- 2026.09.19
人口1400万人の巨大都市に成長したベトナムの商都、ホーチミン。GDP年間10%増、街は活気に溢れている。だが、今も所々にフレンチ・コロニアルな町並みが残され、インドシナ半島南部の独特の風情が漂う。
街中を大きく蛇行して流れるサイゴン川河畔には、豊かな緑に囲まれたフランス風ヴィラが佇む。街の中心部の桟橋から、川クルーズを楽しめるピード・ボートで20分ほど、ホテルの川辺に着く。
たっぷりと水を湛えたプールと花が咲き乱れる庭園越しに、白亜のフレンチ・インドシナ様式の建物に迎えられる。「ミア・サイゴン(Mia Saigon)」の正式のエントランスは川と反対側にあるのだが、どちらからも入れる開放的な伝統の造りになっている。
ザ・リビング・ルームと称されている居心地のいいラウンジで、ココナツ風味のドリンクを頂きながらチェック・イン。スィート18室を含む客室43室のブテイック・ホテルだ。館内はベトナムのアートが随所に飾られ、7階に渡る各フロアにもテーマ別のアート・インテリアが施されている。
ホワイトを基調に上品なトーンでまとめられた優雅な客室は、ベランダから滔々と流れるサイゴン川が満喫できる。ホーチミンの経済と観光の柱ともなっている川は、様々な船が忙しく往来するが、夕方からは涼しい川風が吹き、朝は水鳥の声で起こされる。
最上階のルーフ・トップ・バーは夕日の名所。薔薇色に染まったサイゴン川沿い、意外に近くにホーチミンの高層ビルが迫って見える。夕食は川辺のリバーサイド・キッチンへ。朝食はもちろん、フレンチ・タッチのベトナム料理がホーチミン市民にも人気だ。
蛇行するサイゴン川に囲まれた一帯はタオディエンと呼ばれ、ベトナムの富裕層や在住外国人の高級住宅地ともなっている。リゾートのような雰囲気の街並みでカフェやレストラン、ブティックが連なる。その一角にある、モダン・ベトナム料理が定評の「マダム・ラム(Madame Lam)」はミア・ホテルと同系列のレストランなので、散策ついでにぜひ。
早めの夕食の後は、多様なベトナム産ハーブを使ったナチュラル・ウェルネスを謳うスパへ。伝統のベトナム施術で、心身を隅々まで癒されたあと、川面に映る月明かりに満たされた部屋に戻った。中秋節が近いためだろうか、どこからか月琴の調べが聴こえてきた。
Mia Saigon
https://www.miasaigon.com
Madame Lam
https://madamelam.com
キャプション
1―川辺からみたホテルのファサード。プールは淡水と塩水とがある
2-客室もベランダもゆったりと寛げる。浴室もバスタブとアメニティが揃う
3-リバーサイド・キッチン、外のテラスで迎える朝焼けも格別
寄稿記事
ジャーナリスト 篠田香子
《篠田香子 プロフィール》
国際不動産開発を専門に取材する傍ら、世界各地で激減する旅の原風景を私的に綴る。東京とミラノが拠点。著書に「世界でさがす私の仕事」(講談社)など


