今から40年前の1976年1月21日は英仏共同開発のコンコルドがブリティッシュ エアウェイズ(BA)とエール フランスの両社によって商業飛行を開始した日です。
英仏両国語で「協調」を意味するこの航空機は、旅客機の世界では未だに破られないマッハ2の速度を持つ稀有な存在です。
現役の頃の飛行するBAの機体をカナダのエアショーで見た事があります。低空を低速で、旋回の時に大きくデルタ翼を見せて優雅に飛ぶ姿が記憶に残ります。実にスマートで美しい機体でした。
駐機中のBAの機体はマイアミで見て、感慨にふけったものです。
離陸中の航空機からの機窓でしたが、パンナムのジャンボと並ぶ姿は、旅客機の中でも別格でした
展示機になってからはシアトルのボーイング社 ミュージアム・オブ・フライトで機内に入りました。実際にYS-11に近い機体断面で、窓がはがきサイズと言われている通りだなという実感があります。
ここから見た成層圏の濃い青空はどんなものか想像するのも楽しかった思い出です。
今になって思い返すと、就航機材に乗っておけば良かったなと思います。
1990年代後半には、日本の旅行市場でも手の届くキャンペーンの運賃が出ていました。そのうち乗ろうと思っていた矢先に2000年の事故が起きました。
運航乗務員が3人だったことを知る人は多いですが、客室乗務員が6人も乗務していたことや、貨物搭載量がたったの2.5トンだったことはあまり知られていません。これらの数字を見ても商業的に長く使用していくのは難しい機体だったのです。
ジェンボジェットも運航していた時代ですので、狭い機内でも短い飛行時間だからとコンコルドに乗る人と、長い飛行時間でもゆったりとジェンボジェットで過ごしたい人とがいた中で、後者のゆとりが勝っていったように思います。
新たな超音速旅客機計画の話もいくつか出ているようです。
時を経て、また新しい超音速機に出会える日を楽しみにしています。
資料協力:ブリティッシュ エアウェイズ