インスブルックに本拠地を置くヴィルテン少年合唱団は、ヴィルテン司教座教会に属する少年合唱団として 13世紀に設立された伝統ある合唱団。ハプスブルク家の保護下において、中世時代からハプスブルク帝国の宮廷付き聖歌隊として活動していた。15世紀には、神聖ローマ帝国の皇帝マクシミリアン1世に気に入られ、宮廷の聖歌隊として活躍。マクシミリアン皇帝がウィーンに移る際、ウィーンの宮廷礼拝堂にも少年聖歌隊を創設するため、皇帝はインスブルックからメンバーをウィーンに連れて行った。この事が1498年に誕生したウィーン少年合唱団の母体となる。

ヴィルテン少年合唱団の団員は、一般的に知られているような寄宿舎で生活するのではなく、親もとで育つことを大切と考え練習時に集まる。また、変声期を迎えた少年は退団するのではなく、テノールやバリトンのパートを受け持つようになり、大人になってもメンバーとして加わっているのが大きな特徴と言えるだろう。

ヴィルテン少年合唱団は、インスブルック市観光局と共に王宮教会でもコンサートも開催したり、オーストリア国内だけでなく、国境を越えて多くの国々でコンサート活動を行ったりしている。コンサートでは、チロル風の赤いブレザーにニッカポッカのズボンという伝統的なユニフォームがとても可愛い。毎年新年にはニューイヤーコンサートも開催されるので、いつかは美しい歌声と共に新年を迎えてみたい。

ニューイヤーコンサート
2015年1月3日　午後8時　ランディック市役所（Stadtsaal Landeck）
2015年1月4日　午後8時30分　タックスセンター（Tux-Center）

その美しい歌声をYouTubeでちょっと聞いてみよう。
Ave Maria (Bach-Gounod), Wiltener Sängerknabe, Johannes Stecher
https://www.youtube.com/watch?v=T3GxpuuGun8
Wiltener Sängerknaben - Jetzt fangen wir zu singen an 2012
http://www.youtube.com/watch?v=xirEkHcCX7E

ヴィルテン少年合唱団 公式サイト（英語）
http://www.saengerknaben.com/en/

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Wilten Boys' Choir in St. Rochus Church, Vienna, Austria © Mnolf at Wikimedia Commons