ロシアパンの芳醇な味と香り
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2015年01月27日公開

エリア:ヨーロッパ  > ロシア / ジャンル:グルメ・スイーツ , 

ロシア人の食べるパンは?ロシア市場では世界各地のパンが販売されているが、ロシアにしかないロシアパンの味がある。1836年、シェレメチェフ伯爵はロシアの偉大な詩人アレクサンドル・プーシキンに手紙を書いた。「兄弟よ、パリの生活はひどい。食べたい物がないし黒パンは入手できない」。この文章からロシアの味に飢えていることがわかる。黒パンとはライ麦パンだ。

20世紀半ば頃までは様々な発酵工程に基づきパン生地がつくられていたため、他のアジアの酵母なし扁平形パンとは異なり、「酸っぱいパン」と呼ばれている。1940年から1950年代にイースト菌が登場すると、酸っぱいパンのつくり方は忘れられ始めた。

ロシアでもっとも有名なライ麦パンのブランド「ボロジンスキー」。穀粉とイースト菌の他にライ麦の麦芽、蜂蜜、コリアンダーが材料。このパンの少し甘味のある味と香りは旧ソ連時代に愛され、ロシア人はこのパンの味を懐かしがる。修道女が、1812年にナポレオン軍とロシア軍が交戦したボロジノ村でこのパンを最初につくったという説と、1920年代にモスクワで初めて現れたという説がある。

ソ連時代に戦略的食品だったパンの価格は、1ヶ月の平均給与が120ルーブルから140ルーブルだった時代に、パン1斤20コペイカ(1コペイカは1ルーブルの100分の1)、棒パン16コペイカ、穀粉の小さいパンが3コペイカから6コペイカの固定価格だった。1963年や1970年代終わり、材料不足で西側諸国から穀物を買わなければいけなかった時でも、ソ連の保有外貨で補いパンの価格が上がる事はなかった。

白い小麦粉のパンは20世紀初めに普及するようになったが、一般庶民にとって豊かさの象徴であった。ロシアの白パンで有名なブランドは、ふっくらとしたリング形の「カラチ」。14世紀にロシアの手工業者が酵母なしの白パンのつくり方をタタール人に教えてもらったのがきっかけ。ロシア帝国時代のパンのレシピは現在復活し「新たな人生」を得た。

・白パン「ナレズノイ」(「刻み目のある」の意)
・楕円形の黒パン「ストリーチヌイ」、「イズマイロフスキー」、「ソコリニチェスキー」
・白パン「ゴルチーチヌイ」(「からしの」からし色のため)
・ぬか入りの棒パン(健康食)
・黒パン「ボロジンスキー」(糖蜜、コリアンダーなど)
・箱型の黒パン「ダルニツキー」
・アロマートヌイ(「香りのある」キャラウェイなどの香料入り)

情報提供・発行元: ロシアNOW
ロシアパンの芳醇な味と香り:http://roshianow.jp/articles/2012/11/19/39997.html

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