旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2020年3月5日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

スノーシーズンは終わらない!北海道パウダーベルトでゲレンデホッピング ~カムイスキーリンクス編~

石狩平野の絶景を望む北海道最大級のスキー場「カムイスキーリンクス」。zoom
石狩平野の絶景を望む北海道最大級のスキー場「カムイスキーリンクス」。
記録的な暖冬とといわれているこの冬。本州では早くもシーズン終了を宣言するゲレンデも出てきて、「まだまだ滑り足りない!」と思っている人も多いのではないでしょうか。

そんなフラストレーションを解消すべく2月末、北海道へ出かけて行きました。本州では桜の開花情報も聞かれる時期になってきましたが、北の大地ではまだまだシーズン本番の雪質を楽しめます。とくに私のような軟弱スキーヤーにとって、天候が安定する3月の方が吹雪で凍える心配もありません。晴天のもと、気持ちよく滑れるというわけなのです。

スノースポーツも街遊びも思いのままに、都市型スキーの拠点「星野リゾート OMO7旭川」
今回、訪れたのは道央エリア。トマム、富良野をはじめとし、旭川周辺のカムイスキーリンクス、大雪山系の旭岳や黒岳など世界でも有数のパウダーを楽しめるゲレンデが集中する「北海道パウダーベルト」と呼ばれている一帯です。
スキー用具一式は「OMO7旭川」内のアウトドアショップ 「iGATE IKEUCHI EXIT asahikawa」のレンタルを利用し“手ぶらでスキー”。zoom
スキー用具一式は「OMO7旭川」内のアウトドアショップ 「iGATE IKEUCHI EXIT asahikawa」のレンタルを利用し“手ぶらでスキー”。
拠点としたのは、旭川の市街地に2018年リニューアルオープンした「星野リゾート OMO7旭川」。「星野リゾート」の新ブランドである「OMO(おも)」は、都市観光をよりディープに楽しむことを目的としたカジュアルなホテル。アクセス便利な都市部にあり、ビジネスホテルよりおしゃれでシティホテルよりリーズナブル。街を楽しみつくすためのサービスや、遊び心いっぱいの仕掛けが用意されています。

1日目は朝7時台のフライトで羽田から旭川へ。旭川空港からレンタカーでホテルに到着し、予約しておいたレンタルのスキー&ブーツ、ウエアをピックアップ。一路、北海道最大規模のゲレンデを誇る「カムイスキーリンクス」を目指します。

ゲレンデトップまで、全長2,327mのゴンドラで寒さ知らずのアクセス
旭川市内から「カムイスキーリンクス」までは車で約30分。「OMO7旭川」からは宿泊者が無料で利用できるゲレンデ直行の送迎バスが運行されています。市街地から15分~1時間程度でアクセス可能なゲレンデが集中する旭川。なかでもここは雪質のよさとコースの多彩さ、爽快な眺めも楽しめ、ローカルのスキーヤー&スノーボーダーから圧倒的な支持を集めています。
早朝、東京を出発し、昼前にはゲレンデに。山頂まではゴンドラでわずか8分。zoom
早朝、東京を出発し、昼前にはゲレンデに。山頂まではゴンドラでわずか8分。
スキー場名にある「カムイ」とは「神居」という地名です。かつてこの周辺はアイヌの人々が「神々の遊ぶ庭(カムイミンタラ)」と呼ぶ絶景に囲まれていたのだとか。その絶景が待ち受けるゲレンデトップまで、ゴンドラで約8分。この日の朝は旭川市内の最低気温がマイナス10℃を下回り、市街地でもダイヤモンドダストが舞う寒さでしたが、山頂までダイレクトにアクセスできるゴンドラがあるので凍えることはありませんでした。

斜面変化の楽しさ、雪質のよさに気分が上がる!
山頂付近は雲ひとつない快晴。ゲレンデトップの標高は751mとさほど高くないものの、スキーブーツの下でキュッキュッと鳴る雪に、期待が高まります。
全25コースのなかでもいちばんの人気は山頂から一枚バーンの中・急斜面が広がる「ゴールド1・2」。とくに最大斜度30度を誇る中盤の「ゴールド2」はコース幅が100m以上もあるワイドなコース。圧雪も行き届き、気持ちよく飛ばすことができます。
山頂レストラン「Mt751」の焼き立てピザでランチ。2月末でも本州のゲレンデのトップシーズンに勝る雪質を堪能できました。zoom
山頂レストラン「Mt751」の焼き立てピザでランチ。2月末でも本州のゲレンデのトップシーズンに勝る雪質を堪能できました。
メインゲレンデを楽しんだ後は、山頂から林間コースで滑り込む未圧雪エリアへ。こちらは北向きの斜面になり雪質が安定しているのが特徴。残念ながら新雪にはありつけませんでしたが、ほどよく踏み固められたパウダーを楽しむことができました。
爽快な中斜面と林間の未圧雪コースは斜度の変化があり、飽きることがありません。中級以上のレベルなら、まずゴンドラで山頂を目指し、上部のリフトだけ使って滑ればベース付近の緩斜面をエスケープできます。
センターハウス前のファミリーコース。これだけ広々としていればビギナーやファミリーも安心。zoom
センターハウス前のファミリーコース。これだけ広々としていればビギナーやファミリーも安心。
夕方のハッピーアワーで都市型スキーのいいとこどり
たっぷり滑ってホテルに戻ってきたのは17時前。外はまだ明るく、夕食に繰り出すには早すぎる時間です。そこでホテル1階にある「OMOカフェ&バル」のハッピーアワーへ。ここでは16時からビール、ワインなどの1ドリンクに、生ハム、フライドポテト、サーモンマリネサラダからおつまみを1品選べて850円というお得なセットメニューを提供しています。
冷たいビールでのどを潤しながら、「夕食はどこで何を食べようかな」「明日はどのゲレンデに滑りに行こうか」と考える。こんな楽しさも、都市型スキーならではです。
ホテルに帰り、ハッピーアワーのビールでホッとひと息。今夜と明日の予定を考えるのも楽しい時間。zoom
ホテルに帰り、ハッピーアワーのビールでホッとひと息。今夜と明日の予定を考えるのも楽しい時間。
旭川には「OMO7旭川」を拠点にアクセスできるゲレンデがいくつもあります。市内の夜景を眺めながらナイタースキーを楽しめる「サンタプレゼントパーク」までは車でわずか15分、コンパクトだけれど初心者から上級者向けまでコースが揃う「ぴっぷスキー場」、林間コースでクロスカントリースキーを体験できる「キャンモアスキービレッジ」、もう少し足を延ばせば“パウダーの聖地”と呼ばれ、5月上旬まで滑走可能な大雪山系の「大雪山旭岳」など。午前と午後でスキー場のハシゴをするよくばりなプランも可能です。地元の人のなかには、午前中半休を取ってスキーやスノボを楽しみ午後から出勤したり、仕事が早く終わった日にはナイタースキーに出かけると人もいるのだとか。
こんな恵まれた環境に暮らす旭川の人たちを羨まずにはいられませんね。

●カムイスキーリンクス
北海道旭川市神居町西丘112
TEL: 0166-72-2311
営業時間: 9:00~17:00
クローズ予定: 3月31日(積雪状況により変更あり)
https://www.kamui-skilinks.com/

【協力】
星野リゾート OMO7旭川

北海道旭川市6条通9丁目
TEL: 0166-29-2666(宿泊予約)
全237室 1泊4,500円~(2名1室利用時の1名あたり、税・食事別)
https://omo-hotels.com/asahikawa/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
risvel facebook