旅の扉

  • 【連載コラム】coffee x
  • 2017年5月24日更新
アムステルダムカフェより
カフェエッセイスト:安齋 千尋

Coffee x After rain-somewhere-Red Diamond cafe

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One day,
We'll meet trouble halfway
And she'll say;
'Just a taste and I'll be on my way.
Oh, you think I want to hang around here?
No I'll never again darken your door
You stepped to her with no fear
Said, 'These aren't the droids you're looking for.’
Cos, baby, one little push from you,
Got me on the upswing. 
(Bell X1- The Upswing)

After rain,
As if a little girl, I felt small jealous, when I saw a girl hold up by his arm laughing.
That was me with him. I think i needed the time purely being a child, maybe I had missed the time during my real childhood, and of course fall in love with you every details as a woman. When it rained outside, we played in the room kicking a plastic ball, kissing endless in the bed.
- And that’s over and my hope.
Thunder smashed heart(s), rained tears and tears, omg loneliness should continue towards rainbow and smile. Whatever I ask, always received 2000% attention to baby me. many love in my backpack, so keep saying to myself, no worry go ahead.
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雨上がりRed Diamond cafe。
灼熱のバンコクも雨の後はすーっと少し涼やかに感じられるものです。携帯電話に一覧で表示されるBangkok, Tokyo, Amsterdam, Milanの天気と時間。それぞれの都市は、私の心が少しずつある場所で、ああ今日はヨーロッパはいい天気なんだなーと思ったり、Amsが寒いと大丈夫かなぁと思ったりしながら、旅をしてきた私の大切な場所に想いを馳せます。そして、この街は暑過ぎるため、基本タクシー移動なのですが、日曜日の朝起きてプールで泳いだらタクシーに乗ってカフェへ、という一日の流れがちょとおもしろいバンコク時間。ピンクや黄色のギラギラした色のTAXIをヒョイヒョイと手で呼び寄せる仕草も慣れたものですが、ドライバーはもちろん英語が話せるわけなく、アルファベットではないため書くこと読むことも叶わず、ティーニー(ここ)とか、クワー クワー(右だよ右ー!)と、たまにイライラ大抵のんびりカフェに向かうのです。
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久しぶりのこの感じ、Red Diamondは、バンコク市内から少し離れて、rusticな雰囲気にあったR&Bとコーヒーの香り、バリスタもトーンがあっていて、好きだなぁと思うカフェに共通したシンプルにコーヒーが好きな人が作る空間です。私は色々なものがchaoticに混ざっている場所が苦手なのです。ああこうやって前もバリスタのオーラに見とれていたなと、今日オーダーした私のDripのレシピを大切に書いてくれることを眺めるカウンターです。日曜日の朝に合った、というテーマで選んでくれたエチオピアの豆は、Long sweet after tasteー時間をおいても渋みに変わることなく外を眺めながら静かにさらりと飲めました。ソフィアコッポラの映画を見ているようだなと思っていました。とくに大好きなシーンがいっぱいある『somewhere』。The StrokesのBGMーI’ll try anything onceが流れる、プールの中でコーヒーを飲む仕草をするシーンはとても美しく、全体的に薄い水色がかかったような彼女の映画が、目の前の風景と頭の中に浮かぶ水中で見とれた人の思い出に、よく合っているのでした。I’m fucking nothing、人はひとりになってこの呟く想いから何かを始めるのではないかと思います。
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さて、実りの雨、恵みの雨。タイは雨季に入ると果物の種類が豊富になるようです。写真は友人が持って来てくれたマンゴスチン。どうやって食べるの、と聞くと上手に剥いてくれました。かわいいお花の形の蒂と同じ数だけ、白い柔らかい実が入っている果物の女王は上品な酸味で、すっかり虜になりました。持って来てくれた袋いっぱいのマンゴスチンが、冷蔵庫に入っていると思うとちょっと幸せな仕事帰りです。不思議なことに、旬が週ごとに変わるかのように、今週はマンゴー、次の週はドリアン、となぜかきまって一種類の果物が山盛りで売られているのです。今週はどうもドリアンのようで、セブンイレブンの前にも屋台が出ていました。見た目ちょっとすごいので、こわごわ、まだ食べていないフルーツがたくさんあり、来週こそはと思っているうちにまた新しい見慣れない形のものが芳しい香りを放っているのでした。
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いつも行くフルーツマーケットがあるプラカノン駅から路地に入るとお気に入りのSpaがあります。Naaipa Art Complexという秘密基地のような建物の2階にある"Arom:D artisan spa”は、ほかのSpaとは格段の差がある上質のトリートメントが受けられます。タイは、マッサージやネイルのお店がほんとうにたくさんありますが、ここはAromatherapist として見て来た私のお墨付きです。お店全体のフォルムが美しく、自分たちの釜で焼いたという白い釉薬がかかったオイルを入れるボウルや、小さい花や灌木のインテリア、スパイスが置いてあるカウンターまで自然で心地よくしつらえてあります。カランと氷を入れて作ってくれたシナモンティとかわいい小さくてカラフルなタイのお菓子をいただくアフターケアも心がこもっていて笑顔になるのでした。飲み物のレシピをカウンターで教えてくれたので、私は早速シナモンスティックと小さなすり鉢を買って帰って来ました。こうやって好きな場所にいると、毎日誰のために泳いだり、健康に自然に美しく生活しようとしたりしているのかわからなくなる時も、今まで自分が旅して出会った人への感謝を込めて自分に丁寧でいようと思うカフェ時間です。タフな状況にいるときこそDon’t give up ne, ふとした時に可愛いタイ人の友人の一言に励まされ、そうだなもうちょっとやるか、の小さな幸せ探しは続きます。
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Red diamond cafefacebook:https://www.facebook.com/reddiamondcafe/
address:Sangkhom Songkhro 4 Alley, Lat Phrao, Krung Thep Maha Nakhon 10230
Aroma :D artisan spa
website: http://www.aromdlife.com

Somewhere(2010) 
Director: Sofia coppola
Trailer:http://www.imdb.com/title/tt1421051/videoplayer/vi2394490393?ref_=tt_ov_vi
カフェエッセイスト:安齋 千尋
Amsterdamに住んでいます。外国で暮らすため、京都で仲居をしながら学んだ日本、Londonでの宝物の出会いがありヨーロッパにきて10年以上が経ちました。世界中どこにいてもいいカフェに出会うことがとても楽しみです。入った瞬間の香り、音、新聞、いつものバリスタと目が合うこと、私の日々の幸せな瞬間はカフェにあります。
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