- 2024.12.12
映画『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』が来年1月9日に公開される。手に汗握る、先の読めないスリリングなストーリーの連続で思わず息をのんでしまうが、絶望の街でみつけた“小さな希望”を頼りに、街全体に輝く奇跡を起こす少年たちの物語。
監督は『リトル・ダンサー』から一貫して、力強く成長する少年を繊細な演出によって描き続けてきたダルドリー監督。第84回アカデミー賞作品賞にノミネートされた『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』以来3年ぶりの新作。脚本は『ラブ・アクチュアリー』『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』などの監督としても知られるリチャード・カーティス。スクリーンの中で躍動する3人の主人公を演じたのはオーディションで選ばれた無名の少年たち。演技経験がないにもかかわらず、キャラクターに鮮やかに命を吹き込んだ。また脇を固めるマーティン・シーンやルーニー・マーラの演技も素晴らしい。
《物語》ブラジル、リオデジャネイロ郊外
ゴミを拾って生活している3人の少年、やんちゃなラファエル、頭の切れるガルド、心優しいラットは、ある日ゴミ山の中でひとつのサイフを拾う。その発見が彼らと街全体の運命をひっくり返すことになるとは!警察が現れ、サイフを見つけたら謝礼をする話を聞き、このサイフが重要なものである事に気付く3人。サイフの中に入っていたカギに合うコインロッカーを探り当て、そこで一通の手紙と数字の羅列されたメモを見つける。サイフの持ち主の行方を捜し、手紙の宛先人へ会いに行く。次第に警察の手が背後に迫る中、少年たちは突き止めたヒントを組み合わせ、ひとつの真実へと近づいていく。彼らが命を掛けて追い求めた真実とは…。
映画の舞台となったリオデジャネイロでは、2016年8月5日から21日まで第31回夏季オリンピックが行われる。この映画はあくまでフィクションである。映画制作に理解のある政府、そして映画のロケーションに適した場所がリオという事だ。事実、原作小説では架空都市として描かれている。原作者のアンディ・ムリガンは、ブラジル、インド、フィリピン、マレーシアなどで教鞭を執った経験があり、小説の舞台はそれらのどこの国のようでもあったそうだ。
傷つきやすく見えるかもしれないが、意思が強く、生き抜くために毎日戦っている映画の中の子供たちのように、世界の多くの国には、厳しい環境から抜け出そうともがいている子供たちがいる。それは決して彼らのせいではない。
『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』(114分)
2015年1月9日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー
配 給: 東宝東和
URL: http://trashmovie.jp/