旅の扉

  • 【連載コラム】旅行が大好きやか!
  • 2019年10月5日更新
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ生

「五感で和を感じるご縁の国、島根県出雲市」〜出西窯を訪ねて〜

田園風景の中に佇む出西窯zoom
田園風景の中に佇む出西窯
旅の出会いに感動

旅に出ると、人だけでなく、素敵な「モノ」との出会いもあります。直感的に五感で感じた魅力的なモノとの出会いは、本当に嬉しいものです。

今年で2回目、2年生を対象とした2019年のゼミ合宿はご縁の国、島根県出雲市。出雲観光協会のホームページで情報収集をしていると、民芸運動から生まれた愛される器「出西窯」に出会いました。僕はこれといって陶器を収集しているわけでもなく、日常からこだわって陶器を使ってもいません。でも、出西窯の器を見たとき、何かわからないインスピレーションとその器の鼓動を感じ、手にとって見てみたいと思いました。こうして、ゼミ生に課した課題と同じように、僕の課題も自然に見つかりました。
神立橋を背景にしたレンタル自転車zoom
神立橋を背景にしたレンタル自転車
旅先での自転車はMust-Rent

課題に向けた自由行動当日、出西窯へ向かうべく、JR出雲市駅で自転車を借りました。タクシーで行けば15分程の距離にありますが、僕は旅に出た時、自転車でその土地を走るのがとても好きです。風を感じ、その土地の匂いを感じ、ゆっくりと流れる景色を感じ、非日常の中にいる自分を感じるのが好きです。

スマホを使えば簡単に出西窯まで案内してくれます。確かにスマホは便利ですが、旅に出た時は、昔ながらの地図を見ながら行くのが好きです。出雲市駅の観光協会に立ち寄り、出西窯までの道程を教えてもらうと、それ以上の思わぬ良い情報も教えてもらえました。これも旅先で人とコミュニケーションを取ることによって得た出会いと言えるでしょう。
全国の神様が集い、どんな話で盛り上がるのだろうか。。。zoom
全国の神様が集い、どんな話で盛り上がるのだろうか。。。
全国の神様が集う場所

出西窯までの道中には、立虫神社(たちむしじんじゃ)と万九千神社(まんくせんじんじゃ)があることを知りました。立虫神社は、出雲市斐川町(ひかわちょう)併川(あいかわ)地区の氏神さま、鎮守さま。万九千神社は、古くより出雲国で、毎年、神在月、旧暦10月に催される神在祭(かみありさい)に際し、全国から集まった神様が最後に立ち寄り、神議(かみばかり)と直会(なおらい、宴の意味)を催す場所です。

そして神立橋。神立橋は、出雲市と斐川町を結ぶ斐伊川にかけられている国道9号の橋。全国の神様が万九千神社で会議や宴会の後、旧暦の10月26日にこの神立橋から自分の国に帰っていくと云われています。
工房の中を見学zoom
工房の中を見学
5人の青年たちが追い求めた「用の美」

僕は神立橋を通り、立虫神社と万九千神社を参拝し、出西窯へ到着したのは、出雲駅を出発してから1時間30分ほど過ぎた時間でした。すでに何人かの旅行者が出西窯を見学していました。

出西窯は、田園風景の中に建つ、とても温かみのある日本家屋風の工房。そして工房の中を自由に見学することができます。僕は陶器の工房に入るのは初めて。邪魔をしないように、少し緊張しながら見学していきました。

出西窯は、昭和22年、5人の若者の真っ直ぐな志から始まりました。民藝運動のメンバーに指導を仰ぎ、日常を彩る、健全で美しい暮らしの器を作り続けています。郷土の原料を大切にし、職人の手仕事による実用的な「用の美」が息づく器。それは日々少しずつ姿を変えながら、現代の暮らしにも静かに寄り添い、毎日を心豊かに過ごせる道具となることを願っています。(出西窯ホームページより)
出西窯で作られた陶器を手にとって見られるのは嬉しいzoom
出西窯で作られた陶器を手にとって見られるのは嬉しい
とても素敵な和の器との出会い

工房見学から陶器の展示販売場へ。お皿や鉢などの器から、マグカップまで、さまざまな陶器が展示されています。出西窯の器は、飾り気のないシンプルなものが多く見られます。とても綺麗な青藍色(せいらんしょく)の器を手に取ってみると、とても馴染み良く温もりを感じます。食器として和にも洋にも合わせられるデザイン。少々重たい感じもしますが、普段使いの陶器として魅力的です。

僕は、最初に手に取った“出西ブルー”と呼ばれる呉須のボール(大・中・小)と、妻にぐい呑みを買いました。
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あ〜っ、もう一度食べたいくらい美味しかった!
出西窯の器でランチ!

気が付いたら午後12時を過ぎていました。
出西窯に隣接した2018年5月にオープンしたばかりのベーカリー&カフェ「ル コションドール出西」でランチを食べることに。お店の右側にはベーカリーがあり、約50種類の自家製酵母種のパンが並びます。

カフェスペースでは地域の旬の食材を生かしたメニューが出西窯の器で味わえるので、僕は、アボカドとリコッタチーズのオープンサンドと自家製レモンライムレモネードを注文しました。パンがとっても美味しかった!

お腹も満たされ、とても良い買い物もでき、黄金色の稲穂の景色を眺めながら、出雲市駅へ向かうため、僕は自転車のペダルを再びこぎ始めました。(了)

出西窯
島根県出雲市斐川町出西3368
0853-72-0239
午前9時30分〜午後6時(火曜定休)
駐車場80台
https://www.shussai.jp
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ生
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科 小倉通孝ゼミ生による旅のコラム。ゼミの授業を通して訪れた国内外の観光地をフレッシュな学生の視点でレポートします。

亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科
https://www.asia-u.ac.jp/academics/business/hospitality/
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