旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2018年11月5日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

美食の街・シカゴで舌の記憶に残るディナータイム 【連載】建築&アート、音楽と食を巡るシカゴの旅 Vol.9

シカゴでぜひとも食べたいもののひとつが、ステーキ。『RPM Steak』は、そのシカゴ発祥のステーキハウス。©John Stofferzoom
シカゴでぜひとも食べたいもののひとつが、ステーキ。『RPM Steak』は、そのシカゴ発祥のステーキハウス。©John Stoffer
アメリカ第3の都市・シカゴは、全米でもトップクラスを誇る美食の街。古くからアメリカの流通の中心であったことから、地元の新鮮な食材とともに、各地の食材がこの街に集まってくるのだそうです。
連載コラム第9回では、今回のシカゴの旅で舌の記憶に刻まれ、今も時々、その味を思い出しているレストラン2軒をご紹介します。

極上肉を堪能するステーキハウス
「アメリカで食べたいもの」のナンバー1に挙げらることが多いステーキ。シカゴにはカジュアルな店から高級レストランまで、40軒以上のステーキハウスが軒を連ねます。
『RPM Steak』のダイニングルーム。ほかに、パーティールーム、VIPルーム、バーカウンター、通りに面したテラス席があり、ライブも楽しめます。zoom
『RPM Steak』のダイニングルーム。ほかに、パーティールーム、VIPルーム、バーカウンター、通りに面したテラス席があり、ライブも楽しめます。
日本に進出している有名店もありますが、この街でなければ訪れることができない店が、キンゼイ・ストリートにある『RPM Steak(アールピーエム・ステーキ)』。シカゴが発祥のステーキハウスで、週末の予約が困難といわれるほどの人気店です。

アメリカンビーフから熟成肉、ナチュラルビーフまでお好みで
この店の自慢は、米国農務省による牛肉の格付けで最高級ランクのUSDAプライムビーフをはじめ、地元産の牧草牛、最長60日熟成させたDry Aged Beef(熟成肉)、抗生物質やホルモンを与えずに育てたナチュラルビーフ、さらには海外では高級肉の代名詞となっているA5ランクの『Wagyu(和牛)』『Kobe beef(神戸ビーフ)』まで、20種類以上の肉を揃えていること。
最高ランクのUSDAプライムビーフをはじめ、熟成肉、牧草牛、さらに和牛までお好みの焼き加減で味わえます。©Jeff Maninizoom
最高ランクのUSDAプライムビーフをはじめ、熟成肉、牧草牛、さらに和牛までお好みの焼き加減で味わえます。©Jeff Manini
メニューを何度も眺め、私が選んだのがリブアイステーキの『The Duke』。見た目はあっさりとした赤身肉のようですが、食べてみると旨味がとても濃くてジューシー! 10オンス(約280g)のボリュームもちょうどよく、大正解でした。

「せっかくなら、それぞれ違うお肉を頼んでみよう」と、今回の旅のメンバーがセレクトしたのはシグネチャーメニューのRPMステーキ、ヒレとサーロインの両方を味わえるTボーンステーキ、28日熟成のエイジングビーフ、Wagyuなど。みんなでシェアして様々な種類と部位を少しずつ味わい、食べ比べることができました。
前菜のハウスメイド・ベーコンのほか、サイドメニューの種類も豊富で、ホウレンソウのバターソテー、マカロニチーズ、マッシュルーム、マッシュポテトなど。私たちはオーダーしませんでしたが、マグロ、カンパチの刺し身、オイスター、キングクラブやロブスターといったシーフードのメニューも充実しています。
シーフードのメニューも豊富で、キングクラブのほかマグロ、カンパチのお刺身もありました。©Jeff Maninizoom
シーフードのメニューも豊富で、キングクラブのほかマグロ、カンパチのお刺身もありました。©Jeff Manini
ステーキのレベルの高さはいわずもがな、サイドメニューも期待以上の美味しさ。ここがシカゴ到着日のディナーだったのですが、今回の旅のメンバーの間では約1週間のシカゴ滞在中「RPMのステーキは美味しかった!」と何度も話題に上ったほど。さらに、帰国後に再会した席でも、ステーキの話題で盛り上がりました。シカゴでこの店のステーキを食べずに帰っては、本当にもったいない。高級店にもかかわらず、肩が凝らない雰囲気もよく、自信をもっておすすめできます。
●RPM Steak(アールピーエム・ステーキ)
66 W. Kinzie Steet, Chicago
TEL 1-312-284-4990
rpmrestaurants.com

アメリカ版『料理の鉄人』が腕を振るう、注目度No.1のイタリアン
もう1軒は、高級ブティックが軒を連ねるミシガン・アベニューにあるイタリアン『Spiaggia(スピアッジア)』。“シカゴ最高のイタリアン”として紹介されることが多い名店です。今年3月、エグゼクティブ・シェフのJoe Flamm(ジョー・フラム)氏がアメリカの人気テレビ番組『Top Chef』の料理人対決で勝利を収めたことで、さらに知名度がアップしました。今、シカゴで最も注目されているイタリアンといえます。
通りからは場所がわかりにくいのですが、シャネル・ブティックの2階が目印。せっかくなら、うんとおしゃれして出かけましょう!zoom
通りからは場所がわかりにくいのですが、シャネル・ブティックの2階が目印。せっかくなら、うんとおしゃれして出かけましょう!
700種類以上というワインのコレクションにも定評があり、『America's 100 Best Wine Restaurants』にも選ばれていると聞き、イタリアワインとのペアリングを楽しめる5コースのテイスティングメニューをセレクト。一皿一皿がアートのように美しく、ひと口ごとにハーブ、オイルなどさまざまな食材のハーモニーが広がります。どんな食材が使われているのか、いったいどんなふうに調理しているのか、想像力を巡らせながら味わうのが楽しいレストランです。
料理とともに、器づかいなど盛り付けのプレゼンテーションにも工夫が凝らされています。zoom
料理とともに、器づかいなど盛り付けのプレゼンテーションにも工夫が凝らされています。
訪れている人たちは、ドレスアップしたカップルや、ビジネスディナーと思しきジャケット姿の男性が中心。ちょっと気合を入れて、おしゃれして出かけたい店です。この店はディナーのみの営業ですが、隣りにある『Cafe Spiaggia(カフェ・スピアッジア)』は、もっとカジュアルな雰囲気でランチ営業もあります。
●Spiaggia(スピアッジア)
980 N.Michigan Avenue, Chicago
TEL 1-312-280-2750
spiaggiarestaurant.com

ちなみに、シカゴと友好都市関係を結んでいるのが、大阪市。どちらも商業で栄えてたきた歴史があり、1973年に友好都市関係を結んでいます。大阪ならぬ、シカゴで食い倒れを目指してみてはいかがでしょうか。

●協力
シカゴ観光局

http://choosechicago.com/jp
ユナイテッド航空 
www.united.com
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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