トラベルコラム

  • 【連載コラム】トラベルライター岩佐 史絵
  • 2016年4月8日更新
贅沢☆旅スタイル
Writer:岩佐 史絵

“ふつうに”過ごすNY ぶらりん旅 その3

天気のいい日はテラス席がうれしい。こういうお店がいっぱいあるのがNYzoom
天気のいい日はテラス席がうれしい。こういうお店がいっぱいあるのがNY
 「ミートパッキング・ディストリクト」。その名から推して知ることができるとおり、かつては屠殺場と肉のパッキング工場があったエリアである。ジモティによると以前は工場以外なにもなく、夜になると人通りもまばらであまり治安もよくないイメージだったとか。だんだん撤退する工場が増えてくると、空いた場所にアーティストたちが移り住むようになり、いつしかこのエリアにはおしゃれなレストランやナイトクラブなどが集中。いまやニューヨークいちの遊びスポットとなっているのである。そんなミートパッキング・ディストリクト、昼間行ってもなかなかHOT。昨年5月にホイットニー美術館が移転&オープンしたこともあって、ニューヨーカーたちも「もう行った?」とウワサし合う。「あ、俺まだ行ってないや」というニューヨーカーの友とともにぶらりん歩いてみた。
ミュージアムショップは小さいながらほしいモノがいっぱい!zoom
ミュージアムショップは小さいながらほしいモノがいっぱい!
 この日はとても天気がよく、ぶらりん日和。ホイットニー美術館の最寄り駅「14 street」から外に出るなりオープンエアのカフェを発見、腰を下ろしてビールを注文した。ここはもうミートパッキング・ディストリクトである。観光客も多いのだろう、カフェのテラス席はどこも満席状態で、そのにぎわいからもこの地区自体の人気がよくわかる。
 ビールを飲んだら、さて、美術館へ。混雑を避けるためかすぐに紙に書かれた時間に戻ってくるよう言われる。あと30分程度の待ち時間だったので、この時間を利用してミュージアムショップへ。1階入り口を入ってすぐのところにあり、チケットを購入しなくても見ることができる。ミュージアムショップってどこでもなにかしらおもしろいものが売られているが、ホイットニー美術館はアメリカの現代アート専門の美術館ゆえが、ポップな色使いが多くファンキーだ。お土産としてもセンスのいいものが選び放題なのでおすすめ。もちろん、なんか変なものもあって見ているだけでも楽しい。
じっと海を眺める、そんな時間も充実のホイットニー美術館zoom
じっと海を眺める、そんな時間も充実のホイットニー美術館
 時間になって、いよいよ美術館の中へ。エレベーターで上まで行って、順に降りてくることにする。この美術館、建築はあの! レンゾ・ピアノ氏で、建物自体も近代アートのようだ。ところどころ、たとえばエレベーターの中や窓に映る景色さえも飾られた作品かと思われるほどに芸術的。最上階のカフェから外に出るとテラスになっており、ミートパッキング・ディストリクトを一望し気持ちがいい。展示されている絵画やオブジェを見るのも忘れ、この場所にいることそのものがアクティビティになるような、そんな空間である。ちなみに、展示は絵画、立体、映像など多岐にわたっており、アメリカンアートの変遷を年代ごとに追っていけるようになっている。以前の2倍の大きさになったというが、広々としており混んでいても余裕をもって鑑賞できるのがいい。
ハイラインパークには線路跡も残るzoom
ハイラインパークには線路跡も残る
 じっくり美術鑑賞してから外へ。まだまだ友との会話がつきないので、ミートパッキング・ディストリクトのもうひとつの“顔”ハイライン・パークをぶらつくことに。線路の高架線を利用した遊歩道のような公園だが、カウチが置いてあったりアートなTシャツやスナックの露店が出ていたりと、こちらも昼間だからこそのお楽しみがいっぱい。今回は美術館に行く! という目的があったけれど、なにもなくてもぶらぶらするならここがいい。まぁ、実はオーガニック&旬の果物だけを使ったおいしいシャーベットやさんがあったから、というのが最もうれしかったところかもしれないが。
暑い日には必ず思い出す、ここん家のジェラート。旬の味が数種類そろうzoom
暑い日には必ず思い出す、ここん家のジェラート。旬の味が数種類そろう
ホイットニー美術館:http://whitney.org
 毎週金曜日の夕方7時から10時は、好きな金額を支払って入場できる「pay-what-you-wish」の日。また、デルタ航空がスポンサーをしているため、同社のメダリオン会員なら毎月第一金曜日、ダイヤモンド メダリオン会員なら毎日無料で入場可能。
Writer:岩佐 史絵
旅に貴賎なし! 旅をしていないと血中旅度が下がってお腹が痛くなってしまうほどの旅好きが高じてトラベルライターに。ONもOFFも旅一色。妊娠中も子育て中も闘病中も行きたいところには必ずでかける体力自慢。著書『人生のサプリを見つける旅ガイド』(ソニーマガジンズ刊)ほか。
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