異国情緒溢れる個性的な空間
巨大ホテルチェーンのマリオットグループの中で、ひときわ個性的でエッジの効いたブランド「アロフト」がついに日本に上陸します。海外旅行経験が豊富なRisvelの読者の皆様の中には、ニューヨークのブルックリンやカリフォルニアのサンノゼ、フロリダ州のマイアミで泊ったことがある、見かけたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。北米140か所、中南米11か所、ヨーロッパ11か所など、世界中で展開されているブランドが進化を続け、第四世代となった今、満を持して日本に進出です。
音楽とアート、テクノロジーをテーマにした館内に足を踏み入れると、東京らしさもあり、ニューヨークのテイストも感じられ、どこかアジアな要素もある、近未来の異国に来たような不思議な感覚を覚えます。
アロフトが日本進出の地に選んだのは銀座6丁目。GINZA SIXから徒歩2分、みゆき通りと昭和通りが交わる角に位置し、ショッピングにも仕事にも便利な立地です。地上16階建てで総客室数が205室。共有エリアは1階のバー、2階のオールデイダイニング、ジム、屋上のルーフトップバーとなっており、レストランやバーは宿泊客以外も利用可能です。
アロフトらしさが凝縮されたスイートルーム
全205室の中で、上層階限定で全4室しかない「アロフトスイート」は、このブランドのこだわりを凝縮したような特別な空間です。ベッドルームとリビングをつなぐコネクトエリアの窓側のスペースにはパイオニアのLPプレーヤーとマーシャルのスピーカーが備え付けてあります。この部屋では向かいの壁にジャズのレコード盤が用意されており、自由に聴くことができるほか、持ち込みも可能とのことです。銀座や、少し足を延ばした渋谷にはレコード盤専門店もあるので、そこで購入したものをそのまま聞くのも楽しそうです。
リビングルームも個性的です。アーティストの今井俊介氏が東京の街並みをテーマに描いた作品は4室少しずつ違う顔をもっており、東京という複雑な地形と構造の街を地図を見ながら読み解いていくようなイメージの作品だそう。ご本人曰く「これらの部屋で過ごす人それぞれが全く違った東京というイメージを持ち帰る一つの小さなきっかけになればと思う」とのこと。宇宙をイメージさせるソファーやテーブルとも不思議なほどマッチしています。
バーで愉しむライブミュージック
音楽、アート、テクノロジーをテーマにしているアロフトでは、1階のバー「W XYZ」でライブミュージックを愉しむことができます。ライブスペースには、大きなバーカウンターと座り心地の良いソファーや個性的なチェアーが並び、とてもコージーな雰囲気。こじんまりした空間でリラックスしながら音楽に耳を傾けることができそうです。
「Live@Aloft」(ライブ・アット・アロフト)は世界各地のアロフトホテルで行われているアコースティックライブで、若手ミュージシャンを応援するという側面もあるそう。東京でも実施される予定ですので、どのようなラインナップになるのか楽しみです。(コロナ対応により当面は制限の可能性あり)
バーの奥にはビリヤード台が置かれたスペースがあり、半円状の座り心地の良いソファーが2台並んでいます。向かって左のソファーには宇宙飛行士と白いロケット、右手には宇宙飛行士と黒いロケット。暗めの照明の中、宇宙にそのままつながっているかのような遊び心のある空間です。宇宙モノは大人の心も躍らせる夢がありますね。ソファーの左奥はニューヨークのバーに来たかのような、スタイリッシュなレストルームエリアにつながっています。
軽い打ち合わせもできそうなダイニングスペース
2階にはオールデイダイニングの「The WAREHOUSE」と宿泊者専用のジムがあります。エレベーターエリアからダイニングエリアに行く間には軽い打ち合わせができそうなテーブルやヴィンテージ感のあるバイクが飾られたスペースがあります。シンプルだけれど目を引く黒いテーブルはトム・ディクソンのもの。その上に配されたライトは、ザハ・ハディドfor トム・ディクソンのもの。ロンドンの空気を感じられえる、おしゃれなコラボレーションです。
The WAREHOUSEの壁にはひときわ目を引くグラフィティアート、「CONVERSATION-EAST meets WEST」が飾られています。英国人アーティストHUSHによるもので、女性と落書きをモチーフにしているそう。良い意味で西洋から見た東洋を感じられ、さまざまな文化が混ざった空間に、さらに異国情緒を加えています。
イチオシのスペース、銀座の街を見わたすルーフトップバー
アロフトのシグニチャーとも言えるライブスペースやスイートルームに並んで、個人的にイチオシかつオープンが楽しみなのがルーフトップバー「Roof Dogs」です。このDogは犬ではなく、ホットドッグのDogとのこと。
銀座へ入る門をイメージしたというライティングアート「銀座GATE」に彩られた1階のエレベーターホールから、一気に屋上に上がると、銀座の街を望むオープンスペースでシャンパンやビールと共にホットドッグをいただけるバーに到着します。
全28席の落ち着きのあるスペースは、都会の中にある地上16階という中層ビルの屋上という点が、どこかマンハッタンに点在するルーフトップバーに似た雰囲気を感じます。宿泊客以外も利用可能なので、仕事帰りや銀座ショッピング後の語らいに丁度良い気持ちの良いスペースができました。
白を基調とした落ち着きのある客室はキングとツインのオプション
アロフト東京銀座は全205室。54㎡のスイート4室以外にキングとツインのベッドオプションがあり、部屋の大きさも23㎡と27㎡の2種類が用意されています。27㎡のお部屋はサヴィーキングとサヴィーツイン、23㎡のこじんまりしたほうはアロフトキング、アロフトツインという名称です。ちなみに、サヴィーとはアロフトのブランドテーマの一つSavvyで、スマートで洗練されているという意味を持ちます。
アロフトのもう一つのテーマ「テクノロジー」が感じられるのはルームキーのシステム。マリオットのロイヤリティプログラム「マリオットボンヴォイ (Marriott Bonvoy)」の会員は、専用アプリを使ってモバイルでチェックインしたのち、自身のスマートフォンをルームキーとして使うことも可能とのことです。
お部屋に入ると、スイートルームのようなカラフルな要素は前面に出さず、白を基調としたシンプルなカラーリングになっています。各部屋は大きな窓が印象的で、光を遮断するアートスクリーンと、光は通しつつ目隠し機能のある白いスクリーンの2重構造になっており、簡単に調整ができるので便利です。スクリーンを両方とも上げれば、銀座の街並みを間近に感じることができます。
目を引くのは水回りの壁紙です。ブラウンの落ち着いた雰囲気ですが、近くに寄って見てみると、街並みにアロフトのロゴ入りのショッピングバッグやさまざまなアイコンが描かれています。これはアーティストKAARA氏が手掛けた「Ginza -paper bag- 〜みゆき族へのオマージュ〜」という作品。
1960年頃の銀座4丁⽬交差点の⾵景に、みゆき族を彷彿とさせる紙袋(ペーパーバッグ)が規則的に配置されています。ペーパーバッグと共に銀座を彷彿とさせるアイテムとして描かれているのは、スズメやミシン、アドバルン、ステッキやシルクハット。なぜミシン?と思いながらも、そのかわいらしさに目が奪われました。歯磨きタイムに壁紙をじっくり堪能するという、隠れた楽しみ方もできそうです。
アロフト東京には、ここで紹介しきれなかった沢山のアートがちりばめられていて、アートファンなら楽しくて仕方ない空間が広がっています。音楽とアートが好きな人の心をつかむ要素に満ちた場所として、宿泊するだけでなく、ふらっと立ち寄る場所としても、心地よい居場所を提供してくれるでしょう。10月1日のオープンが楽しみです。
<ホテル Information>
アロフト東京銀座 / ALOFT TOKYO GINZA
東京都中央区銀座 6-14-3
10月1日オープン予定
https://www.marriott.co.jp/hotels/travel/tyoal-aloft-tokyo-ginza/