旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2019年6月7日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

ANAホノルル線A380『FLYING HONU』搭乗記 【後編】充実の機内食&キャラクターの可愛さも魅力

往復のフライトを終え、成田空港に帰着した『FLYING HONU』。zoom
往復のフライトを終え、成田空港に帰着した『FLYING HONU』。
『空飛ぶウミガメ』をイメージしたANAホノルル線の新型機『FLYING HONU(フライング・ホヌ)』ことA380。その魅力は“世界最大級の旅客機”と呼ばれるスケールと、【前編】でご紹介した乗り心地のよさだけではありません。空港のどこに駐機していてもひときわ目を引くデザイン、機内食をはじめとした機内サービスのクオリティとキャラクターの魅力に、航空機ファンならずとも心をつかまれます。

ハワイでHONU(ホヌ)は、幸福を運んでくるラッキーシンボル
『FLYING HONU』の機体のデザインはご存じのとおり、ハワイ語で『HONU(ホヌ)』と呼ばれるウミガメです。ハワイでウミガメは「幸福を運んでくるもの」「幸せの象徴」としてとても大切にされています。そのホヌがペイントされた機体は、ぽっちゃり型の体型もあり、精悍なイメージがあるこれまでの航空機にはない可愛らしさ。機首を正面から眺めると、目が合った時のような親しみを覚えます。
機内ビデオに登場するマスコットキャラクターは、ブルーのLani(ラニ)、エメラルドグリーンのKai(カイ)、オレンジ色のLa(ラー)。オアフ島の人気スポット情報も満載です。zoom
機内ビデオに登場するマスコットキャラクターは、ブルーのLani(ラニ)、エメラルドグリーンのKai(カイ)、オレンジ色のLa(ラー)。オアフ島の人気スポット情報も満載です。
3体のマスコットキャラクターも、とびきりキュート! 現在就航している1号機はハワイの海とANAカラーのトリトンブルーをイメージし、そのキャラクターはハワイ語で空や天国を意味する『Lani(ラニ)』。2号機として登場予定なのはエメラルドグリーンで、キャラクターの名前も海を意味する『Kai(カイ)』。そして3号機はハワイの太陽を表すオレンジ色で、キャラクターの名前は『La(ラ-)』。この3つのキャラクターをモチーフにしたマスコットが機内ビデオで大活躍します。

ついつい見入ってしまう機内ビデオ。メニューカードのお得情報も要チェック!
スルーしてしまうことが多い機内安全ビデオですが、こんなキャラクターが登場したらつい見入ってしまいますよね。撮影地は、オアフ島東海岸のクアロア・ランチ。映画『ジュラシック・ワールド』のロケ地として有名な場所です。
さらにオアフ島の最新ガイドもあり、絶景ポイントや人気のショップ&レストランが次々に紹介されるので、往路の機内でぜひともチェックしてください。
成田発エコノミークラスの機内食。bills Waikikiで使えるドリンク券が付いています。。zoom
成田発エコノミークラスの機内食。bills Waikikiで使えるドリンク券が付いています。。
お楽しみの機内食は、“世界一の朝食”と称され、ワイキキでも人気のレストラン『bills(ビルズ)』の監修によるもの。成田発ホノルル行きNH184便のエコノミークラスでは、ポークシュニッツェル(つまり、とんかつ風)メニューが提供されます(2019年5月24日~8月31日、2019年12月1日~2月29日まで)。メニューカードに付いてくる『bills Waikiki(ビルズ・ワイキキ)』の写真入りカードは、ワイキキのお店に持っていきフードメニューを注文すると、お好きなソフトドリンクが1杯、無料になる特典付き。しかも、滞在中何度でも使えるというのだから、忘れず持ち帰りたいですね。

帰国便のプレエコ・メニューには、ハワイの名物料理Poki(ポキ)も
ホノルル発成田行きの帰国便、NH183便のプレミアムエコノミー機内食は、和食メニューの「鰆西京焼き」と洋食メニューの「ハンバーグステーキ」の2種類から選べます。また、軽食メニューとして、きのこのクリームスープパスタと、プチフールも用意されていました。
帰国便のプレミアムエコノミーの機内食。デザートはマンゴーシャーベット。到着前にはサンドイッチの軽食を提供。zoom
帰国便のプレミアムエコノミーの機内食。デザートはマンゴーシャーベット。到着前にはサンドイッチの軽食を提供。
帰国便の食事のサービスが終わった後、客室乗務員の大野美緒さんにお話を伺うことができました。大野さんは成田発の初便にも乗務されていて、初フライトの感想をぜひともお聞きしてみたいと思っていたいのです。
「フライング・ホヌの初フライトは、ご搭乗くださったお客様はもちろん、私たち乗務員もとても楽しみにしていました。安全訓練とともに、サービスについてはシミュレーションを十分に行ってきたので、実際のフライトではさらにブラッシュアップしていきたいと感じております」
と大野さん。
左/いつかは乗ってみたい、ビジネスクラス。右/初フライトの感想を語ってくれた客室乗務員の大野美緒さん。zoom
左/いつかは乗ってみたい、ビジネスクラス。右/初フライトの感想を語ってくれた客室乗務員の大野美緒さん。
「でも、お客様にも助けていただいて、とてもなごやかでいい初フライトになったと思います。離陸の瞬間とホノルル到着後、お客様の中から拍手が起こり、口々に『おめでとう!』と言っていただいたときには、本当にうれしかったですね」と語る大野さんの笑顔からは、客室乗務員の方たちと私たち乗客のチームワークみたいなものが感じられ、改めてこの初便に搭乗できた幸運を実感しました。
搭乗証明書と記念のタグ。降機時の機内照明はハワイの虹をイメージしたもの。ハワイで虹は、7色ではなく6色と言われています。zoom
搭乗証明書と記念のタグ。降機時の機内照明はハワイの虹をイメージしたもの。ハワイで虹は、7色ではなく6色と言われています。
500人以上が乗り降りする大型旅客機ですから、中型機に比べチェックイン、搭乗、降機に多少は時間がかかるのは否めません。しかし、待ち時間も楽しいひと時に変えてくれるのが『FLYING HONU』。その証拠に、今回ご一緒した乗客の方たちは、ロビーから見える機体を何度もカメラに収め、機内を後にするときも、いつまでも名残惜しそうに振り返っていた人が多かったのが印象的でした。ハワイを訪れる楽しみとともに、これからは『FLYING HONU』に乗る楽しみが、もうひとつ増えたように感じました。

★【前編】では、『FLYING HONU』乗り心地を紹介しています。
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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