旅の扉

  • 【連載コラム】地球に優しい旅しよう!
  • 2013年10月14日更新
自然と動物好きなトラベルジャーナリストの旅コラム
travel journalist:平野 美紀

十数年に一度の豪華絢爛な花火 ~豪海軍100周年シドニー湾花火大会

十数年に一度の豪華絢爛なシドニー湾の花火zoom
十数年に一度の豪華絢爛なシドニー湾の花火
先日の10月5日、シドニー湾で、十数年に一度と言われる豪華かつ盛大な花火大会が行われました。2000年のシドニー五輪以来の華麗な花火大会となる、との前評判でしたが、本当に、これまで見た中で最も素晴らしい花火となりました!
豪海軍100周年シドニー湾花火大会zoom
豪海軍100周年シドニー湾花火大会
オペラハウスに、海軍百年の歴史絵巻

シドニー湾の花火と言えば、毎年、約160万人もの見物客で賑わうことで知られる『大晦日のカウントダウン花火大会』が有名。その素晴らしさを一目見ようと、世界中から大勢の観光客が押し掛け、また、世界で最初に新年を迎える国の代表として、世界各国で生中継されるほどになっています。

毎年のカウントダウン花火も本当に素晴らしいのですが、今回は、花火だけでなく、オペラハウスをスクリーンに見立てたプロジェクション(投影)が、海軍100年を綴った物語仕立ての『歴史絵巻』になっており、観客らを魅了しました。

こちらのサイトで、動画を公開しています。花火は30分間でしたが、約2倍速の11分ちょっとの動画になっています。よかったらどうぞ。
オペラハウスに海軍100年を綴った『歴史絵巻』を投影zoom
オペラハウスに海軍100年を綴った『歴史絵巻』を投影
戦争と歴史を振り返る

豪海軍100周年を祝うため、この日に合わせ、シドニー湾に世界17ヶ国の戦艦や護衛艦がお祝いに駆けつけました。日本からも海上自衛隊の「護衛艦まきなみ」が入港。いつもは穏やかな湾内に、オーストラリア海軍を含む、20隻以上の軍艦が停泊し、なにやらちょっと物騒な感じも…。
日本の海上自衛隊の「護衛艦まきなみ」zoom
日本の海上自衛隊の「護衛艦まきなみ」
オーストラリアは、第一次世界大戦、第二次世界大戦に連合国側として、そしてベトナム戦争にもアメリカの要請に従って兵を送りました。ご存じのように、第二次世界大戦では、日本とは敵国として戦いましたが、第一次世界大戦では、同盟国であったことを知る人は少ないのではないでしょうか?

第一次世界大戦時、オーストラリアとニュージーランドの混成部隊であるアンザック隊を戦地まで輸送する際、安全に送り届けられるよう護衛する役割を日本の軍艦「伊吹」が担っていました。しかし、その数十年後、今度は、まったくの敵国として戦うことに…。

そうした日本との関係も含めた、オーストラリアの歴史における戦争との関わりについては、現在、首都キャンベラにある「戦争記念館」で見ることができます。
オペラハウスが投影スクリーンに!zoom
オペラハウスが投影スクリーンに!
戦争で生み出されるものに、何かよいことはあるでしょうか? 戦争となれば、たくさんの武器が使われ、環境が汚染/破壊され、大勢の兵士の命が奪われ、何の罪もない市民が巻き添えになって死んだり、怪我をしたり…。私には、いいことが思いつきません……。そして何より、いつも穏やかで美しいシドニー湾が、軍艦で埋め尽くされた様子は、ちっとも美しくありません!

湾内をクルーズしながら、勢ぞろいした軍艦を眺め、過去の歴史、そして戦争とは何か?をぼんやりと考えていると、ふと、マレーシアで出会ったオージーのおじさんの言葉が脳裏をよぎりました。(この話について、ご興味のある方は、こちらのコラムでどうぞ。)

「歴史を知ることは重要だけれども、昔のことを根掘り葉掘り並べて、悪印象を持つようなものはよくないし、意味が無い。…もっと前向きに、協力し合える関係を築くのが大切」

これを地球上すべての人が、共通の意識として持つことができたら、世界はきっと素晴らしい未来に満ちあふれていることでしょう。
シドニー湾の花火は一生に一度は見る価値あり!zoom
シドニー湾の花火は一生に一度は見る価値あり!
ともあれ、いろいろと考えさせられた豪海軍100周年シドニー湾花火大会でしたが、今年も、そろそろ年末のカウントダウン花火の詳細があがってきています。

シドニー湾の花火は、花火慣れしている日本人も真っ青の素晴らしさですので、一生に一度は、ぜひ生で見てみてください。「見たい!」という方は、ホテルなどが混雑しますので、早めに計画を!

シドニー・ニューイヤーズイブ(大晦日)公式サイト
travel journalist:平野 美紀
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。
トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆やラジオ出演などの傍ら、
旅行情報サイトも運営。目下の関心事は、野生動物とエコ。
個人ブログ:http://tabimag.com/blog/
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オーストラリア旅行情報サイト「オーストラリアNOW!」:http://australia-now.info/
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