別府湾を一望し、大平山を仰ぎ見る場所に建つのは、食と温泉をゆったり愉しむ大人の宿「別府風雅」です。今年、7月15日にリブランドしオープン。ワールドリゾートオペレーションが運営する日本で5か所目の「風雅」ブランドになります。
風雅オリジナル「インクルーシブプラン」
今回利用したのは「プレミアムコース絢爛・インクルーシブプラン」。チェックインした後、夜11時まで、館内での全てのドリンクが含まれるというサービスのあるプランです。インクルーシブプランでは、チェックイン後、すぐに風雅のおもてなしが始まります。ロビー横のカフェに案内されると、珈琲とドーナツなどのサービスがあり、ホッと一息つけました。
部屋に荷物を置いた後、気持ちのよさそうなガーデンテラスに出てみました。バーベキューコンロが置かれており、自由に焼マシュマロを楽しむことができます。童心にかえったようで何とも言えず楽しい時間です。焼きマシュマロと一緒に、温かい紅茶とかぼすジュースをお願いしました。緑に囲まれて風が心地よく、たくさんの鳥のさえずりに癒される時間でした。
別府湾一望の部屋
部屋は、最上階6階にある58㎡の「オーシャンビュースイート」。大きな窓からは別府湾の眺望が広がります。部屋の奥にあるベッドは、天蓋カーテンに覆われ、特別感があります。枕元には支配人のこだわりだという「スカイライト」というプラネタリウムの機器が置かれ、天井に投影すると、部屋の中に満天の星空が出現し、非日常を味わえます。インクルーシブプランでは、部屋でもグラスワインはもちろん、日本酒やボトルワインを楽しむこともできます。
室内装備も驚く程充実しており、アマゾンのFire TV Stick 4Kが置かれ、大画面でのビデオストリーミングをアレクサの操作で愉しむことができます。もちろん部屋の照明などの操作も全てアレクサにお任せです。また洗面所には美顔器スチーマー ナノケアが置かれ、女性には嬉しい限り。外観は歴史ある造りながら、中身は最新の装備を備えた未来型の客室と言ってもいいかもしれません。
五感で愉しむ鉄板ダイニング
スパークリングワインで乾杯の後、料理は、大分県産季節野菜のバーニャ・フレイダから始まり、合鴨スモーク、鮪のたたきキャビア添え、鰹の藁焼きなどの前菜が続きます。季節のスープは、この日はオニオンスープ。手間が掛かっているのが一口でわかるような濃厚な味です。メインの魚料理は伊勢海老のローストとアワビの香草バター焼き。美味しい白ワインと相まって食の舞台の役者が揃いました。
お口直しのシャーベットの後は牛ヒレと豊後牛ロースの食べ比べです。ライブキッチンでは迫力の炎が上がり食欲をそそります。赤ワインと共に、まろやかでとろけるような2種類の肉を堪能しました。地元の黄飯、冷麺の後のデザートは、風雅特製のチョコレートのアッフォガードです。目の前でチョコレートソースをたっぷりと注いでもらうと、なんとキラキラと銀箔が浮かび上がってきます。ラグジュアリー感たっぷりの最高のデザートでした。
大満足で食事は終わりかと思いきや、サプライズデザートのクレープシュゼットがサーブされました。目の前で香りづけの為のオレンジの炎のパフォーマンスもあり、最後まで飽きさせない特別感のある素晴らしい料理でした。
貸切露天風呂
風雅では、それぞれ好きな浴衣を選ぶことができます。浴衣に着替え、部屋に用意された可愛い篭バッグを持って温泉に向かうのも嬉しい時間です。大浴場にはサウナも併設され、ゆったりと堀田温泉の美肌の湯を楽しむことができます。
今回、これから本格始動予定のテラスの貸切露天風呂を特別に見せてもらいました。大平山を借景に窯風呂に浸かることができ、まだ新しいヒノキの香りと、他に灯りのない真っ暗な空には星が瞬く特別感いっぱいの場所です。ゆったりとしたリクライニングチェアも置かれているので、時間を掛けてゆったりと温泉を楽しめます。将来的には、この貸切風呂もインクルーシブプランに含め、ワインなどが飲めるようにしたいといいます。美肌の湯に浸かり、星を眺めながらのワイン、まさに至福の時間です。
館内でダーツ
2階にはダーツや卓球のできるアミューズメントルームがあり、浴衣姿で楽しむことができます。インクルーシブプランでは、この場所まで好きな飲み物を運んできてもらうことができます。国産ビールでは、アサヒドライプレミアム豊譲とスーパードライが楽しめます。圧巻なのは、世界のビール。アメリカ6種や欧州5種、アジア5種と豊富です。その中でもベルギービールの「ヒューガルデンホワイト」はフルーティな味わいで楽しめました。
食の驚きは翌朝まで続く
爽やかに目覚めた朝の食卓に彩りを添えるのは、一日の活力をもたらすとともに「寛ぎの朝」と呼ぶ別府風雅の朝ごはん。選べる3種のスムージーでは、ほうれん草、人参、パプリカがあって、美肌やお腹の調子を整える効果もあり、食欲を高めます。食卓に広がるのは、別府16景と名付けられた二段のお重。「豊後の八景」と「旬味の八景」が色鮮やかに並びます。普段食べない楽しくなるような朝ごはんに朝からテンションが上がります。
支配人に聞く コンセプトは「記念日」
別府風雅の付康(ふこう)さんは、日本に来て11年目。中国山東省出身で入社4年目の若い支配人で、西日本グループをまとめる責任者でもあります。このホテルのコンセプトを“記念日”と考えており、「隠れ家的な大人の癒しの宿として、特に女性に楽しんで頂けるようにしたい。カップル、夫婦の記念日など大切な日をゆっくり過ごし、非日常を味わって頂くための宿にしていきたい」と話してくれました。
地元食材へのこだわり
食を重視し、夕食の鉄板ダイニングでは、ライブキッチンを使った「目で見る楽しみと味での楽しみを味わって頂ける宿を考えている」と話します。九州は食材が豊富で、大分のブランド牛 豊後牛を使った料理など、必ずお客様に喜んで貰えると自信を見せてくれました。
オープンから3か月経過したばかりで、「今は建物に命を吹き込んでいるところ。今後に期待して欲しい」と熱く語ります。実際、訪問時には冬でもテラスを楽しめるように防寒工事の打合せをしている場面を目にしました。「ホットワインが似合う場所にしたいですね」と笑顔で話してくれました。
若き支配人の斬新なアイデアが詰まった「別府風雅」。記念日ならここと言われる人気の場所になるのもそう遠くないと思える時間でした。
取材協力:別府風雅 ⇒ https://beppu-fuga.com/