旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2016年8月5日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

ニュージーランド航空客室乗務員と話してみた

成田空港に着陸するボーイング787-9型機zoom
成田空港に着陸するボーイング787-9型機

名前を呼ばれてそちらを見ると、客室乗務員が「私の名前は〇〇です。担当させて頂きますのでよろしくお願いします」と、にこやかな笑顔と共に自己紹介がありました。

人懐っこい自国の人たちへの挨拶はもっと長い時間が掛かっています。
握手から始まって、客室担当の乗務員全員の名前まで紹介することもあるようです。握手するのはよく搭乗される方なのですかと聞いてみると「いえ、初めてのお客様でも同じです」とのこと。長いフライトを一緒に楽しみましょうという気持ちが伝わってきます。

このフレンドリーなサービスの様子は、どこのエアラインかお分かりになるでしょうか。南半球のKIWIと呼ばれる人々の国、ニュージーランド航空です。

お客様一人一人への丁寧なウェルカムzoom
お客様一人一人への丁寧なウェルカム

搭乗便に乗務していた日本人客室乗務員の高田さんとお話しする機会がありました。ニュージーランド航空では他社にあるような日本路線専用の日本人乗務員はいないとのこと。全員がニュージーランドに住み、本国の人と同条件で世界中の路線を飛びます。

数年前より乗務する機種が1機種ないし2機種に固定となり、B787-9担当の客室乗務員はその路線を繰り返し飛ぶことになったそうで、いわばその機種のプロフェッショナル。パイロットではよく知られたことですが、客室乗務員も同様のシステムを取っている航空会社があるとは知りませんでした。

ワインは選りすぐりのニュージーランド産を乗せていますと高田さんzoom
ワインは選りすぐりのニュージーランド産を乗せていますと高田さん

プレミアム・エコノミーについては、客室乗務員の中でも人気のあるクラスだとか。
少人数なので客室の様子を把握できてコミュニケーションが取りやすく、サービスレベルを高く保てます。乗客の満足度も高く、相乗効果でいい雰囲気になっていると言います。
実際に、乗客と客室乗務員の楽しそうな会話や笑い声があちらこちらで聞こえていました。

ニュージーランド航空のプレミアム・エコノミーは、「料金に関して言えばビジネスクラスの下ではなく、エコノミークラスの少し上、サービスはビジネスクラスに準ずる」という位置づけだそうですので、人気が高いのもわかります。

最近では、日本人のツアー客でも追加料金を払って乗る年齢層の高い方が増えたようで、ニュージーランド航空の力の入れ具合が伝わります。

お客様の評判がいいのは、プレミアム・エコノミー以外には、エコノミーの「スカイカウチ」だそうです。
ご自身の経験からも親子2人の組み合わせには最適だというお話でした。お子様をそばで寝かせて、親御さんも横になってゆったり休めるシートは他には見当たりません。
最新鋭機が作り出す、目に優しいLED照明や地上に近い与圧など、機内環境が優れていることも相まって、快適に過ごすことができます。

乗務が楽しいですと明るく話す栗原さんzoom
乗務が楽しいですと明るく話す栗原さん

もう一人の日本人客室乗務員の栗原さんとも話すことができました。
前職は全く別の業界の研究職だったとのこと。
「段取りを整えて進めて行くのが、仕事の基本。本質は何であれ共通です」と明るく話されていたのが印象に残ります。
ニュージーランド航空はとても働き易く、一人一人のキャラクターを大事にしてくれる環境で、毎日が楽しいと嬉しそうに話してくれました。

ニュージーランドの観光では、南島のテカポでの星空観察がおすすめとのこと。
世界で初めて星空での世界遺産登録を目指している場所だそうで、次回はぜひ行ってみたくなりました。

プレミアム・エコノミーの食事はコース料理のようにメインプレートが別に運ばれますzoom
プレミアム・エコノミーの食事はコース料理のようにメインプレートが別に運ばれます

制服は、ジャケットを羽織ると出発と到着時の正装になります。
女性客室乗務員のワンピースは紫系と青系があり(地上職は緑色)、ロゴであるシダの芽や葉の模様が描かれています。サービス中はエプロンを巻き、腰紐にトーションを下げて、食事をサーブするスタイルに早代わり。サービスに力が入ります。
「お食事は楽しめましたか」「パンのお替りは如何ですか」「ワインをもう一杯如何ですか」など、コールボタンの必要がない程に、細かい気配りを感じました。

日系2社の直行便がないにもかかわらず、日本から単独で乗り入れをしているエアラインのサービスがここまできめ細かとは思っていませんでした。

降機時の様子 子供を抱くさりげない雰囲気が自然ですzoom
降機時の様子 子供を抱くさりげない雰囲気が自然です

昨年75周年を迎えたニュージーランド航空。
歴史を振り返る記念の展示会が、ウェリントンを皮切りに春まではオークランドで行われていました。
機内でもお客様へお誘いのアナウンスを流していたとのこと。
今年の9月から来年3月までクライストチャーチのカンタベリーミュージアムで再度開催の運び。
これは是非とも足を運びたいものです。

丁度、現地は夏のシーズン。加えて、自然の中で過ごしたいと思います。
クライストチャーチを起点に、展示会とテカポ湖を巡る旅。
今から想像が膨らみます。

利用するエアラインが好ましいと、目的地への関心が更に高まります。
ニュージーランド航空で行く次回の旅が楽しみになりました。

ニュージーランド航空HPはこちら ⇒ airnewzealand.jp

ニュージーランド航空 75周年記念展 (英語)

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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