旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2020年8月20日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

Fly Wellでコロナ対策 ジェットスター・ジャパン

4人の客室乗務員 左から 岩田さん、片岡さん、笹渕さん、菊池さんzoom
4人の客室乗務員 左から 岩田さん、片岡さん、笹渕さん、菊池さん

Fly Wellとは
LCCで運賃は安くても、コロナ禍では感染症対策がしっかりしていなくてはお客様が納得しません。ジェットスター・ジャパンでは「Fly Well」という名称で、感染防止対策のプログラムをグループ全体で導入しており、安全で安心な空の旅を提供できるよう取り組んでいます。

7月下旬に、どのような内容なのか成田空港から福岡空港に飛びました。以前の成田空港第三ターミナルビルは、建物に入った途端に人混みで奥の売店やフードコートが見えない状態でしたが、今は閑散としており、以前の活気に戻るにはまだ時間がかかりそうです。最初に目に入るのはLCC 5社でお客様に訴える「We are one team 一緒にがんばりましょう‼」の横断幕。乗って応えていくしかありません。

チェックインをする
ジェットスターでは非接触の機会を増やしており、モバイルチェックインで預入手荷物が無い人は、そのまま保安検査場に進むことができます。自動チェックイン機を使う方法もあります。現在、隣の機械との距離を開ける為に一台おきに稼働しており、接触も最低限で済みます。

自動チェックイン機が並びますzoom
自動チェックイン機が並びます

保安検査場に進むと、検温を受けるレーンが出来ていました。スマートホンを大きくしたような画面が手前を向いており、顔を近付けると体温が表示される仕組みです。その後、保安検査場を通り、ゲートへ向かいます。

ゲートに向かう
ゲートのまわりのソファーにもソーシャルディスタンスを取るための印を見掛けました。単純なものですが、×印が付いているだけで効果はあります。

出発に際しての優先は、お子様連れから。以前は後方からの搭乗方式でしたが、今では、AとFの窓側席の旅客、またそのお連れの方の搭乗があり、その後全ての旅客が搭乗とする流れで、列は整然と進みます。屋根のある可動式通路があり、雨風の影響を気にせず乗り込めます。

搭乗は間隔を空けて整然とzoom
搭乗は間隔を空けて整然と

機内へ
機内に入ると、マスク姿の男性客室乗務員が優しいまなざしで元気に迎えてくれました。客室サービスマネージャーの岩田隼児さんです。搭乗便の客室乗務員は男性2名と女性2名。オーストラリアの社風やDNAを受け継ぐジェットスターらしく、性別や職歴を問わず採用していることから男性も多く活躍しています。

当日は、約7割の搭乗率ですので中間席は空いている席が多い印象です。
エアバスA320は滑走路16Rに向けて進み、軽やかに離陸していきました。そのまま九十九里浜上空まで東進し、旋回して西に向かいます。

マスクと手袋着用の客室乗務員が機内販売を始めます。予約のお客様から商品を配り、その後一般販売がスタートします。

機内販売はマスクと手袋着用でzoom
機内販売はマスクと手袋着用で

客室乗務員に話を聞く
岩田隼児さんは社内で400人の客室乗務員の中で約3割いる客室サービスマネージャーの資格を持つ客室責任者です。中東のエアラインから転職でジェットスター・ジャパンに就社し経験は6年。流ちょうな英語のアナウンスが印象的でした。機内で客室乗務員志望の男性に声を掛けられることも少なくなく、男性客室乗務員の認知度が高まることを期待しています。

笹渕律子さんは国内大手航空会社の客室乗務員を経験後、結婚と出産を経て復職。一線から10年以上離れていましたが、ジェットスター・ジャパンが客室乗務員として求める人物像「情熱的で前向きな姿勢」が合致し、就航年より乗務についています。豊富な経験から導かれる適切な判断や物腰の柔らかさは乗務時のサービス向上に繋がっています。ワンチームとなって、お客様のニーズに応える事のできるLCCの職場が自身に適していると話してくれました。

後部ギャレーで客室乗務員のお二人zoom
後部ギャレーで客室乗務員のお二人

片岡舞さんは日系エアラインのグランドスタッフを経験した後、ジェットスターに入社し、二年目となります。大阪の学校でオーストラリアへ修学旅行に行き、ジェットスター機に搭乗したことが就職のきっかけでもあるとのこと。関西空港への帰路、搭乗便が欠航になりましたが、その時の全職員の対応が良く、強く印象に残ったと言います。

菊池隆典さんは入社2年目。中国系のエアラインで上海をベースに乗務していました。日本に戻り成田と羽田にて日本人乗務員の管理業務を行い、その後ジェットスター・ジャパンに転職しました

「Fly Well」機内の感染症対策は
機内アナウンスが入り、密閉空間となる機内においても、HEPAフィルターの存在で循環される空気は高い清浄性を維持していることが案内されます。お客様へもマスクの着用と会話、移動を必要最小限にすることへ協力を求めています。ラバトリーの使用方法についても蓋を閉めてから流すように案内があります。利用後の手洗いも奨励していますので、すべきことの内容が具体的でわかりやすいです。

客室乗務員によるラバトリーの清掃の様子を見せて貰いました。航空機機内用消毒液を使用して旅客が頻繁に触れる箇所を細かく消毒していました。

マスクと手袋を着用した笹渕さんが、丁寧にラバトリーを清掃していきます。室内全般が終わって、その後は普段から行っているというオーバーヘッドストウェージの取っ手を中心とした消毒の様子を見せてくれました。この時の注意点は一方向に拭き取ることを教えてくれました。

手袋は常時2種類が用意され、シーンによって使い分けるという念の入れようです。滑り止めのあるゴム手袋は、飲食提供時に威力を発揮します。

ラバトリードアの消毒の様子ですzoom
ラバトリードアの消毒の様子です

着陸の後で
福岡空港ではボーディングブリッジのあるゲートに到着です。全てのお客様が降機のあと、岩田隼児さん率いる4人が揃ってメッセージを発信してくれました。「大変な状況が続きますが、空港と機内での感染予防対策を徹底しています。安心、安全を第一に皆様を機内にてお待ちしております」とのこと。7月23日には全路線が復活しており、夏に向けて減便も最小になっていきます。Fly Wellなら安心して旅立てます。

取材協力:ジェットスター・ジャパン ⇒ https://www.jetstar.com/jp/ja/home

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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