旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2021年10月19日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

絶景スカイスパと朝食ビュッフェでリフレッシュ! 「カンデオホテルズ東京六本木」の週末ステイ

和食・洋食、エスニック風からデザートまで、多彩なメニューが楽しめる朝食ビュッフェ。zoom
和食・洋食、エスニック風からデザートまで、多彩なメニューが楽しめる朝食ビュッフェ。
最近、注目しているチェーン系ホテルが、全国に23施設を展開する「カンデオホテルズ」です。
2008年、ロードサイド型ホテルとして栃木県佐野市に第1号店を開業し、その後、東京では上野公園や新橋・六本木をはじめ、地方では福岡天神、大阪なんば、神戸など都市部にも進出。すべてのホテルの最上階に展望露天風呂とサウナ付き大浴場があるスカイスパを備えることから、“サウナー”の間でも人気が高まっています。

「どちらかというと、男性向きのホテルかな…」と思っていたのですが、今年6月、京都にオープンした「カンデオホテルズ京都烏丸六角」を利用したのをきっかけに、そのイメージが大きく一変。女性にも快適で使い勝手のいいホテルであることを実感しました。ビジネスホテルよりちょっと高級感があり、シティホテルよりリーズナブルな宿泊料金も気に入っています。
今回は週末を利用し、六本木でワーケーション&リフレッシュのひとときを体験してみました。

東京タワーと六本木ヒルズを一望する絶景スカイスパ
「カンデオホテルズ東京六本木」の魅力は、なんといっても東京タワーと六本木ヒルズの夜景を一望できるスカイスパ。室内と屋外にそれぞれゆったりとした浴槽があり、露天風呂の壁面はガラス張りですが、天井が解放されているため星空も望めます。
東京タワーと六本木ヒルズの夜景が目の前に迫るスカイスパ。男性用浴室にはドライサウナを、女性用はミストサウナを備える。zoom
東京タワーと六本木ヒルズの夜景が目の前に迫るスカイスパ。男性用浴室にはドライサウナを、女性用はミストサウナを備える。
大浴場に居ながらにして都心の夜景をこれだけ爽快に眺められる場所は、ラグジュアリーホテルでもそう多くはないでしょう。インバウンドが回復していない現在、1室1万円以下で提供する日もあり、まさに今が泊りどきなんです。

シモンズ社のベッドに、オリジナルのアメニティで快適ステイ
客室のベッドは、「空に浮いているような寝心地」と絶賛され、高級ホテルで多く使用されているアメリカ・シモンズ社製。ジャージー素材のルームウエアはホテルのオリジナル。着心地がいいのにだらしなく見えず、このままスパとレストランも利用もできます。女性用スパにはクレンジング、化粧水、乳液のアメニティが備えられているので、手ぶらでチェックインしても不自由はありません。(すぐ近くにコンビニもあります。)
私も、タブレットのほか最低限の持ち物だけ携え訪れました。
ベッドはシモンズ社製。窓際のソファにごろんと寝そべって夜景を眺めるのもいい。zoom
ベッドはシモンズ社製。窓際のソファにごろんと寝そべって夜景を眺めるのもいい。
朝の目覚めが楽しみになる朝食ビュッフェ
スカイスパのゆったりとした湯船に浸かり夜景と星空を眺めていたら、ここから早朝の景色も見てみたくなりました。翌朝は5時半にベッドから起き出し、再びスカイスパへ。幸運にもこの朝は快晴。ヒルズのタワーに朝日が反射し、オレンジ色の光の環が壁面を伝いながら上っていく光景を見ることができました。都心の夜明けがこんなに美しいものだったとは! 東京の魅力、再発見です。
セントラルキッチンは置かず、旬の野菜をふんだんに使って各ホテルで手作りする朝食メニューの数々。zoom
セントラルキッチンは置かず、旬の野菜をふんだんに使って各ホテルで手作りする朝食メニューの数々。
もう一つの自慢が、朝食ビュッフェ。朝食自慢のホテルは少なくないですが、食材や出汁へのこだわりとともに、メニューの多彩さも群を抜いています。
美味しさの秘密は、旬の野菜を中心にホテル内のキッチンで毎朝手作りしていること。とくに和食メニューが充実していて、煮物は味がじっくり染みて一番美味しい状態で出せるよう、提供時間から逆算して作り始めるのだそう。味噌汁の出汁も、かつお節、サバ節で丁寧に取っているとのことでした。

朝食ビュッフェの定番メニューといえば、スクランブルエッグ。ビュッフェで食べて美味しかったことが少なく期待していなかったのですが、卵の旨みとコクがしっかり感じられるものでした。スタッフいわく、
「生の卵から作っているからなんですよ」とのこと。
「えっ! スクランブルエッグって、卵から作るんじゃないの!?」と思いますよね。
じつは一度に多くの量を提供するビュッフェの場合、加工された卵液を使っていることのほうが多いのだとか。きちんと手作りすることで、これほど味の差が出るのかと驚かされました。

体が喜ぶ「食べ合わせ」で、毎日でも食べ飽きない
メニューは季節ごとに変わり、約4割が日替わり。さらに、栄養バランスや体調を考えた「食べ合わせ」で、ガッツリ系、おなかにやさしいあっさり系、野菜たっぷりのヘルシーメニュー、和洋のバリエーションなど、さまざまな組み合わせを楽しめます。
トッピング次第で、メニューのバリエーションは無限大。「食べ合わせ」を考えるのも楽しい。zoom
トッピング次第で、メニューのバリエーションは無限大。「食べ合わせ」を考えるのも楽しい。
例えば、和風の出汁カレーに肉じゃがや温野菜、焼き魚をトッピングしたり、生野菜に温野菜やタコミート、豆腐を組み合わせてボリュームアップしたり、焼き立てのパンに好みの具材を挟んてサンドイッチをカスタマイズしてみたり。これなら、毎朝食べても飽きることはないでしょう。
朝食メニューの開発にあたり、「カンデオホテルズ」では全国のホテルの朝食担当者がアイデアを出し合う料理コンテストを実施しているそう。また、それぞれの土地の郷土料理からヒントを得たご当地メニューや店舗限定メニューのほか、韓国、フィリピン、ネパールなど海外の郷土料理を取り入れた料理も提供しています。
宿泊料金に朝食は含まれていませんが、“本当においしく、体にもいい朝食”を食べられるのなら、六本木で2000円の朝食ビュッフェは決して高くありません。
※朝食付き宿泊プランあり。また、各ホテルによって、朝食ビュッフェの料金は異なります。
六本木駅から徒歩2~3分のロケーション。スカイスパ&朝食ビュッフェで、週末プチリゾート気分に。zoom
六本木駅から徒歩2~3分のロケーション。スカイスパ&朝食ビュッフェで、週末プチリゾート気分に。
今回は金曜日の午後にチェックインし、サクッとテレワーク。夜と翌朝の2回スパを利用し、朝食ビュッフェを堪能する週末ステイを体験。土曜日のお昼前には帰宅し、土・日曜を有効に使えたので、週末の過ごし方が2倍に広がった気分です。

現在、“ビジネスホテルとシティホテルの中間”あたりのカテゴリーが中心ですが、今後は都市リゾート型から、さらにラグジュアリーホテルの展開も予定しているそう。これからは、全国各地の「カンデオホテルズめぐり」が楽しみになってきそうです。

●カンデオホテルズ東京六本木
東京都港区六本木6-7-11
https://www.candeohotels.com/ja/tokyo-roppongi/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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