旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2022年10月5日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

ローラン・ペリエから始まるスペシャルコースにときめく! 『パレスホテル東京』で楽しむ『ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022』

今年で11周年を迎える日本最大級のレストラン・イベントは、全国約550店が参加し10月16日まで開催中。zoom
今年で11周年を迎える日本最大級のレストラン・イベントは、全国約550店が参加し10月16日まで開催中。
食欲の秋を迎え、各地で食のイベントがまっ盛り。なかでも、日本最大級のレストラン・イベントが、10月16日(日)まで開催中の『ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022』。前回のコラムでも紹介しましたが、全国約550店のレストランでフランス料理のコースをリーズナブルな価格で楽しめるとあって、毎年大人気となっています。

10周年を迎えた『パレスホテル東京』のオールデイダイニングへ
数ある参加レストランから私が選んだのは、2022年5月に10周年を迎えた『パレスホテル東京』内にあるオールデイダイニング『グランド キッチン』。旧パレスホテル時代から親しまれているローストビーフなどとともに、フレンチ、洋食、和食の要素を取り入れたバラエティ豊かな料理を味わえるレストランです。
オープンキッチンのダイニングルームとともに、開放的なテラス席もあるパレスホテル東京の『グランド キッチン』。zoom
オープンキッチンのダイニングルームとともに、開放的なテラス席もあるパレスホテル東京の『グランド キッチン』。
食前酒は、ここでしか味わえない限定ラベルの『ローラン・ペリエ』
イベント限定のコースメニューの内容は、スモールアペタイザー、前菜、メイン料理、デザートに加え、食前酒とメインの料理に合わせた2ドリンクのワインペアリング付き。食前酒としてサーヴされたシャンパーニュに、なんと『ローラン・ペリエ』が登場! しかも、このパレスホテル東京でなければ味わえない限定ラベルとのこと、スタートから一気に気分が盛り上がってきました。
シャンパーニュとともに味わう前菜は、「キノコのフリット」と「鮪とビーツのタルタル」。zoom
シャンパーニュとともに味わう前菜は、「キノコのフリット」と「鮪とビーツのタルタル」。
スモールアペタイザーは「キノコのフリット」、続く前菜は「鮪とビールのタルタル 和歌山産柑橘の香り シブレットクリーム」。マグロとビーツの赤が鮮やかな前菜のドレッシングは、醤油がベース。柑橘の香りと酸味が爽やかな一皿です。

魚と肉、2種類のメインに合わせ2種類の赤ワインをペアリング
メインは、魚料理が「鱈のポワレ 南仏ブイヤベースのクーリ」、肉料理が「香川産オリーブ豚のロティ ティアンとタプナード オレンジとハーブのジュ」。今回のテーマでもある「南フランス」の代表料理といえば、ブイヤベースです。私は迷わず魚料理を選びました。
メインの魚料理は南仏の伝統料理「ブイヤベース」。魚介の鮮度の良さと丁寧な調理法が伝わってくる。zoom
メインの魚料理は南仏の伝統料理「ブイヤベース」。魚介の鮮度の良さと丁寧な調理法が伝わってくる。
サフランで色付けしたオレンジ色が美しいスープに、表面をこんがり焼いた鱈の白い身が映えます。プリップリのエビと、しっとりとして身に弾力がある鱈、どちらも火の通し加減が絶妙! まずはそのまま味わって、次にニンニクをたっぷり利かせたルイユを付けて。さらに、スープにはカリカリに焼いたバゲットを浸して食べたりと、幾通りにも味わえるのがブイヤベースの魅力。スープの最後まで、残さずいただきました。
世界三大スープの一つにも数えられるブイヤベースは、南仏のプロバンス地方が発祥。マルセイユの漁師料理がオリジンといわれ、ご本家では伝統的な食材と作り方が定められた公式の「ブイヤベース憲章」まで定められているといいます。そんなマルセイユの港町の風景を思い浮かべながら味わいました。

いっぽう、同行した友人は肉料理を注文。それぞれに合わせ、ブイヤベースにはシチリア産の「TERRE NERE」を、豚肉のロティにはオーク墫で熟成したオーストラリア産「Dog Ridge」の異なる赤ワインがペアリングされる丁寧さにも感動しました。
肉料理は「香川産オリーブ豚のロティ」。付け合わせのティアン(野菜の薄切りを重ねたもの)も、南仏を代表する野菜料理。zoom
肉料理は「香川産オリーブ豚のロティ」。付け合わせのティアン(野菜の薄切りを重ねたもの)も、南仏を代表する野菜料理。
デザートは「シトラス風味のタルト ショコラ」。シトラスの酸味が爽やかなスプレッドと濃厚なチョコレートの組合せは、うっとりするほどの美味しさです。

『ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022』では、2,500円、5,000円、8,000円のいずれかでフランス料理のコースメニューを提供することになっています。今回いただいた『グランド キッチン』のメニューは最高価格の8,000円ですが、料理の内容とともにシャンパーニュを含めたワインペアリング付きでこの価格は、驚くほどリーズナブルだと思いませんか? 

また、同ホテル内にある『エステール』は、「ミシュランガイド東京2022」に1つ星レストランとして掲載されているフランス料理の名店。シェフを務めるマルタン・ピタルク・パロマー氏は、今回のイベントを盛り上げるため、全国から選出されている16人のフォーカスシェフの一人。発表会では、「和の技術を取り入れてフランス料理を作ることに喜びを感じている」と語っていました。次回はこちらのレストランで、マルタンシェフのお料理も味わってみたいと思っています。
口どけのいいチョコレートから、上質の素材を使っていることがわかる。デザートの美味しさにもうっとり♡zoom
口どけのいいチョコレートから、上質の素材を使っていることがわかる。デザートの美味しさにもうっとり♡
開催期間も残りわずかとなった『ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022』。公式ホームページからはエリアと予算のほか、食材や食べてみたいメニュー、シーンやワインの種類などでも検索ができ、好みにぴったり合ったレストランが見つかります。実際に訪れてみて感じたのは、料理の美味しさとともに、日本の食材がフランスの伝統料理に見事に生かされていること。次回はどんなテーマのもと開催されるのか、早くも来年の秋が楽しみです。

●ダイナースクラブフランスレストランウィーク2022
9月23日(金・祝)~10月16日(日)の24日間
公式ホームページにて一般予約受付中
https://francerestaurantweek.com/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
risvel facebook