旅の扉

  • 【連載コラム】「“鉄分”サプリの旅」
  • 2026年8月14日更新
共同通信社 経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎

鉄道博物館館長と本コラム執筆者、世界級の山岳観光ルートの乗り物巡り対談 立山黒部アルペンルート、全線開業55周年記念で

△鉄道博物館の石田亨館長(左)と筆者(立山黒部貫光提供)zoom
△鉄道博物館の石田亨館長(左)と筆者(立山黒部貫光提供)

 富山県と長野県を結ぶ世界級の山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」の主要交通機関を運行している立山黒部貫光は全線開業55周年を記念し、同ルートを走る交通機関の魅力について鉄道博物館(さいたま市)の石田亨館長と、本コラム執筆者の大塚圭一郎・共同通信社経済部次長のトークイベントを2026年8月29日(土曜日)午後0時半から富山県立立山自然保護センター(富山県立山町)の1階「シアタールーム」で開催する。

 立山黒部アルペンルートのホームページで、お土産が付いた指定席の予約を1人当たり1000円(消費税込み、大人・子ども共通)で受け付けている。現地は8月でも気温が10~20度程度と冷涼のため、大塚は「立山黒部アルペンルートのユニークな乗り物の乗車と自然観賞、避暑を兼ねてぜひお越しください」と呼びかけている。

△立山黒部貫光が立山トンネルで2024年11月30日まで運行していたトロリーバス(大塚圭一郎撮影)zoom
△立山黒部貫光が立山トンネルで2024年11月30日まで運行していたトロリーバス(大塚圭一郎撮影)

 ▽鉄道博物館館長が専門家の見地から解説
 テーマは「乗り物がつなぐ絶景 ~乗り物有識者が語るアルペンルートの魅力~」。ほぼ全区間が中部山岳国立公園を占める自然豊かな立山黒部アルペンルートを結ぶケーブルカーやロープウェイ、電気自動車(EV)バス、低公害バスという多彩な交通機関の魅力を探る。
 また、2025年シーズン(4月15日~11月30日)の入込客数84万5千人のうち海外客が21万2千人と4分の1を占めることを踏まえ、世界から見ても高い競争力を持つ理由も考察する。
 JR東日本広報部長、執行役員盛岡支社長、JR東日本メカトロニクス専務などの重職を歴任し、2025年6月に鉄道博物館館長に就いた石田氏は、交通の専門家としての見地から立山黒部アルペンルートの交通機関の価値について解説する。趣味である登山の経験を通じ、国の天然記念物ライチョウや貴重な高山植物を抱えた立山連峰の意義についても触れる見通しだ。

△立山ロープウェイが運行中の様子(大塚圭一郎撮影)zoom
△立山ロープウェイが運行中の様子(大塚圭一郎撮影)

 ▽「高い国際競争力」と評価
 大塚は共同通信社のニューヨーク、ワシントン両支局駐在を含めてアメリカに通算で約10年間在住し、国内外を旅行してきた経験を踏まえて立山黒部アルペンルートは「高い国際競争力を持ち、日本政府が2030年に目指す訪日客6千万人、消費額15兆円の達成に向けた課題を解決するための模範例となる」と高く評価する。
 大塚は主に運輸・観光分野を取材しており、本コラムのほかにも交通ニュースサイト「乗りものニュース」、カナダ・バンクーバーに拠点を置くニュースサイト「日加トゥデイ」の連載コラム「カナダ“乗り鉄”の旅」、共同通信社の鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」などで執筆。当日は他の交通機関も引き合いに出しながら「立山黒部アルペンルートが果たしている大きな役割を改めて検証するとともに、さらに成長するためのポテンシャルも提示したい」と話す。

△立山黒部アルペンルートにある代表的な景勝地の「みくりが池」(大塚圭一郎撮影)zoom
△立山黒部アルペンルートにある代表的な景勝地の「みくりが池」(大塚圭一郎撮影)

 ▽「日本最後のバス」では社員も登壇
 立山自然保護センターに隣接した室堂(標高2450メートル)と大観峰(標高2316メートル)を結ぶ「立山トンネル」(3・7キロ)は現在の電気自動車(EV)バスにたすきをつなぐ前は、日本最後となったトロリーバスが2024年11月30日まで29年間にわたって活躍していた。
 トークイベントではトロリーバスの運行に携わった社員も交え、トロリーバスの思い出や、苦労談といった秘話についても明かされる予定だ。

△走行中の黒部ケーブルカー(大塚圭一郎撮影。プライバシー保護のため画像を一部加工しています)zoom
△走行中の黒部ケーブルカー(大塚圭一郎撮影。プライバシー保護のため画像を一部加工しています)

 ▽申し込みは専用ページまで
 指定席は20人限定となり、申込者には立山黒部アルペンルートの関連グッズのお土産をもらえる。申し込みは立山黒部アルペンルートの専用ページ「「鉄道博物館館長 石田亨氏×乗りものニュース執筆者 大塚圭一郎氏」トークイベント」まで。
 料金は当日現金で支払う。立ち見の場合は、無料で参加できる。
 大塚は優れた鉄道旅行を表彰する賞「鉄旅(てつたび)オブザイヤー」の審査員を2013年度から務めており、毎年の授賞式は鉄道博物館の「てっぱくホール」で開催されている。
 大塚は「石田氏にはJR東日本広報部長時代に取材し、鉄旅オブザイヤーの授賞式でもお目にかかるなどお世話になっており、同席させていただくのは甚だ僭越だ」としつつ、「刺身のつまのように石田氏を引き立てる役を担うことができれば幸甚だ」とコメントした。

△立山黒部アルペンルートの地図(立山黒部貫光提供)zoom
△立山黒部アルペンルートの地図(立山黒部貫光提供)

 ▽黒部ケーブルカーのバックヤードツアーも
 トークイベントは1971年6月1日に全線開業した立山黒部アルペンルートが55周年を迎えたのを記念しており、「2026 のりものデイズ」の一環として実施される。「2026 のりものデイズ」の幕開けとなる2026年8月29日は「ケーブルカーの日」で、9月20日の「バスの日」にかけて行事が開催される。
 9月5日(土曜日)には、汽車製造(現・川崎車両)が1969年に製造したアルミ合金製の車両が走り続けている「黒部ケーブルカー」のバックヤードツアーを実施する。午前11時から正午、午後1~2時の2回開かれ、参加費は3000円。参加には事前登録が必要となる。
 期間中の8月29日~9月20日(日曜日)には乗り物の豆知識を盛り込んだ限定台紙を使ったスタンプラリーもあり、「集める11のスタンプには、運行を終了した二つのトロリーバスのスタンプも限定復活する」(立山黒部貫光)。
 また、スマートフォンをかざしてデジタルスタンプを集められるデジタル駅スタンプアプリ「エキタグ」では、8月29日~10月14日(水曜日)の期間限定で特別スタンプを獲得できるキャンペーンも用意する。
(連載コラム「“鉄分”サプリの旅」の次の旅をどうぞお楽しみに!)

共同通信社 経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎
1973年4月、東京都杉並区生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。1997年4月に社団法人(現一般社団法人)共同通信社に記者職で入社。2013~16年にニューヨーク支局特派員、20~24年にワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。2024年9月から現職。国内外の運輸・旅行・観光分野や国際経済などの記事を積極的に執筆しており、英語やフランス語で取材する機会も多い。

日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。東海道・山陽新幹線の100系と300系の引退、500系の東海道区間からの営業運転終了、旧日本国有鉄道の花形特急用車両485系の完全引退、JR東日本の中央線特急「富士回遊」運行開始とE351系退役、横須賀・総武線快速のE235系導入、JR九州のYC1系営業運転開始、九州新幹線長崎ルートのN700Sと列車名「かもめ」の採用、しなの鉄道(長野県)の初の新型車両導入など最初に報じた記事も多い。

共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS(よんななニュース)」や「Yahoo!ニュース」などに掲載されている連載「鉄道なにコレ!?」と鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/column/railroad_club)を執筆し、「共同通信ポッドキャスト」(https://digital.kyodonews.jp/kyodopodcast/railway.html)に出演。

本コラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)、カナダ・バンクーバーに拠点を置くニュースサイト「日加トゥデイ」で毎月第1木曜日掲載の「カナダ“乗り鉄”の旅」(https://www.japancanadatoday.ca/category/column/noritetsu/)も執筆している。

共著書に『わたしの居場所』(現代人文社)、『平成をあるく』(柘植書房新社)などがある。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の広報委員で元理事。
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