い」、「旅行先を決めてから、現地で食べるものや観光する場所を決めることが多い」のどちらに近いかを聞いたところ、「旅行先を決めてから、現地で食べるものや観光する場所を決めることが多い」という回答が多かったものの、若い世代になるほど、「美味しそうな食べ物や魅力的な風景などをSNSなどで見かけ、旅行先を決めることが多い」という回答率が高くなる傾向が見られた。特に若い人にとっては、「どこへ行くか」ではなく、「何をするか」が重要になってきていると考えられる。