旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2020年1月21日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

寝ているあいだにベトナムのリゾート地ダナンへ ベトジェットエア

ダナン空港到着後のエアバスA321型機zoom
ダナン空港到着後のエアバスA321型機

日本線は5路線
ベトジェットエアは関西空港と成田空港からのハノイ・ホーチミン線に加え、2019年冬のスケジュールから羽田空港とダナン空港を結ぶ路線に就航しました。
関西と成田の4路線では、ベトナムを深夜出発し、日本には早朝に到着。折り返しの日本発は昼間便となります。今回就航の羽田⇔ダナン線は、深夜発着帯での就航の為、午前1時到着で午前2時半出発となります。このためダナンでの滞在が長く時間を有効に活用できるのがこの路線の強みです。

sky BOSSで搭乗してみた
出発前日は通常通り仕事を終え帰宅し、チェックイン開始時間の午後11時半を目指して羽田空港へ向かいます。チェックインカウンターにはすでに長蛇の列ができていますが、今回予約したsky BOSSはカウンター前にジュータンの敷かれた優先チェックインレーンがあります。預入手荷物30㎏、機内持込手荷物10㎏も含んでいるので安心です。検査場も優先レーンを利用できる為、列に並ぶことなくスムーズに通過。出国後はラウンジを利用できます。ターミナルビル5階のTIATラウンジANNEXは24時間営業しており出発間際まで使えます。

羽田空港のTIATラウンジzoom
羽田空港のTIATラウンジ

夜景の空港パノラマを堪能できるラウンジ
TIATラウンジの大きな窓の向こうには、145~147ゲートに駐機する航空機と無数の誘導路の灯りが見えており、旅行気分が高まります。
アルコールを含むドリンク類、カレーや牛丼、いなりといった簡単な食事もあり、ここで夜食を摂ることも可能。sky BOSSは優先搭乗の為、ここでビールを飲みながら出発時刻ギリギリまでゆったりと寛ぐことができました。
搭乗口に着くと一般乗客の列を横目に優先搭乗ですぐに機内に向かいます。バス案内の場合は、sky BOSSの乗客の為だけに別のバスを用意してくれます。ここまで空港到着から一切待つことなくストレスフリーで搭乗できました。

機内でも優先
さらにsky BOSSの威力は続きます。エアバスA321型機の機内に真っ先に到着すると、最前列の席に案内され、客室乗務員が荷物をストウェージに入れてくれました。LCCでよくある荷物の収納場所の取り合いとは無縁です。最前列は前方のsky BOSSと書かれたパーテションまで足元が広い為、全く狭さを感じさせません。この日sky BOSSを担当してくれたのは客室責任者でパーサーのディンさん。おしぼりとミネラルウォーターがトレイに載せられ運ばれて来るウェルカムドリンクサービスの後、Jet Caféのメニューから、好きな機内食と飲み物を1フライトで2回注文できるとの案内がありました。加えて、いつでも好きな時間にカップヌードルや、スナック類、他の飲み物も無料で頼むことができるとのこと。英語と日本語での機内アナウンスのあと、機体は羽田空港の滑走路灯の見える中、深夜の羽田空港を離陸しました。

機内食を運ぶディンさんzoom
機内食を運ぶディンさん

機内食
ホットミールはご飯もの、麺類など13種類が用意されています。どれにするか迷っていると、ディンさんがお勧めしてくれたのは「フライヌードル」。ビーフンの上にカニやエビが乗っています。食べてみるとたしかに美味しい。さすがは機内食をよく知っている客室乗務員のおすすめだと納得です。少し食べたところで、添えられていた「Huong Viet」という醤油のような調味料をかけてみたところ、コクが出て更に好みの味になり、深夜にもかかわらずペロッと食べ終えてしまいました。

機内食のフライヌードルzoom
機内食のフライヌードル

機内販売に注意
機内照明が落とされると、あちらこちらで寝息が聞こえはじめます。ダナン線ではSKY SHOPの販売は最小限のものしかありませんので、欲しいものがある人は要注意です。全体で100近いアイテムのうち半分近い製品はオリジナルグッズ。パイロットや客室乗務員の制服を着たテディーベアや飛行機キーホルダーなど、気になる物も多く、次回の旅行の時に注文しようと眺めていました。

往路の機内では、日本人客室乗務員の乗務はありませんでしたが、日本語を話す新人客室乗務員のチャンさんがいました。日本の専門学校で日本語を学び、卒業後ベトジェットエアに入社したそうです。日本に縁があり、日本語を話せる客室乗務員がいるというだけで、なんとなくホッとし、安心感が得られるという方も多いのではないでしょうか。

日本語を話すチャンさんzoom
日本語を話すチャンさん

ベトナムの航空業界を思いながら
ベトナムではLCCが定着し、旅行ブームになっています。国営のベトナム航空一社体制に風穴を開けたのがベトジェットエア。有償旅客キロ(RPK)ベースでベトナム航空の363億に比較してベトジェットは267億RPKと追い上げており、2018年の年間成長率で見ると、ベトジェットが33.8%であり、ベトナム航空2.0%を大きく上回り、抜き去るのは時間の問題だと思われます。

更には、2019年に誕生したばかりのバンブーエアウェイズが台風の目となっています。ベトジェットエアと同じエアバスA320のシリーズを導入した上に、既にワイドボディー機ボーイング787-9を導入し、長距離国際線を視野に入れています。ベトナム航空界の大競争時代が始まっています。

ハノイとホーチミンの2大都市間は1,600㎞あり、鉄道移動では35時間程度も掛かるため、2時間強で行ける空路利用者が多くなります。世界でも有数の混雑空路がベトナムの航空業界を活性化させる要因にもなっています。

左手の岩山「五行山」を見ながら朝焼けのダナン空港へzoom
左手の岩山「五行山」を見ながら朝焼けのダナン空港へ

ダナン空港は市街地の横
目が覚めて窓の外を見るとダナンの市街を南方から空港を目指していることがわかります。海岸線が一直線に延び、パワースポットとして有名な五行山が見えて来ます。アプローチを続けた機体は、35L滑走路に着陸しました。5時間40分でダナンに到着です。到着後は、sky BOSSの乗客だけの専用のバスで他のお客様よりも早く入国レーンに並ぶことが出来ました。

ダナン空港から市街地までは4㎞程度、車で15分もあれば到着です。朝の爽やかな空気を吸ってビーチリゾートでの観光のスタートです。

協力:ベトジェットエア ⇒ https://www.vietjetair.com/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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