旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2020年3月7日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

北海道パウダーベルトの拠点「星野リゾート OMO7旭川」で楽しむディープな旭川

夜の旭川は小路巡りが楽しい。昭和初期の雰囲気が残る「ふらりーと」はホテルから歩いて3~4分。zoom
夜の旭川は小路巡りが楽しい。昭和初期の雰囲気が残る「ふらりーと」はホテルから歩いて3~4分。
北海道パウダーベルトを楽しむために滞在したホテル「星野リゾート OMO7旭川」。ここを拠点にすれば、パウダーの聖地「大雪山旭岳」、北海道最大級のゲレンデ規模をもつ「カムイスキーリンクス」をはじめとした周辺のゲレンデが滑り放題。さらに、旭川の街そのものを楽しむサービスがたくさん用意されています。

ビジネスホテルでもシティホテルでもない、新しいスタイルのホテルブランド
星野リゾートが運営するホテルブランド「OMO(おも)」は、“街を楽しむ”ことをコンセプトにし、これまでにない宿泊体験ができるホテル。カジュアルな雰囲気で宿泊料金もリーズナブルですが、使い方次第でその価値が何倍にもなります。
「OMO7旭川」のパブリックスペースと客室。和洋食、スイーツまで並ぶ朝食メニューも魅力です。zoom
「OMO7旭川」のパブリックスペースと客室。和洋食、スイーツまで並ぶ朝食メニューも魅力です。
館内に入って目を引くのが遊び心いっぱいのパブリックスペース。レセプションとロビー、ライブラリーとカフェ&バーが少しずつスペースを共有していて、解放感にあふれています。コンパクトにまとまったゲストルームも、とても機能的。私が泊った11階の客室からは夜景とともに、市内から車で15分でアクセスできる「サンタプレゼントパーク」のナイター照明が見えました。

スノーシーズンを楽しみつくすサービスとは?
スノースポーツを目的に訪れる人たちにとって最大の魅力は、その日の天候やコンディションによって出かけていくゲレンデを選べること。そんなスキー&スノーボーダーのために用意されているサービスは7つ。いくつかを紹介すると、「大雪山旭岳」「カムイスキーリンクス」への無料送迎バス、雪質や雪温に合わせて30種類からワックスを選べる「WAX BAR(ワックス・バー)」、「雪バカ御用達酒場ツアー」、悪天候時に役立つ「昼飲みMAP」など。つい持ってくることを忘れがちなリフト券ホルダーの無料貸し出しも見逃せません。
エントランス近くに設置された乾燥室、各ゲレンデの最新状況が分かるインフォメーションボード、ワックスがけなどのメンテナンスのために利用できるフリースペースも便利。もちろんウエアや用具のレンタルを完備し、ビギナー向けから上級者用モデル、パウダーに特化したスキーなどラインナップも充実しています。

ディープな旭川を楽しむ、OMOレンジャーによる「Go-KINJO」サービス
旭川のオフィス街に隣接し、繁華街にも近い「OMO7旭川」。ホテル周辺には徒歩5~10分圏内に10本以上の個性的な小路と100軒以上の飲食店が集中しています。これを紹介する「ご近所マップ」がレセプションの近くに設置されているので、街歩きに出かける前にチェックしましょう。また目的別に街を案内してくれるのが「ご近所ガイドOMOレンジャー」。グルメ、お酒、お散歩、カルチャーなどの得意分野をもつスタッフがナビゲーターになり、毎日5種類以上のツアーが実施されています。
ご近所の案内をしてくれる「ご近所ガイドOMOレンジャー」が頼りになる!zoom
ご近所の案内をしてくれる「ご近所ガイドOMOレンジャー」が頼りになる!
「旭山動物園」の人気者、ペンギンのすべてがわかる!? 特別講座
旭川といえば冬のこの時期、「旭山動物園」で披露されるペンギンの雪上散歩を楽しみに訪れる人も多いのではないでしょうか。以前、一度だけ見たことがあり、雪の上をぺたぺた、ちょこちょこと歩くペンギンの姿は思わず声が上がるほどの可愛さ。これに合わせ3月31日まで毎晩夜8時から開かれているのが「ペンギンの話しかしない、旭山動物園講座」。ファミリーはもちろん、大人も楽しめる内容になっています。
意外に知られていませんが、「旭山動物園」は隠れたグルメスポット。手作りパンやソフトクリームが美味しく、しかも価格がとてもリーズナブル。春以降、この園内グルメを楽しむためのノウハウを紹介する講座も催されるそうです。
かわいいペンギンについて学べる「旭山動物園講座」。出かける予定がある人は必見です。zoom
かわいいペンギンについて学べる「旭山動物園講座」。出かける予定がある人は必見です。
「雪バカ御用達酒場ツアー」でディープな旭川の夜を体験
今回、夜の部で楽しみにしていたのが、OMOレンジャーが夕食を兼ねて案内してくれる「雪バカ御用達酒場ツアー」。レンジャーの“くぼちゃん”こと大久保さんが連れて行ってくれたのは、元プロスノーボーダーのオーナーが営む牡蠣小屋。サロマ湖直送の牡蠣を使ったアヒージョや燻製、缶のなかで蒸し焼きにする「ガンガン焼き」など、「牡蠣バカ」の私にはこたえられないメニューが並びました。
出かける前に必ずチェックしたい「ご近所マップ」。「雪バカ御用達酒場ツアー」の案内をしてくれたOMOレンジャーの大久保さん。zoom
出かける前に必ずチェックしたい「ご近所マップ」。「雪バカ御用達酒場ツアー」の案内をしてくれたOMOレンジャーの大久保さん。
そんな料理をつまみにスキー談議で盛り上がった後は、市内の小路散策へ。旭川といえば北海道三大ラーメンに数えられる「旭川ラーメン」が知られていますが、ほかにもジンギスカン、塩ホルモン、若鳥の半身を豪快に焼いて食べる「新子焼き」など、ご当地グルメも豊富です。
サロマ湖産の牡蠣づくしメニューを味わえる牡蠣小屋「中番屋」のオーナーは元プロスノーボーダー(上)。旭川名物の塩ホルモン(下)。zoom
サロマ湖産の牡蠣づくしメニューを味わえる牡蠣小屋「中番屋」のオーナーは元プロスノーボーダー(上)。旭川名物の塩ホルモン(下)。
スノースポーツはもちろん、人気の観光スポットや街歩き、夜の居酒屋巡りもよくばりに楽しめる旭川。スキー三昧の旅は「雪バカ」にとって最高の贅沢ですが、こんなふうな都市型スキーなら楽しみ方のバリエーションがもっと広がります。天候次第でプランを変更できるし、まったくスキーをしない人が一緒でも楽しく過ごせるに違いありません。2泊や3泊じゃ物足りない、もう1~2泊プラスして旭川中のゲレンデを滑りつくし、路地裏の隠れたグルメを掘り起こしてみたいものです。

★「カムイスキーリンクス編」は、こちら
★「パウダーの聖地・大雪山編」は、こちら

【協力】
星野リゾート OMO7旭川

北海道旭川市6条通9丁目
TEL: 0166-29-2666(宿泊予約)
全237室 1泊4,500円~(2名1室利用時の1名あたり、税・食事別)
https://omo-hotels.com/asahikawa/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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