旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2025年8月31日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

一生に一度は見たい絶景! 北海道「トマムの雲海」を楽しむ10のポイント【後編】

標高1,239mのトマム山登山道から見下ろす雲海。下に見えるのが、展望スポットのひとつ「Cloud Pool(クラウドプール)」。zoom
標高1,239mのトマム山登山道から見下ろす雲海。下に見えるのが、展望スポットのひとつ「Cloud Pool(クラウドプール)」。
まだまだ厳しい残暑が続いていますが、北の大地・北海道には、ひと足もふた足も早い秋が訪れています。北海道を代表する絶景スポットのひとつ「星野リゾート トマム」の「雲海テラス」では今年、誕生から20周年を迎え、記念イベントや企画が目白押し。前編に続き後編では、トマムの雲海とともにリゾートエリアを楽しみ尽くすためのポイントをピックアップしてご紹介します。
北海道「トマムの雲海」を楽しむ10のポイント【前編】はこちらから。

ポイント⑥ 360度の絶景をひとり占めできる、トマム山山頂へ
標高1,088mの「雲海ゴンドラ山頂駅」よりもっと高い場所にあるのが、標高1,239mのトマム山山頂。標高差は約150mほどですが、十勝岳連峰の富良野岳、大雪山連峰を一望する360度の視界が広がります。雲海テラスが雲に覆われていても、ここだけ雲の上に出ていることもあるのだとか。さまざまな角度からトマムの絶景を楽しむ「Cloud9計画」の施設、「Cloud Pool(クラウドプール)」や「Cloud Walk(クラウドウォーク)」を楽しむ人たちがジオラマのように見え、その景色をひとり占めできるスポットです。
トマム山山頂から360度広がるこの景色は、山頂まで登った人だけへのごほうび。山々が黄葉する、これからの季節も楽しみです。zoom
トマム山山頂から360度広がるこの景色は、山頂まで登った人だけへのごほうび。山々が黄葉する、これからの季節も楽しみです。
登山口から山頂までは、ゆっくり歩いて片道約40分の登山道。そんなに険しい道ではありませんが、滑りやすい岩肌を歩く箇所があるのでトレッキングシューズや歩きやすい靴で。これからの季節は冷え込むことがあり、防寒着も必携です。最終入山は午前7時、下りゴンドラの最終乗車は午前9時なので、遅れないようにしましょう。登山道入りで「入山届」を記入するのもお忘れなく。

ポイント⑦ 雲海を堪能した後は、“北海道の大地を感じるネイチャーワンダーリゾート”で遊ぶ
雲海鑑賞には早起きがマスト。下山してからゆっくり朝食を食べてもまだ9~10時です。ちょっと休憩したり、ホテルでもうひと眠りしても、昼間の時間はたっぷりあります。
“北海道の大地を感じるネイチャーワンダーリゾート”がコンセプトのリゾートエリアの広さは約1,000ヘクタール。敷地内で遊べるスポットやアクティビティ、美味しいものにも事欠きません。
牛たちがのんびり過ごすファームエリアをカートでドライブ。アクティビティのひとつ「モーモー学校」では、プロジェクトリーダー・宮武宏臣さんによる牛と牛乳にまつわるクイズにチャレンジ。zoom
牛たちがのんびり過ごすファームエリアをカートでドライブ。アクティビティのひとつ「モーモー学校」では、プロジェクトリーダー・宮武宏臣さんによる牛と牛乳にまつわるクイズにチャレンジ。
広大な牧草地で牛たちがのんびり過ごす様子を眺められるのが、「ファームエリア」。カートでのんびりドライブを楽しみながら、お好みのスポットで写真を撮ったり、巨大牧草ベッドやハンモックに寝転んだり。
また、農産物の生産活動に取り組む循環型プロジェクトとして35頭の乳牛を飼育し、牛乳や乳製品を生産しています。リゾート内のカフェやレストランでこれらを使ったメニューを味わえるほか、アクティビティでは個体が異なる牛のミルクの飲み比べ体験も。エリアを知り尽くした「ファームコンシェルジュ」の案内でエリア内を巡り、アフタヌーンティーを味わうプランもあります。

また、北海道といえば日本ワインの産地としても有名。ワイン好きに見逃せないのが、グルメエリア「ホタルストリート」にある「TOMAMU Wine House(トマムワインハウス)」。ここでは北海道のナチュラルワインのなかでもこだわりを持つワイナリーのものを厳選し取り扱っています。少量からテイスティングできるほか、好みのワインをカラフェでテイクアウトできるから、お部屋でまったりワインタイムを過ごすのもいいですね。
「TOMAMU Wine House」では試飲や、「ファーム星野」のチーズも一緒に味わえます。おすすめは、お店のスタッフに気軽に質問を。zoom
「TOMAMU Wine House」では試飲や、「ファーム星野」のチーズも一緒に味わえます。おすすめは、お店のスタッフに気軽に質問を。
ポイント⑧ 雲海グッズに囲まれて過ごす「雲スイートルーム」にステイ
“北海道の大地を感じるグレイスフルステイ”がコンセプトの「リゾナーレトマム」に、「雲スイートルーム」があることをご存じでしょうか。雲をイメージしたリラックスグッズに囲まれたこの部屋は、季節や天候を問わず雲海を感じていられるとあって、1年以上前から予約が入ることもある人気の客室です。現在、雲海テラス20周年を記念し、期間限定で「雲海20th Anniversaryプラン」を実施中。20周年にちなみ用意された特典は、雲をモチーフにしたリラックスグッズや、雲海発生を願う「雲海でろでろ坊主」作りなど。雲形のアイマスク、客室の展望ジェットバスで雲のような泡に包まれバスタイムを過ごせる入浴剤、夕方に絞ったトマム牛乳を使用した小豆フレーバーのミルクなど、翌朝の雲海鑑賞に備え最高の朝を迎えるためのグッズやサービスが満載です。

これからの季節、冷え込むこともある早朝に備えブランケットや、雲海テラスの「雲Cafe」に持参するとドリンクを入れてもらえるタンブラーも。さらに、混雑を気にせず雲海テラスへ向かえるゴンドラの優先乗車券付きだから、少しくらい朝寝坊をしても大丈夫。まさに、至れり尽くせりの贅沢なプランです。
◆雲海20th Anniversaryプラン
期間 : 2025年10月12日チェックインまで
料金 : 2泊3日72,800円~(2名1室利用時の1名料金、税・サービス料込み)
※「雲スイートルーム」のほか2タイプの客室で実施。
https://www.snowtomamu.jp/summer/topics/2512/ 
滞在中、ずっと雲海を感じられる「雲スイートルーム」。「雲海20th Anniversaryプラン」では20個の特典をご用意。※客室はプラン終了後も予約可能。zoom
滞在中、ずっと雲海を感じられる「雲スイートルーム」。「雲海20th Anniversaryプラン」では20個の特典をご用意。※客室はプラン終了後も予約可能。
ポイント⑨ 「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」のイタリアンディナーを楽しむ
「リゾナーレトマム」滞在中に、ぜひ訪れたいディナースポットがイタリアンレストランの「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」です。イタリアの郷土料理を中心に、北海道ならではの食材を堪能できるこのレストランでは、季節ごとに内容が変わるディナーコースを味わえます。

今回、いただいたのは夏のディナーコース。「OTTO SETTE TOMAMU」の名物メニューでもある雲丹を贅沢に使った冷前菜や、雲海をイメージし泡で包んだ蟹の料理、エゾシカ、「ファーム星野」のモッツァレラチーズを使ったグラタン、トマム牛乳のジェラートなどを満喫しました。それぞれの料理に合わせたワインペアリングも楽しみ。お酒があまり飲めない人のためには、ノンアルコールドリンクのペアリングをご用意。私はワインとノンアルコールドリンクを半分ずつ組み合わせたメニューをリクエストしました。お好みと体調に合わせて選べるのがいいですね。
◆OTTO SETTE TOMAMU(オット セッテ トマム)
時間 : 17:30~19:00(最終入店)
料金 : 全9品18,000円、ワインペアリング9,500円(税・サービス料込み)
対象 : 宿泊のほか、日帰り利用も可能(7歳以上)
※レストラン利用者に限り、2~6歳児の無料託児サービスあり。
予約 : 「リゾナーレトマム」公式サイトより要予約
「OTTO SETTE TOMAMU」のディナーコースの一部。※内容は季節によって変わり、9/4~秋メニューを提供。zoom
「OTTO SETTE TOMAMU」のディナーコースの一部。※内容は季節によって変わり、9/4~秋メニューを提供。
ポイント⑩ 雲海の感動を共有する、グッズをお土産に!
「雲海テラス」へアクセスするゴンドラが発着するリゾートセンター内「雲海ショップ」では、ここでしか入手できない限定商品など、雲海に関するグッズを販売。「雲海ポストカード」は雲海テラスにある青色の雲海ポストに投函すれば、切手なしで国内はもちろん、海外へも送ることが可能です。メールやSNSが主流となり郵便を利用する機会がぐんと少なくなったぶん、手書きのカードが届いたら時のうれしさは格別に違いありません。
私のおすすめは、雲形の「雲サブレ」。片面にホワイトチョコレートが付いたクッキーで、コーヒーによく合います。お土産にするときっと喜ばれますよ。

2025年の雲海シーズンは10月14日(火)まで。発生率は平均40%程度とのことですが、1回目に運よく見られる人もいれば、何回も通ってやっと見られたという人も。自然が創りあげる気象現象にひとつとして同じ雲海はなく、長年現場で働くスタッフの方たちも、「毎日見ていても、そのたびに感動する」とおっしゃっていました。幻想的で神秘的な風景に魅せられ、何度もリピートする人がいることもうなずけます。昼間と夜の気温差が大きくなるこれからの季節は、3つのパターンがあるトマムの雲海のなかでも、盆地の低い位置に発生する「トマム産雲海」を見られる確率がぐんとアップするそう。日に日に秋色が深まるリゾートエリアの景色も楽しみです。雲海、食、自然体験など、秋の北海道を丸ごと堪能するトマムの旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

◆リゾナーレトマム
北海道勇払郡占冠村字中トマム
TELL 0167-58-1111(代表)
チェックイン15:00/チェックアウト11:00
料金:1泊25,400円~(2名1室利用時の1名あたり、税・サービス料込み、朝食付き)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/risonaretomamu/
◆雲海テラス
期間 : 2025年10月14日(火)まで
料金 : ゴンドラ往復 大人1,900円、小学生1,200円
※「リゾナーレ トマム」「トマム ザ・タワ―」宿泊者は無料
注:営業時間は時期により変わります。天候や気象条件によりゴンドラ運休や一部の展望スポットを利用できない場合があります。

https://www.snowtomamu.jp/summer/unkai/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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