出勤と在宅ワークのハイブリッドやフレックス制度など、柔軟な働き方が徐々に広がる中、気分転換を兼ねてホテルでリモートワークやワーケーションを実践する人が増えています。政府も場所にとらわれない働き方を推奨しており、総務省がテレワーク推進事業を立ち上げ、地方自治体ごとに誘致プログラムを展開するなど、盛り上がりを見せています。
前回は、リモートワークやワーケーションにおすすめの京都のホテルを四つと、リモートワークに適した設備や要素をご紹介しましたが、今回は東京の郊外にある緑豊かなホテル&アウトドア拠点でのワーケーションをご紹介します。
都心から電車や車で約40分、東京都内でありながら自然あふれる昭島にある「フォレスト・イン昭和館」には、快適なリモートワークに適したお部屋(ネット環境、デスクまわり、照明、遮音環境)と気分転換スポットがそろっているだけでなく、ワーケーションライフを充実させてくれるアウトドアやスポーツ施設、充実の関連ショップが徒歩圏内に配置されています。
PC仕事もやりやすいルーム環境、富士山を望む部屋も
都心のホテルに比べると全体的に余裕のあるつくりの部屋が多く、PC仕事もやりやすいデスクが配置されていますが、中でもコーナーツイン(45㎡)はデスクが広く、部屋から富士山を望む部屋もあり、少し贅沢な気分の中で過ごすことができます。
木のぬくもりが落ち着く、フローリングスイート
窓から見える森のグリーンにも癒される、フローリングスイートのお部屋は60㎡を1~2名でゆったりと占有する贅沢な空間です。ベッドルームとリビングが分かれているので、二人で宿泊しても仕事エリアと寛ぎスペースを分けることができます。
愛犬と一緒に泊まれるプランも
フローリングのお部屋と一部のツインルームでは愛犬と一緒にお部屋ステイができるプラン「ドッグフレンドリーステイ」があります。お部屋の中でワンちゃんがゆったりくつろげるサークルが用意され、備え付けのフードボールでお食事が用意されます。
アートも楽しめる中庭でリフレッシュ
朝食後や休憩タイムにおすすめなのが、ホテルの裏手に広がる「昭島・昭和の森」の散策です。森の中には彫刻が点在しており、自然とアートの融合を楽しむことができます。朝食会場でもある1階レストラン横を抜けると、まず緑の中の可愛らしいチャペルが目に入ります。その奥に位置するバーベキューエリア(冬季はクローズ、3月再開予定)を抜けると、森の散策コースにつながります。
ホテル北側に隣接するこの樹林地は美しい武蔵野の自然が残る森となっており、このホテルに宿泊したことのある彫刻家が緑の規模と恵まれた自然に触れ、作品展示の場所としてとても魅力を感じたことから、ホテルや自治体が誘致して「武藤順九彫刻園」が出来たそうです。
森の中に点在するアートを鑑賞しながらの散策は、たとえ仕事の合間の15分程度の短い時間でも、深いリフレッシュをもたらしてくれる貴重な時間になることでしょう。ゆっくりと散策すると1時間ほどでしょうか。空気も美味しいのでこのホテルに泊まったらぜひ体験してみてほしい時間です。毎月第三日曜日には、無料の「森の散策会」が開催されており、ガイドさんの案内を聞きながら朝の散歩を楽しむこともできます。
地元食材を取り入れた朝食や、こだわりのスイーツ
一階の庭園に面したオープンキッチンスタイルのレストラン「セントロ」でいただくバイキング形式の朝食は、焼き立てパンと地元で獲れた多摩野菜や玉子が一押しとのこと。近くの養鶏農家から直接届けられる地元ブランド卵は「たまらん(多摩卵)」という名前だそうです。初めて出会いましたが美味しくいただきました。レストランからは緑あふれる庭園をガラス越しに眺めることができ、外のテラス席を選ぶこともできます。愛犬と宿泊できるプランでの利用の際は、テラス席でペットと一緒に朝食をいただくこともできます。
レストラン入口のショーケースにはパティシエこだわりの季節感を取り入れたケーキ類が並んでおり、お部屋にテイクアウトする宿泊客や、お土産に利用する地元の方が多いそう。ポーションが大きく、シェアして食べるのもおすすめです。リモートワーク中のコーヒーブレイクなどに良さそうです。
そのほか、館内には広東料理が味わえる中国料理レストラン「花林」や、日本庭園を愛でながら旬の食材を味わう日本料理店「車屋」など、人数や用途にあわせたレストランが用意されいるほか、最上階には披露宴やパーティなどに活用される大広間があります。
夜には、飛行機好きにはたまらないバーもおすすめ
そして、個人的にイチオシなのは夕方から深夜までオープンするラウンジ「ダコタ」です。10階から緑豊かな森とゴルフ場を望みながら、1930年代に活躍した飛行機ダグラスDC-3型輸送機のキャビンをイメージした空間でワインやカクテルを愉しむことができる空間です。
なぜ飛行機?それも懐かしいDC-3なのかというと、ホテルの系列企業だった昭和飛行機工業が製造を担っていた機材という歴史が背景にあります。昭和飛行機工業は1937年に当時では最新型の航空機を製造するために設立され、DC-3などの航空機800機あまりを製造したそうです。その後、初の国産旅客機として知られたYS-11の開発にも参加するなど、半世紀以上にわたり航空機の製造に関わりました。その当時の雰囲気を残すものには、航空機製造や整備に使用されたハンガーが屋内テニスコートに姿を変えて活用されていたりと、当時の趣を今に伝えています。
アウトドア&スポーツ施設、カフェまで楽しめる複合施設
MORIPARK OutdoorVillage」
ホテルから徒歩3分に位置するアウトドア体験とショップの複合施設「MORIPARK OutdoorVillage」にはアウトドアとスポーツファンが一日中楽しめる施設やショップ、カフェが充実しています。ひときわ目立つのが大きなビルのようにそびえたつスピードウォールとクライミングウォールです。屋内にはボルダリングの施設も完備されており、さまざまなウォールを体験することができます。
また、カフェも併設されている国内最大のTHE NORTH FACESHOPをはじめ、スノーピーク、コールマン、A&F COUNTRY、モンベル、コロンビアなどなど、アウトドアのビッグネームブランドが集まったショッピングエリアを、トレッキングを疑似体験できる全長約200メートルの「トレイルレール」が囲んでおり、散策にもぴったりのエリアになっています。そして、全国でもめずらしいサウナ専門ショップ「Sauna Soppi (サウナソッピ)」ではサウナハットやスーツをはじめ、サウナーの皆様に向けた限定商品がそろっており、遠くからもサウナーが訪れるそうです。
緑あふれ空気の美味しい広大な武蔵野の自然にいだかれた「フォレスト・イン昭和館」は、リモートワークやワーケーションを充実させるための要素に溢れています。会議スペースとしても活用できる宴会場フロアも用意されていることから、個人の利用以外にも、企業の研修や部単位で行われるチームビルディングセッションにも活用できそうです。
モリパーク アウトドアビレッジはご家族や友人同士で日帰りで訪れても楽しそうです。総合スポーツアミューズメント施設ともいえる充実ぶりですので、是非。
フォレスト・イン昭和館
〒196-8601東京都昭島市拝島町4017-3
TEL:042-542-1234/ FAX:042-542-6000
JR青梅線昭島駅北口よりシャトルバス運行(徒歩約7分)
中央自動車道八王子ICより約20分
空港バスも運行(空港→ホテルまで直行)
全国旅行支援「ただいま東京プラス」や都内観光促進事業「もっとTokyo」の適用あり(2023年1月23日現在)
詳しくはホテルホームページまで
https://www.showakan.co.jp/
ドッグフレンドリーステイプラン
https://www.showakan.co.jp/news/recommend/dogfriendlyplan/
モリパーク アウトドアビレッジ
https://outdoorvillage.tokyo/
取材協力:フォレスト・イン昭和館