旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2020年3月15日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

滑っても、滑らなくても楽しい! スノーシーズンの「星野リゾート トマム」

雪上の絶景スポットで楽しむシャンパンタイムは、泡好きならぜひ体験したい。zoom
雪上の絶景スポットで楽しむシャンパンタイムは、泡好きならぜひ体験したい。
冬のゲレンデといえば、スキーやスノーボードなどのスノースポーツを楽しむ場所というイメージがありますが、滑っても滑らなくても楽しめるのがリゾートゲレンデのいいところ。北海道最大級の滞在型リゾート「星野リゾート トマム」なら、「スノースポーツに興味なし!」「寒いところはニガテ」という人も虜にするアクティビティが揃っています。

大自然のアートを楽しむ「霧氷テラス」と「Cloud Walk(クラウドウォーク)」
グリーンシーズンの「雲海テラス」で有名なトマム。スノーシーズンはここが冬の絶景を楽しめるスポットになります。標高1,088mの「霧氷テラス」までは「雲海ゴンドラ」で約13分。霧氷とは霧などの大気中の水蒸気が凍り、木々の枝に結晶のように付着したもの。トマムがある北海道内陸部は冬の晴天率が比較的高く、晴れれば晴れるほど気温が下がる放射冷却により、青空と霧氷の美しいコントラストを楽しむことができるのです。
地上1,088mの「Cloud Walk(クラウドウォーク)」で絶景を眺めながら空中散歩気分。zoom
地上1,088mの「Cloud Walk(クラウドウォーク)」で絶景を眺めながら空中散歩気分。
「霧氷テラス」ではトマムの雪景色をイメージしたオリジナルカクテルやスイーツが楽しみ。また、霧氷の上に浮かんでいるような気分を味わえる特等席が地上3m・長さ13mのカウンターバー「Cloud Bar(クラウドバー)」。下山はもちろん、ゴンドラで空中散歩を楽しみながら帰れるから心配はいりません。

晴れの日限定!「絶景シャンパンバー」でゲレンデの視線を独り占めする
1~2月は最低気温がマイナス30℃にもなるトマムですが、3月以降は晴れると昼間は10℃前後まで上がることがあります。そんな日にぜひとも体験してみたいのが「絶景シャンパンバー」です。
雪景色とシャンパンを楽しむ「絶景シャンパンバー」は晴れの日限定! ゲレンデ中の視線が集まります。zoom
雪景色とシャンパンを楽しむ「絶景シャンパンバー」は晴れの日限定! ゲレンデ中の視線が集まります。
雪上車が牽引するウッドデッキのバーに乗り、ゲレンデ内の絶景スポットに出掛け雪景色とシャンパンタイムを楽しむ贅沢なアクティビティは、晴れの日限定。20種類あるシャンパン・メニューの一部をご紹介すると、高級シャンパンの代名詞「ドン・ペリニヨン」をはじめ、「モエ・ド・シャンドン」「ローランペリエ」、少々マニアックなところでは「アントル・シェル・テール」「ブルーノ・バイヤール」など、本格的なフレンチレストランでもなかなかお目にかかれない希少な銘柄も並びます。約30分の雪上散歩中、同乗するバーテンダーさんの話を聞きながら好みのシャンパン2杯を楽しんで4,000円(税込)は、とてもお得。スタートは10:00~、13:00~、14:00~の1日3回で、1回10名まで先着順なので、天気がいい日は急いで!

白樺林を抜け、突如コース内に現れる「絶景シャンパンバー」。ゲレンデ中の視線が集まるなか、羨望のまなざしを浴びながらグラスを傾ける気分のよさは説明するまでもないでしょう。

滞在は全室スイートの「リゾナーレトマム」へ
トマムのリゾート内には、「ザ・タワー」と「リゾナーレトマム」の2つのタワーホテルがあります。今回滞在したのは全室、展望ジェットバス付き、スイート仕様の「リゾナーレトマム」。カップル向けのツインタイプから、2ベッドルームで4~6名で滞在できる部屋、小さな子ども連れのママの使い勝手を配慮したコンセプトルームまで、目的とメンバーに応じて選べます。スキーやスノーボードに必要な用具やウエアはもちろん、防寒ウエア、スノーブーツなどのレンタルを完備しているので、普通の旅行と同じ感覚で身軽に出掛けられるのもうれしいところです。
全室スイートルームの「リゾナーレトマム」。展望ジェットバスからはリゾート内を一望できる(客室写真は、デザインスイートツインルーム)。zoom
全室スイートルームの「リゾナーレトマム」。展望ジェットバスからはリゾート内を一望できる(客室写真は、デザインスイートツインルーム)。
宿泊ゲストには「霧氷テラス」へアクセスする「雲海ゴンドラ」を無料で利用できる特典付き。スノースポーツ未経験の人でも雪上のピクニックを楽しめるスノーシューや、雲海ゴンドラ山頂駅から操作可能なソリで滑走する「スノーカート4200」、雪上バギーのドライブなどのアクティビティ・メニューが豊富に揃っています。スパサロンも併設しているので、退屈している時間はありません。

朝の目覚めが楽しみになる、トマム牛乳のフレンチトースト
エリア内に20のレストランがあり、リゾート内で北海道の味覚、イタリアン、スイーツなどの食べ歩きもできるトマム。1日の始まりが楽しみになるのが、ビュッフェスタイルの朝食です。「ザ・タワ―」のビュッフェダイニング「hal(ハル)」では、エリア内で飼育する乳牛のミルクを使ったフレンチトーストと、味噌コーン仕立ての朝ラーメンが名物。開店時間の7時より10分以上前には、オープンを待ちきれない人たちが集まってくるほどの人気ぶりでした。
ビュッフェダイニング「hal(ハル)」の朝食では、トマム牛乳をたっぷり使ったフレンチトーストを。zoom
ビュッフェダイニング「hal(ハル)」の朝食では、トマム牛乳をたっぷり使ったフレンチトーストを。
氷の街「アイスヴィレッジ」は幻想的な美しさ
日本の最低気温を記録したこともあるトマムの寒さが作り出す幻想的な氷の街が「アイスヴィレッジ」。メインストリートには氷の壁に囲まれたカフェやベーカリー、雑貨の店、氷でできた楽器を演奏して遊べる「氷の楽器屋」が並びます。トマム牛乳を使ったミルクジェラートや氷のグラスづくり、自分でキャッチした雪の結晶に特殊な加工をしてアクセサリーを作る体験メニューが用意され、まさに寒さを忘れる楽しさです。

さらにユニークなのは、天井と壁はもちろん、ベッド、イス、テーブルなどの家具まですべて氷でできた「氷のホテル」。氷のベッドで眠るなんてどんなに寒いかと思いきや、実際に体験した方によるととても静かで朝までぐっすり眠れるのだとか。寒さが厳しい北海道のなかでも、この場所に来なければ体験できない氷の世界が、非日常へと誘ってくれます。
※「アイスヴィレッジ」は、3月10日で今季の営業を終了しました。
寒さを楽しむ「アイスヴィレッジ」では雪や氷、寒さをテーマにしたアクティビティを体験できます(今季は3月10日で営業終了)。zoom
寒さを楽しむ「アイスヴィレッジ」では雪や氷、寒さをテーマにしたアクティビティを体験できます(今季は3月10日で営業終了)。
私自身は、雪を目の前にして滑らない選択はありません。でも、トマムのような滞在型リゾートなら、スノースポーツの経験がない人と一緒に出掛け、充実したリゾートステイを楽しめそう。たとえば、サーフィンやダイビングをしなくてもハワイへ行きたくなるのと同じように、冬の雪山には冬にしか体験できないお楽しみがいっぱいつまっています。

【協力】
星野リゾート トマム
https://www.snowtomamu.jp
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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