旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2020年2月15日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

ブレックファスト・タイムに訪れたい、コーヒー文化の街・ウエリントンのカフェ

さまざまなスタイルのコーヒーメニューを飲み比べできる「フライト・コーヒー・ハンガー」。上は「コーヒー3ウェイ」、下は「フライト・オブ・フラットホワイト」zoom
さまざまなスタイルのコーヒーメニューを飲み比べできる「フライト・コーヒー・ハンガー」。上は「コーヒー3ウェイ」、下は「フライト・オブ・フラットホワイト」
「角を曲がるたびにカフェがある」といわれ、味にうるさいコーヒー通が多いことで知られるニュージーランドの首都、ウエリントン。人口一人当たりに対する焙煎機の数が最も多く、アメリカのCNNが発表した「Best Coffee City」ではトップ8に選ばれたこともある「コーヒー文化の街」です。旅先では目覚めのコーヒーと一緒に食べる、その土地ならではの朝食が楽しみという人は多いはず。ウエリントンで香り高いコーヒーとともに、美味しい朝食を食べられるお店をご紹介します。

ウエリントンのコーヒーシーンを代表する「Flight Coffee Hangar(フライト・コーヒー・ハンガー)」
最近、日本でもじわじわと人気が高まっている「フラットホワイト」。ニュージーランドのカフェの定番でもあるこのメニュー、見た目はカフェラテにそっくりですがミルクの分量が少なく、エスプレッソの香りと味わいがより強く感じられます。このフラットホワイトの飲み比べができるのが、地元発祥のコーヒー専門店「Flight Coffee(フライト・コーヒー)」直営カフェの「Flight Coffee Hangar(フライト・コーヒー・ハンガー)」です。
地元で人気のコーヒー専門店の直営カフェ。併設する焙煎所から、煎りたての豆が届く。zoom
地元で人気のコーヒー専門店の直営カフェ。併設する焙煎所から、煎りたての豆が届く。
この店で扱う豆は、エチオピア、コロンビアなどの契約農場からフェアトレードによって仕入れた最高級のもの。併設する焙煎所はニュージーランド国内で数々の賞を受賞し、世界大会に出品するほど高い焙煎技術を誇ります。さらにスタッフは、バリスタの世界選手権出場歴がある実力派揃い。
豆のクオリティ、焙煎技術、バリスタのスキル、三拍子そろったコーヒーが美味しくないわけはありません。朝の開店と同時に、店内には多くの人が訪れ、あっという間に満席になる人気ぶりです。
上/早朝から、この人気ぶり。下/左から、季節の野菜とハルミチーズをのせたトースト、ホームメイドミューズリー、フレンチトースト(14~18.50NZD)。zoom
上/早朝から、この人気ぶり。下/左から、季節の野菜とハルミチーズをのせたトースト、ホームメイドミューズリー、フレンチトースト(14~18.50NZD)。
ハンドドリップ、エスプレッソ、コールドブリュ(水出し)など、様々なスタイルのコーヒーを味わえますが、ぜひ試してみたいのが3種類の異なる豆で淹れたフラットホワイトを飲み比べられる「フライト・オブ・フラットホワイト」。それぞれの豆の個性が明らかにわかり、その中から好みの豆を見つけるのはなかなか楽しいもの。
一方、同じ豆をエスプレッソ、フラットホワイト、コールドブリュで飲み比べられるのが、「コーヒー3ウェイ」。コーヒーにちょっとうるさい人なら、「この豆には、こっちの淹れ方の方が合うんじゃないかな」などと、語り出したくなるはずです。

エディブルフラワーのトッピングが美しいフードメニューは、地元産のフレッシュな食材を使ったもの。季節の野菜料理、自家製ミューズリー(グラノーラ)のヘルシーメニューから、自家製スモークサーモン、チキンバーガーなどボリュームたっぷりの料理まで、おなかのすき具合に合わせて選べます。メニューには「オーガニック(o)」「ベジタリアン(v)」「ヴィーガン(vv)」の表示があり、さらにワインリストにブドウの栽培方法のひとつ「バイオダイナミック(B)」の表示まであることに驚かされました。
●Flight Coffee Hangar(フライト・コーヒー・ハンガー)
119 Dixon Street, Te Aro, Wellington
TEL +64 4830 0909
7:00~16:00(土・日曜8:00~17:00) 無休
https://www.hangarcafe.co.nz/


ヘルシーメニューをお腹いっぱい食べるなら「Loretta(ロレッタ)」へ
もう1軒は、キューバ・ストリートにある「Loretta(ロレッタ)」。この通りには個性的なブティックや古着屋、音楽関係の店など、ちょっとファンキーな店が集まり、ウエリントンのサブカルシーンを象徴するようなエリアです。
ウエリントンのサブカル発信地(!?)、キューバ・ストリートに面した「ロレッタ」。zoom
ウエリントンのサブカル発信地(!?)、キューバ・ストリートに面した「ロレッタ」。
オープンキッチンがある店内は奥に細長く、120席ほど。朝食、ランチ、ディナーと通しで営業していますが、やはりブレックファストタイムの人気が高く、週末には入店待ちの行列ができることも。
旬の食材をできるだけ取り入れたメニューを提供し、朝食ではフリーレンジ(平飼い)のニワトリの卵を使った料理、放牧豚のベーコン、オーガニック野菜のサラダなどがおすすめ。トーストは、シード入り、グルテンフリーなどから選べ、季節の野菜やフルーツを使ったスムージーのメニューも豊富です。

ポーチドエッグと放牧豚のベーコンを乗せたトースト(21.50NZD)。zoom
ポーチドエッグと放牧豚のベーコンを乗せたトースト(21.50NZD)。
開店直後に訪れると、焼き立てのスコーンやマフィンが次々にカウンターに並ぶ様子を眺められ、山積みにされた自家製ジャムのビンにも心ひかれます。
ランチとディナーにはピザやサンドイッチ、パスタ、ブリトーなどのイタリアンメニューが登場。地元産のクラフトビール、ワインやカクテルとともに、チーズケーキやタルトなどのデザートも愉しみな店。ボリュームたっぷりなのですが、ヘルシーな食材を使っている安心感からか、罪悪感なくモリモリ食べられます。 
カウンターに焼き立てのスコーンや焼き菓子が並ぶところに通りかかったら、素通りできない!zoom
カウンターに焼き立てのスコーンや焼き菓子が並ぶところに通りかかったら、素通りできない!
●Loretta(ロレッタ)
181 Cuba Street, Te Aro, Wellington
TEL +64 4 384 2213
7:00~22:00(火曜9:00~、土曜8:00~、日曜8:00~21:00)
※季節により変動があります。
月曜休
https://loretta.net.nz/

旅先で食べる朝食は大きな楽しみのひとつ。地元の人が集まるカフェに行くと、そこに暮らす人たちのライフスタイルや流行りものがなんとなく見えてきます。その土地を知るには、まずはブレックファスト・タイムから、ですね。

【協力】
ニュージーランド政府観光局 Tourism New Zealand
https://www.newzealand.com/jp/
ニュージーランド航空 AIR NEW ZEALAND
www.airnewzealand.jp
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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