アールヌーヴォー建築の巨匠ヴィクトール・オルタの邸宅が美術館となって今年で50周年を迎える。19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパに開花したアールヌーヴォーを初めて建築に取り入れたヴィクトール・オルタは、アールヌーヴォー建築の父と呼ばれている。ベルギーの首都ブリュッセルには、巨匠オルタによるアールヌーヴォー建築が数多く残されているが、この旧オルタ邸「オルタ美術館」はオルタの他の3つの邸宅と共に「建築家ヴィクトール・オルタの主な都市邸宅群」として、2000年に国際連合教育科学文化機関により世界遺産に登録された。

オルタ美術館は、1898年から1901年にかけて建設された2棟が一体として構想されて内部で繋がっている。かつての自宅ということもあり、オルタの美意識が隅々にまで行き届いたアールヌーヴォー建築の傑作と称賛されている。モザイク天井、ステンドグラス、鉄を使った装飾、曲線美の家具、飾られた絵などが見事に調和し、鉄やガラスなどの当時の新素材を利用した装飾は、当時の内装をそのまま留めている。また、オルタのプライベートコレクションや建物の設計図や蔵書などを収蔵し、研究の拠点にもなっている。

オルタ美術館（Horta Museum）
住　所：　Rue Américaine 25, 1060 Brussels
　　　　　トラム81, 92, 97（停留所 Janson）
開　館：　火曜日～金曜日　午後2時～午後5時30分／土曜日・日曜日　午前11時～午後5時30分（入場は午後5時まで）
休　館：　月曜日（その他、元日、復活祭日曜日、キリスト昇天祭日、5/1、7/21、8/15、11/1、11/11、12/25）
入館料：　10ユーロ（一般）、6ユーロ（65歳以上）、5ユーロ（大学生）、3ユーロ（6~18歳）
公式サイト：http://www.hortamuseum.be/
※ 日本語のガイドツアーもある（10日前までの事前予約要）。詳細は公式サイトの日本語をクリック。