旅の扉
- 【連載コラム】【厳選旅情報】編集部がみつけた、旅をちょっぴり豊かにするヒント
- 2025年11月13日更新
- リスヴェル旅コラム
Editor:リスヴェル編集部
魚沼の恵みをいただく旅 コシヒカリと人のぬくもりに触れる
zoom
- 農家レストラン 山彩すもん
- 雪深い新潟県魚沼市で育まれる「魚沼市産コシヒカリ」は、なぜこれほどまでに旨いのか。その背景には、厳しい自然と、それを愛おしむように受け入れてきた人々の暮らしがある。黄金色の稲穂が風にそよぐ季節、魚沼の風景は「いただくこと」の意味を静かに教えてくれる。魚沼市を訪れたらぜひ立ち寄りたい、コシヒカリの美味しさと人の温もりを感じるグルメスポットを紹介する。
農家レストラン 山彩すもん
地元のお母さんたちが、野山の幸と魚沼の伝統料理を伝えるために始めた「山彩すもん」。主役はもちろん、炊きたての魚沼市産コシヒカリだ。訪れた日のお膳には、ぜんまいの煮物、ニジマスの甘露煮、南蛮味噌、里芋のずんだ和え、天ぷら、なめこ汁などが並ぶ。ひと口ごとに滋味が広がり、体の芯までホッとする。まるで親戚の家に招かれたような温もりの中、雪国の人々の優しさと自然との共生を感じることができる。魚沼の「食文化」を体感する最初の一歩として、これほどふさわしい場所はない。営業は5月から10月の第3週末までだが変更される場合もあるため事前に確認してから訪れてほしい。完全予約制。
住所:新潟県魚沼市須原5851 守門地区交流促進センター内
予約・問合わせ:090-2762-4941
zoom
- おにぎり専門店 いちば屋
- おにぎり専門店 いちば屋
魚沼市産コシヒカリの美味しさを、もっともシンプルに伝える名店「いちば屋」。ほんの少しの塩で握られた塩むすびは、口に含むと米の甘みと香りがふわりと広がり、しっとりとした粘りが後を引く。具材は梅や鮭など定番に加え、かぐら南蛮味噌などこの地域ならではの変わり種もある。主役はあくまで米そのもの。イートインスペースで汁物と一緒に味わえば、体も心も温まる。魚沼観光の途中に立ち寄りたい、素朴でまっすぐな“雪国の小さなごちそう”だ。
住所:新潟県魚沼市四日町1204番地1
https://instagram.com/koide_sakana_ichiba
zoom
- やまに(もつ焼き©魚沼市観光協会)
- やまに
魚沼の冬を越えるための“元気の素”として親しまれてきたモツ焼き。脂が弾け、香ばしい煙が立ち上る様は、まさに魚沼のソウルフード。「やまに」では、創業以来受け継がれる秘伝のタレがモツに絡み、外はカリッと、中は驚くほど柔らかい。ひと口ごとに旨みとコクが広がる。カウンターには常連客の笑い声が響き、店主が気さくに声をかける。湯気と笑顔に包まれる時間こそ、魚沼の人情そのもの。寒い夜、旅人の心をやさしく照らしてくれる。〆はやはり魚沼市産コシヒカリのおにぎりで!
住所:新潟県魚沼市小出島124-26
https://www.shokumachi-uonuma.jp/shopnavi/6168/
zoom
- 魚沼醸造
- 魚沼醸造
越後三山の雪解け水を求めて建てられた「魚沼醸造」は、自然と人の知恵が息づく発酵の拠点。世界最大級の米糀工場では、魚沼産コシヒカリと雪解け水を使い、糀甘酒をはじめとした発酵食品が丁寧に作られている。その哲学は「しぜんを醸し、いのちを造る」。併設の「糀サロン」では、工場直送の糀甘酒や、世界ジェラート大使の柴野大造氏監修の糀ソフトクリームを楽しめる。さらに、手作り石けんなど美と健康をテーマにしたワークショップ(要予約)、発酵文化にまつわる書籍を集めたライブラリー、職人の器や工芸品を扱うショップも併設。自然・発酵・美意識が調和するこの場所には、魚沼という土地の“静かな生命力”が宿っている。
住所:新潟県魚沼市十日町1791‒10
https://www.uonuma-jozo.co.jp/
zoom
- 道の駅 いりひろせ
- 道の駅 いりひろせ
「道の駅 いりひろせ」は、魚沼観光の締めくくりにふさわしい癒しの場所。館内には、魚沼市産コシヒカリ「惣五郎」で作られた手焼き煎餅「手焼せんべい魚沼惣五郎」や、辛さがクセになる「こって辛」とソフトクリームの限定セットなど、魚沼グルメが勢ぞろい。人気の「笹雪だるま」は惣五郎米を100%使用し、可愛らしい姿と上品な甘さでお土産に好評だ。隣接する湖上レストラン「鏡ヶ池」では食事を楽しみながら、鏡のように山々を映す池を望むことができる。遊歩道が整備され、四季折々の自然を感じながらの散策も心地よい。惣五郎は入広瀬地区に古くから続く農家の屋号。地域を支える株式会社入広瀬がその技を継承し、雪室で熟成した米を一年中届けている。「冷めても美味しい」と評判の惣五郎米は手軽なお土産用サイズ(3合)も売られているので、持ち帰って味わいたい。
住所:新潟県魚沼市大栃山356-2
https://www.irihirose.jp/
zoom
- 魚沼市産コシヒカリの稲穂©魚沼市観光協会
- 「魚沼産コシヒカリ」は、日本が誇るブランド米。その名を冠することが許されるのは、魚沼市、南魚沼市、十日町市、小千谷市、長岡市川口地域、津南町、湯沢町の7地域のみ。厳しい自然条件の中で生まれるこの米は、甘み、粘り、香りのすべてが調和する奇跡の味だ。昼夜の寒暖差、雪解け水の清らかさ、そして肥沃すぎない土壌、この三要素が絶妙に組み合わさり、他にない旨みを育む。農家は代々、天候や水温を読みながら、田んぼを守り続けてきた。「魚沼の名に恥じない米を育てる」という誇りが、一粒一粒に宿る。雪国の厳しさと人の技が織りなす“奇跡のコシヒカリ”、それが魚沼産である。本場魚沼へぜひ新米の時期に訪れて味わいたい。
取材協力:
魚沼市観光協会 https://www.iine-uonuma.jp/
小千谷観光バス株式会社 http://www.ojiya-kanko.com/
取材:RISVEL編集部 N.C.