旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2019年2月21日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

街の活気を肌で感じるハノイ歩き

時が止まったかのような橋の様子zoom
時が止まったかのような橋の様子
街のアイコン ロンビエン橋
ロンビエン橋はハノイから鉄道で一つ目ロンビエン駅からすぐのソンホン河に掛かかる橋です。1902年にフランスによって建設されたこの橋はベトナム戦争も経験し、都度修復されて今に至ります。橋を渡れるのは鉄道、バイクと自転車。車の乗り入れは禁止されています。

この佇まいはかなりな旧式であるものの、何か懐かしく心の奥底に眠る、昔見た馴染みの光景と重なります。日本と異なるのはバイクの流れの洪水。常に途切れることなく走るこの乗り物がどれだけベトナムで定着しているかわかります。

訪問時にちょうど、ハノイ駅に向かう列車が到着しました。何かの撮影なのかカメラマンとアオザイを来たモデル集団が線路わきに待機しています。あと一駅で終着なのに急ぐこともなく、10分ほども停車しています。日本のようなプラットホームはありません。車輌から線路に降りて、脇の通路を歩くような構造です。前後のディーゼル機関車が客車を動かします。
駅舎の横には屋外の待合場所で、誰もいない祈祷所がありました。

ドンスアン市場の活気に触れる
旧市街の中に入り喧騒が騒音に代わる頃、街の市場ドンスアンに到着します。古びた百貨店のような造りですが、中は混とんとした様子。売り場なのか作業場なのか倉庫なのかわからない場所が続きます。二階になると様相は一変。布の山に囲まれた一角となります。ハノイを肌で感じられる活気ある市場です。

歩道が物を売る場所になっているので歩きにくいことこのうえありませんが、建物の周囲もハノイの街の性格を物語るように、活気づいています。
ドンスアン市場前zoom
ドンスアン市場前
昼食
「ERAレストラン」は地元の人も勧めるベトナム料理の店。ベトナムの店舗は間口が狭いのですが、奥は広い空間が広がっています。ここも同様で、3階建てで縦に広がるこの店は、清潔で欧米人が多く訪れています。
えび生春巻きと、ERAスタイル炒飯を頼みました。大きな海老がもっちりとしたライスペーパーに包まれています。特徴的なのは繊細なソース、舌に絡まります。ガーリックが効いてパンチのある炒飯も美味しい。おすすめです。

ホアンキエム湖は憩いの場
旧市街の南、街の中心部にあるのはホアンキエム湖。週末は周辺が歩行者天国になって多くの市民が憩いに訪れます。
カフェやレストラン、ショップも多く長時間の滞在でも飽きることはありません。
湖畔は市民の憩いの場zoom
湖畔は市民の憩いの場
水中人形劇
ホアンキエム湖北側にあるのはタンロン水上人形劇場。伝統芸能を気軽に見ることができるので、多くの観光客が押し寄せています。入り口で入場料10万ドン(約500円)を払って二階の劇場へ。舞台となるプールの両脇に歌と演奏担当者がオーケストラの生演奏のごとく演出します。頭の大きな人形の愛らしい動きに、思わず笑みがこぼれます。

湖畔のカフェへ
ホアンキアム湖を見下ろすカフェが気になり入ってみました。湖畔北側の商店が並ぶ店の一部が入り口。店名を見ていないと見逃がす隠れ家的場所です。「カフェPho Co」は狭い廊下を歩き、小さな中庭のある階段で4階へ。名物のエッグコーヒーは甘くてトロトロ。苦みが苦手な人にはお勧めです。テラスの湖畔席もいいのですが、中庭に面した一角も落ち着きます。古民家の様子の佇まいに心地よい時間を過ごすことができます。
カフェ・フォーコーzoom
カフェ・フォーコー
代表的な観光地4か所巡り
旧市街西方には「ベトナム軍事歴史博物館」があります。ベトナム戦争時の遺産が多く展示されている場所。入り口には旧ソ連製のミグ21戦闘機が鎮座しており、イリューシンIL14P型輸送機(VN-C482)も見えます。戦車や戦闘機は戦争時の健闘から国宝にも制定されているようです。敷地内八角柱の国旗掲揚塔も世界遺産の一部。見逃せません。

隣には、「タンロン遺跡」の敷地が広がります。ベトナム王朝の城跡です。正門となるドアン門は上に上がれます。遺跡全体を見ていると、敷地内のフランスコロニアル調の白い建物群も目につきます。

更に西に向かうと「ホーチミン廟」。実際にホーチミンの眠る部屋の見学時間は30秒。それを見るために30分以上の列に並ぶのを覚悟しましょう。建国の父と言われる人物の眠る場所は、ハノイに居れば行くべき場所でしょう。

隣接の「ホーチミン博物館」は、ソ連調の白い建物で内部は円形の展示室が層になって作られており、ホーチミンの足跡をたどることができます。
タンロン遺跡のドアン門(左上)、ホーチミン廟(右上)、軍事博物館の輸送機IL18(左下)、ホーチミン博物館(中下)、ロンビエン駅(右下)zoom
タンロン遺跡のドアン門(左上)、ホーチミン廟(右上)、軍事博物館の輸送機IL18(左下)、ホーチミン博物館(中下)、ロンビエン駅(右下)
ブンチャー・オバマ
ホアンキエム湖南側には、オバマ前アメリカ大統領が訪れたことで有名な食堂「Huong Lien」、通称ブンチャー・オバマがあります。
オバマ前大統領も注文したブンチャーは、庶民的な麺料理で、豚肉の入ったスープに加えてハーブも含めた野菜とライス麺のブンが別皿で配膳されます。ブンは固まって丸くなっているのですが、魚ソースのスープに漬けるとほぐれていきます。肉と共に口に入れると、食べたことのない優しい味。これで4万ドン(約200円)は驚きです。

土産を買いに
ハノイ駅の近くで、往路の機内でCAさんに聞いた、ベトナム産のカカオを使っているおすすめのチョコレートショップ「Pheva」に立ち寄りました。周りの雰囲気とは一線を画したお洒落なお店。パッケージもスタイリッシュで、さすがはCAさんおすすめのお土産です。
エラ レストラン(右3画像)、フェバ チョコレート(左下2枚)zoom
エラ レストラン(右3画像)、フェバ チョコレート(左下2枚)
これで一日観光
ベトナムの首都ハノイに摩天楼はなく、発展途上の国の勢いが色濃く残る活気ある街です。かなりの部分を歩きましたが、平坦な歩道は殆どありません。ところどころ車道に入るのですが、オートバイが何台も通り過ぎます。喧騒の真っただ中で過ごした一日は充実したものとなりました。

協力:ベト・ジェット・エア ⇒ https://www.vietjetair.com/Sites/Web/ja-JP/Home

エラレストラン⇒
http://www.erarestaurant.com/

フェバ・チョコレート⇒
http://www.phevaworld.com/?lang=jp
航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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