狂気のフェスティバル
ヨーロッパDJツアーの土産話をする前に次の北米ツアーが決まってしまって、旅の過去、現在、未来、そして妄想、整理している暇がありませんので、まあ無造作に思いついたところから喋ってまいります。まずはビッグ・ニュースから。
このゴールデンウィークにロサンゼルスでロック・フェスが開催されます。その名もCRUEL WORLD FESTIVAL。CRUELは直訳すると「非情」とか「残酷」という意味らしいけど、今回の場合は「狂気」と訳するのが最もふさわしいと思います。その理由は?
まずは下のラインナップを見てみてください。今の若い人だったらたぶん、出演者が誰だかさっぱりわからないのではないかと思います。それもそのはず、ここに出てるアーティスト、ほとんどが70年、80年代に活躍した人たちばかり。バンドとして活動しているどころか生きているだけでも驚きのオールドスクールなメンツなんです。おそらく平均年齢は55歳以上、いや60歳以上かも。しかもメインストリームで日の目を浴びたグループはブロンディーとモリッシー(元スミス)1曲だけ売れたベルリンぐらいで、だいたいがアンダーグランドシーンにしか登場しないカルトヒーローの面々。とはいえ、ジョンライドン(PUBLIC IMAGE LTD/元セックスピストルズのボーカリスト)、ゲイリーニューマン、ディーボ、マークアーモンドなど、当時のニューウェーブ、ポストパンクシーンを語るに決して忘れることのできないアーティストが揃い踏み。知る人にとってはコレ、ニュースではなくて完全に事件です。
会場はロサンゼルス郊外、カーソンにあるディグニティ・ヘルス・スポーツ・パーク。名前を見ただけで巨大なスポース施設だということがわかるとおり、メジャーリーグサッカー2チームがここをホームにしている他、ラグビー、アメフト、テニス、自転車競技場まであり、収容人数はざっと計算しただけで6万人以上。ここがCURELな人々で埋め尽くされるわけだ。
さて、話の流れから想像できると思いますけど、僕、これに出演します。古巣のバンド=クリスチャン・デスのメンバーとして。おそらく日本人の参加は僕だけだと思います。何と言っても7、80年代にニューウェーブ界隈で活動していたことが出演の第一条件ですから、今の人がどんなに売れてても出場資格を満たさないわけだ。大御所すぎて話題に出すのもおこがましいけど、もし出演の可能性があるとしたら日本人では(ちょっとジャンルはちがうけど)YMOぐらいじゃないでしょうか?
ツアーの行程には北米だけじゃなくてメキシコも入っているみたいで、まあ何がどうなるかさっぱり予想ができず、今からとても楽しみにしています。
リスヴェルの読者さんの中にも、きっとゴールデンウィーク中にカリフォルニアを訪れる人がたくさんいらっしゃると思って、興味があったら来てみれば?と紹介するつもりだったのですけど、チケットは発売即日完売だそうで、うーむ。
まあとにかく、がんばってきますね。応援よろしく。
追記:同フェスティバルはCOVID-19パンデミックの影響を受けて中止になりました。その後、2022年5月14〜15日に同じタイトル、会場での開催が発表されています。ラインナップは少し入れ替わりますが、クリスチャン・デスの出演は確定。しかし僕の参加は現時点では全く未定です。(2021年8月現在)
CRUEL WORLD FESTIVAL 2020 出演者
* Blondie
* Violent Femmes
* Morrissey
* Echo & The Bunnymen
* Devo
* The Psychedelic Furs
* Gary Numan
* Berlin
* Bauhaus
* She Wants Revenge
* The Church
* Public Image Ltd.
* The English Beat
* Cold Cave
* Bad Manners
* Missing Persons
* Black Marble
* Marc Almond
* TR/ST
* Blaqk Audio
* The KVB
* Christian Death←このバンドです。
* The Meteors
* Drab Majesty
* Soft Kill
* London After Midnight
* 45 Grave
* Sextile
* Jay Aston's Gene Loves Jezebel