台北 松山空港の位置は、市内中心部。
桃園空港も、空港線の鉄道の開通で一気に利便性の向上が見込まれますが、やはり距離の近さは圧倒的に有利です。コンパクトな空港は、移動距離も短く快適です。
空港には1階到着ロビーに「飛機店」という航空グッズの店があり、台湾だけでない世界の航空会社のグッズやモデルがところ狭しと陳列、販売されているのが嬉しいところ。
店の目の前には「観景台」と呼ばれる展望デッキへの専用エレベーターがあり、屋上へ昇るとガラス貼りながら広い範囲で機体を眺めることができます。ここにはカフェもありますので、時間があればお茶をするのもいいかも知れません。
便利な空港から、羽田を結ぶ路線なので、チャイナエアラインのエアバスA330-300型は満席でした。週末の帰国便ということもあるのでしょう。予想以上に日本人利用客を見かけました。
エコノミークラスの最後方右側の43Kをアサインしていました。
座席には工夫があり、機内エンターテイメント画面の左には、蓋を開けるとミラーがあります。これは身だしなみを整える女性には嬉しいもの。
右側は携帯電話入れですが、スマートフォン出現前のもので小さいのがご愛敬です。
シートには、簡易ながら二つ折りのスリッパとヘッドセットが用意され快適に過ごせる工夫があります。
出発は18:15分ですが、18時には機体が動き出しました。
定時前の出発は気分がいいです。
駐機場から滑走路への出発経路も短いので、離陸までの時間が早いのも嬉しいです。
離陸直後の機窓には、ポツンポツンとネオンがまたたき始めた市街の夕景の中に台北101が見えていました。
当日はあいにくの天候で、すぐに雲の中に隠れてしまいましたが、抜けると月の無い漆黒のかなたに星と漁火が浮かんでおり、空と海の境い目が見えない幻想の光景が広がっていました。
シートベルトサインが消えた頃にはちょうど夕食の時間でしたので、客室乗務員が機内食の入ったカートを前方に移動させていきます。
前方から、後部コンパートメントの順番にトレイが配られます。同時にドリンクのリクエストも聞いていますので、忙しい様子。
エコノミークラスでは、チキンとポークのカレーソースの選択でした。
ポークを頼みました。甘口の程よくスパイスの効いたカレー味に、軟らかい豚肉がよく合います。サラダとフルーツが付き、パンはおかわりもできますので満足の行く内容です。
デザートは台湾の旅を思い返させてくれるような、ほっとする味のマンゴーゼリーでした。
感心したのは、ドリンクのサービスです。
食前に注文を聞いてまわった後は、食事中と食後にも切れ間無く乗務員が機内をまわります。赤白ワインを持ったと思うと、お茶、コーヒーとサービスしていきます。常に両手がふさがった状態の長時間の移動は大変なはずですが、そんな気配を微塵も感じさせません。台湾では日本以上にお茶を飲む習慣があります。飲み物でもてなしの気持ちを伝えてくれているように思えて嬉しくなりました。
ビールは台湾と日本の二つの銘柄があり、よく見ると缶入りサッポロ「北海道」は台湾で醸造したものです。
客室乗務員は動きっぱなしです。
最後部のギャレーで用意をしては出て行きます。
そんな忙しい機内をまとめる責任者のキャビンマネージャーが、隅々まで気を配りながら機内をまわっている様子も見受けられました。制服の色が白を基調としていて他の客室乗務員と違うので、すぐにわかります。笑顔で多くの乗客に声を掛けながら歩く姿が印象的です。
休む間もなく「スカイブティック」と呼ばれる免税品の販売が始まりました。
200を超える商品がありますので、ここで買い忘れたお土産を選ぶこともできますし、飛行機関連のグッズもあり、見ているだけでも楽しめます。ジュエリーなどは、手頃な価格のものも多く用意されているようで、商品を手にする乗客も見掛けました。
個人的には、スワロフスキーの飛行機チャーム付きボールペンが気になります。
客室乗務員は「日台間路線はサービスが過密なので、いつも休憩している暇はないんですよ」と笑顔で話してくれます。
日台間双方の旅行者が増えており、満席の場合も多いようですが、実は満席の時ほど忙しさの度合いがこれ以上無いので、段取りもわかり動き易いとのこと。
羽田までのフライト時間は2時間42分。気流の関係でところどころ揺れのあるフライトでしたが、客室乗務員は器用に腕を伸ばし、座席とオーバーヘッドストレージでバランスを取りながらサービスを続ける姿が頼もしく思えました。
忙しさの中にも決して笑顔を忘れない客室乗務員の動きがとても軽やかにみえた、チャイナエアラインの台北 松山空港から羽田へのフライトでした。
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