旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2020年9月3日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

東北から日本を元気に ‐ 楽天イーグルスジェット飛ぶ

楽天イーグルスジェットのJA07RJ型機zoom
楽天イーグルスジェットのJA07RJ型機

スポンサーシップ契約開始
仙台が拠点のプロ野球球団、「東北楽天ゴールデンイーグルス」と仙台国際空港をハブとする「アイベックスエアラインズ」が2020年のスポンサーシップ契約を交わしています。8月28日に仙台国際空港にてスポンサーシップ活動の一環として「楽天イーグルスジェット」を就航させ全国の空港を飛び回り、東北を盛り立てていくことを発表しました。

アイベックスエアラインズの運航するJA07RJの機体中央部に楽天イーグルスのロゴが描かれます。

搭乗へ
就航初便は8月31日に仙台空港から新千歳空港に向かうFW49便です。当日は台風が接近するあいにくの天気でした。出発は2018年に供用開始した、まだ新しいピア棟の中の10番ゲート。地上に伸びた可動式通路が航空機のそばまでつながっており、雨の中でも濡れずに機体まで移動できます。

機体前方は今までの通りIBEX ANA CONNECTIONと書かれ、主翼が伸びる胴体中央部に大きくRAKUTEN EAGLESのロゴが入りとても目立ちます。後方にかけて「東北には、楽天イーグルスがある」。と文字が入り、ロゴを引き立てます

搭乗時に見たロゴの近影zoom
搭乗時に見たロゴの近影

ステップを上がって機内に入ると、楽天イーグルスのユニフォームを着用した客室乗務員乗客を迎えてくれます。マスクもチームカラーのえんじ色。客室乗務員の野球ユニフォーム着用は、始球式などのイベントでの例はあるものの、実際の乗務では聞いたことがありません。非常に楽しい演出です。

機内の様子
機内は、リージョナルジェットの2-2配列で、グレーの革張りシートに水色のヘッドレストカバーがあり、洗練された印象です。17列の配置で、最後部は左舷のみ2席が配置され、右舷にはラバトリーがあります。最近の旅客機では、尾部にエンジンのある機体が減っているため、機体後部に座ってすぐそばにエンジンが見えるのが新鮮です。機体前方がより静かではありますが、飛行機らしさを感じる後部座席がオススメです。外を眺めていると、主翼は小さくスマートなので、翼上でもさほど眺めがさえぎられるわけではありません。

シートベルトサインが消えると、客室乗務員がカートを押してドリンクサービスが始まります。コーヒー、アップルジュース、温冷のお茶にスープと揃っていました。

ドリンクサービス中の客室乗務員zoom
ドリンクサービス中の客室乗務員

客室乗務員に聞く
機体前方には、CA1と呼ばれるパーサーの谷川原さん、後方にはCA2の重西さんが乗務。日本全国に運航拠点の広がるアイベックスエアラインズでも客室乗務員の拠点は仙台のみ。各地でステイしながら乗務をこなしていきます。谷川原さんは経験4年でパーサー業務をこなします。重西さんは、入社3か月。国内LCCからの転職です。楽天イーグルスのユニフォームとマスク着用は今日だけの特別なイベントで乗務を楽しみにしていたと言います。

新千歳空港に向かうアイベックス機zoom
新千歳空港に向かうアイベックス機

機長のアナウンス
機長から就航初便にあたっての特別なアナウンスが入りました。「楽天イーグルスとスポンサー契約を開始しており、この度楽天イーグルスのチームロゴを配した機体を就航させました。本日が記念すべき楽天イーグルスジェットのファーストフライトです。このフライトには三木監督にも搭乗いただいております。今後ともアイベックスエアラインズは楽天イーグルスとともに東北を盛り立てて参ります。皆さんで応援しましょう。到着までごゆっくりお過ごしください。本日のご搭乗、誠にありがとうございました」。その後、希望者には楽天イーグルスジェット特製ステッカーが客室乗務員から配られました。

本日の記念にということで、飛行記録のカードも渡してくれました。日付やフライトナンバーとともに、飛行高度31,000フィートと記載されています。
カードの両端に仙台空港の滑走路が09/27の方位とともにデザインされており、記念になりました。

安全のしおりとエチケット袋、ドリンク(上)、搭乗記念カードと記念ステッカーzoom
安全のしおりとエチケット袋、ドリンク(上)、搭乗記念カードと記念ステッカー

到着へ
時刻表上でも1時間15分の短めのフライト。ドリンクを飲み終わるころには降下が始まっていました。厚い雲の下に、北の緑濃い大地が見え隠れしています。実際のフライトは1時間5分と早着。ターミナルビルまではバス案内があり、車内から航空機のドア付近で手を振る客室乗務員の姿が見えました。

乗客降機後の客室乗務員 お疲れ様でしたzoom
乗客降機後の客室乗務員 お疲れ様でした

日本全国へ元気を届ける
エアラインはお客様が戻らず、大変な経営が続きます。プロ野球も観客数を5,000人に抑えた形で試合を続けます。それでも二つの力を合わせることで、大変な時期でも利用する人々に元気を与えることができます。東北が元気であることを発信する楽天イーグルスジェットは、アイベックスエアラインズの就航する北海道から九州まで、元気の輪を広げていくことでしょう。

協力:アイベックスエアラインズ ⇒ https://www.ibexair.co.jp/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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