旅の扉

  • 【連載コラム】「“鉄分”サプリの旅」
  • 2026年7月25日更新
共同通信社 経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎

ウルトラマンの懐メロ、発車メロディーで「帰ってくる」!

△立山黒部貫光が立山トンネルで2024年11月30日まで運行していたトロリーバス(大塚圭一郎撮影)zoom
△立山黒部貫光が立山トンネルで2024年11月30日まで運行していたトロリーバス(大塚圭一郎撮影)

 富山県と長野県を結ぶ山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」の主要交通機関を運行している立山黒部貫光は2026年7月25日、立山トンネル(富山県立山町、3・7キロ)の電気自動車(EV)バスが室堂、大観峰両駅を出発する際の発車メロディーに「帰ってきたウルトラマン」のオープニング主題歌を7月26日日曜日から採用することを明らかにした。9月中旬までの期間限定となる。

△立山黒部貫光が立山トンネルで現在走らせている電気自動車(EV)バス(大塚圭一郎撮影)zoom
△立山黒部貫光が立山トンネルで現在走らせている電気自動車(EV)バス(大塚圭一郎撮影)

 ▽全線開通55周年記念の一環
 「帰ってきたウルトラマン」の発車メロディーでの採用は、立山黒部アルペンルートが2026年6月1日に全線開業して55周年を迎えた記念イベントの一環。
 全線開業した1971年の曲をバスの出発時に流すことで中高年層には当時を懐かしんでもらったり、若年層には昭和時代のレトロな曲を知ってもらったりする狙いがある。

△立山黒部アルペンルートにある代表的な景勝地の「みくりが池」(大塚圭一郎撮影)zoom
△立山黒部アルペンルートにある代表的な景勝地の「みくりが池」(大塚圭一郎撮影)

 ▽第1弾は「また逢う日まで」
 第1弾として2026年6月1日からは、1971年のヒット曲である尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」を発車メロディーとして流している。
 期間は7月25日土曜日までで、期間が55日間なのは「全線開業55周年と引っかけている」(立山黒部貫光)という。

△室堂駅を出発する立山トンネルのEVバス(大塚圭一郎撮影。プライバシー保護のため画像を一部加工しています)zoom
△室堂駅を出発する立山トンネルのEVバス(大塚圭一郎撮影。プライバシー保護のため画像を一部加工しています)

 ▽人気シリーズの話題喚起も
 続いて7月26日に導入される「帰ってきたウルトラマン」は、親子連れらの行楽客が多く訪れる夏休み期間に駅のプラットホームに響くことになる。
 バスが出る時に曲の旋律を耳にした利用者は、世代を超えて親しまれている人気の作品群「ウルトラマン」シリーズの話題で盛り上がりそうだ。

△立山トンネルで運行していたトロリーバスの前に立つ筆者zoom
△立山トンネルで運行していたトロリーバスの前に立つ筆者

 ▽日本最後のトロバスからバトンタッチ
 立山トンネルは2024年の営業期間最終日となる同年11月30日までトロリーバス(トロバス)が営業運転され、「日本最後のトロリーバス」として脚光を浴びた。トロリーバスのラストランの発車メロディーには、歌手のタケカワユキヒデさんらのグループ「ゴダイゴ」の「銀河鉄道999」のアニメ主題歌が使われた。
 トロバスがバトンタッチしたのが現行のEVバスで、2025年の営業が始まった4月15日に運行が始まった。
 2026年5月末までの発車メロディーには、富山県出身の細田守氏が監督を務めた同アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」の作品中に流れている曲「きときと―四本足の踊り―」が用いられていた。
 「おおかみこどもの雨と雪」には、室堂駅近くの「みくりが池」といった立山黒部アルペンルートの代表的な景勝地が登場する。「おおかみこどもの雨と雪」に登場するキャラクターは立山トンネルのEVバスの一部に装飾されており、立山トンネルの中でも世界観を楽しめるように工夫を凝らしている。

△立山黒部貫光が2025年6月に開催したイベントで室堂に並んだ、立山トンネルで2024年11月30日まで運行していたトロリーバス(右)と、25年4月15日から使われているEVバス(大塚圭一郎撮影)zoom
△立山黒部貫光が2025年6月に開催したイベントで室堂に並んだ、立山トンネルで2024年11月30日まで運行していたトロリーバス(右)と、25年4月15日から使われているEVバス(大塚圭一郎撮影)

 ▽「帰ってきた」後も、帰ってくる!?
 立山黒部貫光は「帰ってきたウルトラマン」の発車メロディーが終了後も「好評ならば、第3弾として1971年の別の曲を流すことを検討したい」と説明している。
 ウルトラマンが“帰ってきた”のに続き、「次はどんな懐メロが帰ってくるのだろうか」と想像力をかき立てそうだ。
(連載コラム「“鉄分”サプリの旅」の次の旅をどうぞお楽しみに!)

共同通信社 経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎
1973年4月、東京都杉並区生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。1997年4月に社団法人(現一般社団法人)共同通信社に記者職で入社。2013~16年にニューヨーク支局特派員、20~24年にワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。2024年9月から現職。国内外の運輸・旅行・観光分野や国際経済などの記事を積極的に執筆しており、英語やフランス語で取材する機会も多い。

日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。東海道・山陽新幹線の100系と300系の引退、500系の東海道区間からの営業運転終了、旧日本国有鉄道の花形特急用車両485系の完全引退、JR東日本の中央線特急「富士回遊」運行開始とE351系退役、横須賀・総武線快速のE235系導入、JR九州のYC1系営業運転開始、九州新幹線長崎ルートのN700Sと列車名「かもめ」の採用、しなの鉄道(長野県)の初の新型車両導入など最初に報じた記事も多い。

共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS(よんななニュース)」や「Yahoo!ニュース」などに掲載されている連載「鉄道なにコレ!?」と鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/column/railroad_club)を執筆し、「共同通信ポッドキャスト」(https://digital.kyodonews.jp/kyodopodcast/railway.html)に出演。

本コラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)、カナダ・バンクーバーに拠点を置くニュースサイト「日加トゥデイ」で毎月第1木曜日掲載の「カナダ“乗り鉄”の旅」(https://www.japancanadatoday.ca/category/column/noritetsu/)も執筆している。

共著書に『わたしの居場所』(現代人文社)、『平成をあるく』(柘植書房新社)などがある。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の広報委員で元理事。
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