トラベルコラム

  • 【連載コラム】トラベルライター岩佐 史絵
  • 2016年7月4日更新
贅沢☆旅スタイル
Writer:岩佐 史絵

一歩も外に出ない! マジェスティックな“おこもりステイ”その2

マジェスティックウィングの部屋はスイートタイプ。広くて天井が高いのもうれしいzoom
マジェスティックウィングの部屋はスイートタイプ。広くて天井が高いのもうれしい
 “いいホテル”ってなんだろうな。と、ふと思う。サービスのよさ、ラグジュアリーな空間の演出とすばらしい高級ホテルはたくさんあるものの、「必ずまた泊まりたい」と思わせるホテルはそんなにごろごろしていない。しかし先日宿泊したマジェスティックホテル クアラルンプールはまさしくそうした印象深い“いいホテル”であった。

ちょこっとしかない乙女心をくすぐるネコ足のバスタブ! 姫気分~zoom
ちょこっとしかない乙女心をくすぐるネコ足のバスタブ! 姫気分~
 さて、ラウンジでひとしきりドリンクやスナックを楽しんだあたくしだが、室内に戻ってのんびりすることに。デスクにもフレグランスのディフューザーがあり、いつでも室内にはフレッシュな香りが漂う。お風呂にでもゆっくり入ろうかな。とバスルームに入ると、おお♡とひとり歓声を上げてしまった。バスタブがネコ足だ~!


 いや、ネコ足のバスタブがあるホテルは珍しくないが、やはりヘリテージホテルの中にあると空気感としっくりマッチしていて気分が上がる。しかも、バスソルトつき! これもリゾートではよくあるが、それでもやっぱりうれしいものはうれしい。そして、そしてそしてそして! バスアメニティが社会貢献を目的に設立されたという「マンゴスチン」の製品だ。ボディソープはポメロ(ざぼん)、シャンプーはキュウリ&ワイルドミント、コンディショナーはスイカ、そしてボディローションは女子力UPに絶大な力を発揮するというザクロ。食べたくなってしまうほどフレッシュな香りもさることながら、ころんとしてそれぞれ色の違うボトルデザインもかわいらしい。お風呂場ひとつでこのように鼻の穴をふくらませてコーフンできる、それもまた、“いいホテル”と印象づけるポイントのひとつだと思う。長居できるお風呂、最高だ。
マンゴスチンの商品はMade in Malaysia。ローカルな材料で作られているzoom
マンゴスチンの商品はMade in Malaysia。ローカルな材料で作られている
 お風呂からあがってバスローブを羽織り、ふぃ~、とため息をつきつつ冷蔵庫をあける。そこにはソフトドリンクはもちろん、ビール、赤、白ワインと飲み物がぎっしり。先ほどラウンジでサーブされたスナックがかなり充実していたため、ぜんぜんお腹が空いていない。というわけで、やはりミニバーにセットされていたピスタチオなんかをつまみつつ、ちょこっとデスクでPCを開いて仕事……と思ったけれど、やっぱりやめた! 読みかけていた本を取り出し、ソファに腰掛けてごろごろすることに決め込んだ。
靴下がまるで新品のように。次にはくときのリフレッシュさが違うzoom
靴下がまるで新品のように。次にはくときのリフレッシュさが違う
 そこへ、こんこん! とドアをノックする音。今朝頼んでおいた洗濯物が出来上がって来たのだ。マジェスティックウィングに宿泊の場合、無料でランドリーをお願いすることが可能だ。実はクアラルンプールに来る前、10日ほどペナンにいたものだから、洗濯物が溜まっていたのでこれは本当にありがたい。でも、靴下やTシャツまであまりにもきれいにプレスされて袋に入れてくれている。まるで新品の商品のような姿で戻って来た洋服のその丁寧な仕事ぶりに感謝感激する一方で、こんな安物の小物にまで、とちょっと申し訳ないような気持ちにもなったのであった。すると、「とんでもない! 靴下でもスーツでも、扱いは同じですよ」とスタッフさんはにっこり。クローゼットに洗濯物をしまうと、ささっとミニバーの減り具合をチェックし「追加いたしますか?」と聞いてくれた。
ミニバーがすべてインクルードというのはおこもりステイには必須! ありがたいzoom
ミニバーがすべてインクルードというのはおこもりステイには必須! ありがたい
 このホテルの“いいホテル”感は、その絶妙なタイミングとバランスにあるのではないかと思う。いいものがみんな揃っていて、欲しいと思っているときに必ずそこにある。それを利用するかどうかは自分次第だが、使いたいときには自由に使えるというサービス。丁寧だが慇懃ではなく、ほどよくフレンドリーな従業員の態度とか、そういうものがすべて合わさって居心地の良さにつながるのだ。KLに来たらまたここに泊まろう。次回も気持ちのよい滞在が期待できる、それがマジェスティックホテルなのだ。
Writer:岩佐 史絵
旅に貴賎なし! 旅をしていないと血中旅度が下がってお腹が痛くなってしまうほどの旅好きが高じてトラベルライターに。ONもOFFも旅一色。妊娠中も子育て中も闘病中も行きたいところには必ずでかける体力自慢。著書『人生のサプリを見つける旅ガイド』(ソニーマガジンズ刊)ほか。
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