旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2018年5月13日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

スクート・タイガーエアのカジュアルなフライトでシンガポールへ

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期待を胸に機内へ

スクート・タイガーエアで出発
機内安全デモを客室乗務員自身が行う光景は最近見掛けなくなりました。それでも、インフライトエンターテインメント(IFE)を装備せず旅客自身のデバイスなどを使いストリーミングするLCCではまだ健在。ビデオよりも目が行ってしまうのは、乗務員の個性がでるから。スクートの黄色が映える制服とライフベストの色が妙にマッチするなあと妙な感想を抱きながら、成田から台北経由でシンガポールに向かう機内で過ごしました。

ボーイング787の座席で3-3-3配列は、後部では胴体径が狭くなるので2-3-2になります。この最後部44K窓側に座りました。LCCでは最後部でリクライニングのないシートもありますが、スクートではしっかりあってシートピッチが広く、追加料金が必要なシートです。

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鮮やかなブルーのシートが並びます

34L滑走路を離陸し、首都圏を眺めながら雪と雲で山頂がけむる富士山を眺めていると昼食時間になって機内がざわつき始めます。

種類の多いアジアンミール
「スクートカフェの開店です」のアナウンスのあと、客室乗務員は二本の通路を二人一組でカートを押し、機内食を販売していきます。今回は、事前に機内食をネットで予約していましたので、まっ先に運ばれて来ました。台北まではテリヤキチキン。事前にオーダーするコンボメニューでは、多くのアジアンメニューがあってドリンクとチョコレートバーが付いてきます。少々コツが必要なのですが、ナイフで容器に沿ってゆっくり開封。湯気にチキンの香ばしい香りがあって食欲を刺激します。

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スクートカフェ販売の様子

機内販売
機内食のあとは、機内販売の時間です。LCCは、それもが収益の柱ですので、商品は充実しています。4か月で更新となるスクートの機内販売カタログとなる「スクータログ」最新号では85ページものカタログに135の商品が並びます。飛行機が好きな人は、飛行機柄のボールペンが2シンガポールドル(約160円)で買えます。黒、青、オレンジの3色。手ごろなので、全部集めてもいいですね。

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ポーズを見せるキャビンチーフのアルディーさん(左)

レインボーの機内照明の中、何度も台湾入国カードを持って対象者に配っています。最後部で足を伸ばしていると、手袋をした客室乗務員が清掃用スプレーを持ってラバトリーを掃除するところを見るのも、当然とはいえ好印象。常に清潔に保たれているのは嬉しいですね。

Wi-Fiとテレビサービス
IFE機器は、設備全体で機体重量が増して熱が出ますので将来は消えて行くシロモノ。スマホやタブレットなど自身の機器に搭乗前に好きな番組をダウンロードして機内で視聴するような手法が流行っていくのでしょう。スクートはまさに先端を行っています。機内Wi-Fiは、スクートビズでは無料。エコノミーの事前購入で20MB容量のUSドル4.99から500MB容量のUSドル59.99までの5段階。専用アプリで2か月更新のスクートTVの視聴もおススメです。日本語メニューも含む60以上の映画と90のTV番組で機内が映画館に。

日本人客室乗務員
稲村愛莉さんは、新卒で客室乗務員になり3年の経歴を持ちます。英語が得意ではなかったので、猛特訓でコミュニケーションを図っていったとか。日本人客室乗務員50名ほどのなかの一人です。シンガポールをベースに日本線以外も乗務します。好きな路線は、サウジアラビアのジッダ。唯一の中東路線は個性ある旅客層で刺激を受けるそう。イスラム教の聖地メッカへの玄関口ですので、インドネシアやマレーシア人の信者が搭乗します。関西空港発ホノルル便では、ホノルル発の初便に乗務。他社でホノルルに行き、乗務備えました。日本人乗務員の仲間が増えることを期待しています。

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日本人客室乗務員の稲村さん

キャビンチーフ
客室責任者はキャビンインチャージと呼び、アルディー・ジェメールさんが乗務していました。カタール航空で世界中を飛んでいて、スクートへ転職。硬いイメージの会社からカジュアルな世界へ飛び出して、クルーライフを満喫しています。責任者として、タイガーエアのエアバスA320にも乗務したとのこと。ボーイング787の良さを実感しています。

乗務員は交代せずシンガポールまで
成田で乗務を開始した客室乗務員は台北で交代せず、そのままシンガポールまで向かいます。台北で一時降機して、買い物と休憩の時間です。機外へ出て歩けるのは気分転換にいいですね。再度搭乗すると、シンガポールへ向かうお客様の顔を覚えてくれて、機内に入ると挨拶を返してくれました。カジュアルなイメージがそんなところにも。この区間では、夕食にビーフとマッシュルームのラザニアを頼んでいました。

すっかり打ち解けた機内のギャレーでは客室乗務員が6名集まって「皆様の搭乗をお待ちしています」と言いながらポーズを取ってくれました。

笑顔のある集合写真zoom
笑顔のある集合写真

成田よりから台北までの所要時間よりも少々長い時間を過ごして、夜のチャンギ空港にスムーズに到着しました。

協力:スクート・タイガーエア HP
⇒ http://www.flyscoot.com/jp/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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