トラベルコラム

  • 【連載コラム】トラベルライター岩佐 史絵
  • 2016年5月4日更新
贅沢☆旅スタイル
Writer:岩佐 史絵

“ふつうに”過ごすNY ぶらりん旅 その5(終)

車窓を楽しむ、のとはちょっと違うが、このユニバース感を楽しんでzoom
車窓を楽しむ、のとはちょっと違うが、このユニバース感を楽しんで
 楽しかったNYぶらりん旅、帰国便はデルタ航空だ。オタクというほどでもないが、飛行機好きなあたくし。なにが好きって、乗るのが好きなのだ。鉄道でいえば「乗り鉄」である。鉄道のように車窓を楽しむものではないけれど、飛行機の中にはお楽しみポイントがいっぱいなのだ。エコノミークラスよりもサービスの多いビジネスクラス利用の今回は、なおさらだ。

 優先搭乗で先に機内に入り、自分の席を確認。デルタ航空のビジネスクラスシートの配置は1-2-1で、ヘリンボーン式の……おっと、こんな情報はいらないか。とにかく、カプセルのような形の独立したシートが交互に配置されており、ほかの乗客の顔が見えないようになっている。プライベート空間がしっかり確保されているのだ。ちなみに、足を乗せるオットマン部分に腰掛けることができるので、同行者とおしゃべりがしたいというときは向かい合って話すことも可能。NY~東京(成田)間の約12時間を、あんなことやそんなことやこんなことまでしながら過ごすことができる。機内での時間をがんばってつぶすのではなく、やりたいことがあるのである。
日本路線ではかなり人気の和食。さっきShake Shackのハンバーガー食べたばかりなのに完食zoom
日本路線ではかなり人気の和食。さっきShake Shackのハンバーガー食べたばかりなのに完食
 まずはシャンパンサービス。いただくスナックも、成城石井とかに売っていそうな“おいしいやつ”なのがうれしい。ここでじっくり、優雅に機内食メニューを眺める。なにしろデルタ航空のビジネスクラスでのお楽しみといえば、機内食。機内食なんておいしくないでしょ。なんておっしゃるなかれ。昨今の機内食の進化ぶりときたら目を見張るほどで、高級レストランやセレブシェフによる監修が行われた本格的なお料理がいただける航空会社も多数。デルタ航空もそのひとつで、和食には日本人シェフ石本正敏氏がきっちり味を追求した料理がふるまわれる。地域性を重要視しているというだけあって、日本路線でしかいただけない和食メニューは大人気だ。確実にいただくためには事前予約が望ましい。
 というわけで和食を選んだあたくし。前菜、そしてきちんと小鉢に入れられた和え物や煮物と、お料理屋さんででてくるように出てくる。黒い器が高級感をかもしだしているだけでなく、色合いを際立たせおいしそうにも見える。目でも楽しむ、料理とはそういうものだが機内食でも同じように楽しめるのである。
美人、というだけではない魅力のあるこのCAさん。デルタ航空の国内線に乗れば会えるかも?zoom
美人、というだけではない魅力のあるこのCAさん。デルタ航空の国内線に乗れば会えるかも?
 ところで、せっかくのビジネスクラス、思い切り楽しみたいのは映画である。いや、国際線の場合はエンターテイメントシステムそのものはエコノミークラスと変わらず多くのチョイスがあるのだが、このプライベート空間でヘッドセットを装着して映画を観ると、映画の世界に入り込みやすいというか、とにかくストーリーに没頭できるのだ。お酒なんぞを片手に、自分の心地よいあたりまでリクライニングをし、暗くなった機内で映画を観る。これ、ひょっとしたら映画館で観るよりも楽しいかもしれない、最高のお楽しみなのである。特に米系エアラインは日本でまだ公開されていないような最新作が見られることがあり、いくらフルフラット(完全に横になる)シートでも眠ってしまうのが惜しいくらいだ。12時間しかないのか! と毎度思う。
 ちなみに、搭乗してすぐに放送されるデルタ航空の機内安全ビデオもおもしろいので要チェックだ。特に、喫煙不可のところで登場する「のっららぁ~う(not allowed)」と言いながら指をちっちっちとさせる印象的な女性。この方はビデオが刷新されるたびに登場するが、一般のCAさんなのだそうだ。国内線勤務とのことなのでいつか遭遇してみたいと思っている。
はぁ~、幸せ♡ のひとときzoom
はぁ~、幸せ♡ のひととき
 これまでの経験ではロングフライトでも見られる映画は3本だ。オンデマンドなので、搭乗してすぐに見始めれば5~6本は余裕で見られるはずだが、それ以上見られたことはあまりない。なぜなら途中で気持ちよくなって眠ってしまうのだ。まぁ、ワインセレクションの良さでも定評のあるデルタ航空ゆえ、食後もちびりちびりとチーズとデザートワインを楽しみつつ映画を観るわけだが、いつの間にか寝入ってしまっているのである。気づけばワイングラスは下げられ、ブランケットがふんわりとかけられていることもあり、安心して眠りこけることができるのも、機内のいいところ。これぞロングフライトの醍醐味といってもいいかもしれない。

 サービスのいいエアライン限定とはいえ、ロングフライトも好きなあたくしなのであった。
ビジネスクラスアメニティはビジネスマン御用達ブランドTUMIのバッグに入っているのもうれしいzoom
ビジネスクラスアメニティはビジネスマン御用達ブランドTUMIのバッグに入っているのもうれしい
スナック類は好きな時に好きなだけいただけるよう、ギャレーに置かれているzoom
スナック類は好きな時に好きなだけいただけるよう、ギャレーに置かれている
Writer:岩佐 史絵
旅に貴賎なし! 旅をしていないと血中旅度が下がってお腹が痛くなってしまうほどの旅好きが高じてトラベルライターに。ONもOFFも旅一色。妊娠中も子育て中も闘病中も行きたいところには必ずでかける体力自慢。著書『人生のサプリを見つける旅ガイド』(ソニーマガジンズ刊)ほか。
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