旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2019年11月26日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

週末ショートトリップ気分を味わう、都心のオアシス『プルマン東京田町』

エントランスで迎えてくれるのはレセプションと一体になったロビーラウンジバー『ジャンクション』。zoom
エントランスで迎えてくれるのはレセプションと一体になったロビーラウンジバー『ジャンクション』。
都内に住んでいて都心のホテルに泊まる。これはとても贅沢なこと。遠くへ出かける時間と気力はないけれど、週末にちょっと旅の気分も味わいつつリフレッシュしたい。そんな願いを叶えてくれるホテルが、昨年10月の開業から1周年を迎えたばかりの『プルマン東京田町』です。

世界最大級のホテルチェーン・アコーのプレミアムブランド
「プルマンホテルズ&リゾーツ」として日本に初上陸した『プルマン東京田町』は、パリを拠点とし世界100カ国に4900軒以上のホテルやリゾートを展開する世界最大のホテルチェーン『アコー』のプレミアムブランド。JR田町駅前に位置しデッキで直結しているため、雨の日でも濡れることなくアクセスできる便利なロケーションにあります。イベントや食事で何度か訪れ、モダンなのに気取りのない居心地の良さが気に入っていて、一度泊まってアコモデーションとしてのクオリティも体験してみたいと思っていました。
訪れたのは日曜日のお昼前。チェックインは15時ですが、せっかくなら少しでも長い時間を過ごしてみたくて、ブランチからスタート。平日はビジネスマンの利用が多いとのことですが、この日のカジュアルダイニング『KASA』は週末らしいのんびりした空気に満たされ、ビール、スパークリングなどのアルコールとともに食事を楽しむ人も見受けられました。
朝食と土・日曜・祝日のブランチの豪華さでも知られるオールデーダイニング『KASA』。zoom
朝食と土・日曜・祝日のブランチの豪華さでも知られるオールデーダイニング『KASA』。
デザインコンセプトは「歌舞く(KA-BU-KU)」。日本とヨーロッパの調和が楽しい!
ブランチメニューと、さらにデザートも楽しんだところでチェックイン。ここからは宿泊ゲストでなければ体験することができないエリアです。日本のカルチャーとヨーロッパのテイストが融合したデザインコンセプトのテーマは「歌舞く(KA-BI-KU)」。異端を恐れず、時代の先端を行く歌舞伎の美しさ、大胆さに着想を得たものだとか。ロビーやエレベーターホールは色鮮やかな歌舞伎のイメージで統一され、客室もフロアごとに「舞う」「纏(まと)う」「歌う」という異なるコンセプトを設定したインテリアでまとめられています。黒、赤、オレンジ、ゴールドなどインパクトの強いカラーを取り入れつつも、調度品やアメニティの一つひとつに細やかな配慮がなされ、くつろぎへと誘います。
都心のビル群の眺望が広がる窓から見下ろせば、そこは田町駅のホーム。行きかう電車を眺めていると自宅からわずか30~40分の場所なのに、どこか遠い街を訪れた錯覚に陥りました。日本のカルチャーにフィーチャーしたユニークなデザインコンセプトに惹かれ、欧米を中心とした海外からの宿泊ゲストが8割近くに上るとのこと。これを裏付けるようにロビーフロアのワーキングスペースがほとんど外国人の方たちで占められていて、海外のホテルに滞在している気分も味わえました。
モダンなデザインと和の繊細な感覚が融合した客室。バスルームの洗面台は信楽焼。窓から行きかう列車を楽しむことができる。zoom
モダンなデザインと和の繊細な感覚が融合した客室。バスルームの洗面台は信楽焼。窓から行きかう列車を楽しむことができる。
再訪が楽しみになるエグゼクティブラウンジとルーフトップバー
エグゼクティブフロアとスイートの客室に宿泊すると利用できるのが、9階にあるエグゼクティブラウンジ。ここではドリンクと軽食をとることができます。その場でオレンジを絞って作るフレッシュジュースや、日本茶のおもてなしも。同じフロアにあるルーフトップバーも自慢のひとつ。眼下を走る新幹線や電車を眺めながらドリンクやタパスメニューを楽しめるスポットでは、定期的にアートイベントが催されています。平日の朝食は、卵料理、フレンチトーストなどのホットミールはメニューからオーダーし、サラダ、パン、和食の総菜や飲み物はビュッフェから好みのものを選ぶスタイル。デザートのプチスイーツの種類が豊富で、朝から気持ちが盛り上がりました。
左・右上/コーヒーやアルコールドリンクとともに日本茶とお菓子が用意されたエグゼクティブラウンジ。右中/歌舞伎からインスピレーションを得たエレベーターホールのアート展示。下右/客室フロアのカーペットは鮮やかな青。zoom
左・右上/コーヒーやアルコールドリンクとともに日本茶とお菓子が用意されたエグゼクティブラウンジ。右中/歌舞伎からインスピレーションを得たエレベーターホールのアート展示。下右/客室フロアのカーペットは鮮やかな青。
今回は日曜日から月曜日まで20時間ほどの滞在で束の間、旅の気分を味わうことができました。2日目はゆっくり朝食を楽しみ、チェックアウト後はスムーズに仕事モードに。遠くに出掛けるほどの時間はないけれど気分転換やリフレッシュしたいとき、こんな風に都心のホテルを利用してみるのもいいものです。
ロビーフロアのワーキングスペース。欧米からのゲストが8割近くを占めることも大きな特徴。zoom
ロビーフロアのワーキングスペース。欧米からのゲストが8割近くを占めることも大きな特徴。
JR田町駅とデッキで直結し、レストラン、ショップ、スーパーのある複合商業施設にも隣接した便利なロケーション。zoom
JR田町駅とデッキで直結し、レストラン、ショップ、スーパーのある複合商業施設にも隣接した便利なロケーション。
●プルマン東京田町
東京都港区芝浦3-1-21
TEL 03-6400-5855
https://www.accorhotels.com/japan/index.ja.shtml
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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