旅の扉

  • 【連載コラム】ナンバーワンよりオンリーワン
  • 2022年2月21日更新
旅の道中、「愛すべき変なもの」を見つけたら、書かずにはいられない!
トラベルジャーナリスト:松田 朝子

日本とジャマイカを繋ぐ、ブルーマウンテンコーヒー

2022年、ジャマイカは60歳の還暦祝い!zoom
2022年、ジャマイカは60歳の還暦祝い!
ジャマイカというと、レゲエやビーチリゾートを思い浮かべる、カリブ海の島国。
日本からは遠い国のように感じますが、日本との国交は、ジャマイカがイギリスから独立(1962年)後すぐの1964年から始まっていて、現在に至るまで、長きに渡り友好関係を継続しているのです。

1728年、ジャマイカ総督のニコラス卿が西インド諸島のマルチニークからコーヒーノキを持ち込み、キングストンの丘陵地に植樹したことから、ジャマイカのコーヒー史は始まった。zoom
1728年、ジャマイカ総督のニコラス卿が西インド諸島のマルチニークからコーヒーノキを持ち込み、キングストンの丘陵地に植樹したことから、ジャマイカのコーヒー史は始まった。
そして、昔も今も、ジャマイカと日本の国交の中心は、「ジャマイカブルーマウンテンコーヒー」。
ジャマイカ産のブルーマウンテンコーヒーは、その70パーセントが日本に向けられているのです。世界最高と言われているジャマイカのブルーマウンテンコーヒーは、200年以上も前から生産されている、世界有数の伝統的な産地銘柄コーヒー。なんと、1月9日は「ジャマイカブルーマウンテンコーヒーの日」に制定されているのです。

1967年、日本はジャマイカのコーヒーの最大輸入国に。同年の1月9日、最初の日本向け貨物が、現地のキングストン港から出港されました。当時このニュースは、翌日の現地新聞のトップ記事になったのです。そんな背景から、「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」は誕生しました。
豆をよく蒸らすことが、コーヒーを美味しく淹れるコツzoom
豆をよく蒸らすことが、コーヒーを美味しく淹れるコツ
今年で建国60周年を迎えるジャマイカ。そのダイヤモンドジュビリーを祝って、「ジャマイカブルーマウンテンコーヒーデー」のメディアイベントが2022年1月、東京・元麻布にある駐日ジャマイカ大使館で開かれました。

イベントでは、UCCコーヒーアカデミー東京校の講師の方々によって、ジャマイカのコーヒーの歴史や、ブルーマウンテン地区の話などのほか、コーヒーの淹れ方の実技指導や、ジャマイカブルーマウンテンコーヒーのテイスティングも行われ、大使館は素敵なコーヒーの香りに包まれました。ちなみにUCC上島珈琲株式会社は、ブルーマウンテン地区で、直営のコーヒー農園を展開しています。
希少性と独占性を表すかのように、ジャマイカのブルーマウンテンは世界で唯一、袋ではなく木の樽に詰められている。zoom
希少性と独占性を表すかのように、ジャマイカのブルーマウンテンは世界で唯一、袋ではなく木の樽に詰められている。
ブルーマウンテンコーヒーが栽培されている、標高約800〜1,200mの山の斜面は、島特有の変動的な天気と、朝晩発生する霧、ブルマンミストが、コーヒー豆に甘味と香りをもたらし、世界にまたとない、ジャマイカブルーマウンテンコーヒーを産出しているのです。
とはいえ栽培面積は比較的小さく、輸出可能な年間生産量は400〜1,000トンと世界的にみても僅かな量。
コーヒーはコーヒーチェリーの種子を焙煎したものzoom
コーヒーはコーヒーチェリーの種子を焙煎したもの
そんな希少性に加えて、何年かに必ず訪れるハリケーンに耐え、収穫後の厳しい品質検査をクリアしたブルーマウンテンコーヒーに、ジャマイカコーヒー輸入協議会は、「勝ち豆」と称することに。そして1月9日はブルーマウンテンコーヒーを贈る日と提唱されました。1月はすぎてしまいましたが、これからの受験シーズン、ブルーマウンテンコーヒーは、験を担いだ贈り物にもなりそうです。
寒い日にもピッタリ!自宅でもトライしてみて!zoom
寒い日にもピッタリ!自宅でもトライしてみて!
最後に、ジャマイカの伝統的なレシピ、カフェ・カリプソのレシピをご紹介。駐日ジャマイカ大使もお気に入りという、ラムとコーヒーといった、ジャマイカの名物が散りばめられています。甘くてアツいカクテルは、気分をジャマイカにいざなってくれるでしょう。

カフェ・カリプソ(2人分)
・コーヒーリキュール 50ml
・ジャマイカ産ラム酒 25ml
・ホットコーヒー   2カップ
・ホイップクリーム  好きなだけ

取材協力:
駐日ジャマイカ大使館:http://jamaicaembassy.jp/indexJ.html
UCCコーヒーアカデミー: https://www.ucc.co.jp/academy/

トラベルジャーナリスト:松田 朝子
頭の中は、旅と猫とアルゼンチンタンゴで占められているトラベルジャーナリスト。日本旅行作家協会所属。大好きな地層と砂漠と赤い岩山のあるアメリカに良く出没。

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