旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2019年6月30日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

「跳び飛びの旅」で巡る、まぼろしの浜に囲まれた与論島

百合ケ浜が出現している与論島全景zoom
百合ケ浜が出現している与論島全景

与論島での観光
JALPAK「跳び飛びの旅」2泊3日で15フライトするツアーに行ってきました。一泊目は鹿児島、二泊目は与論島で宿泊します。フライトを楽しむツアーながら、与論島ではおよそ一日の観光タイムを取ることができるスケジュールでした。

与論島は、今回アイランドホッピングで訪問した奄美群島の5島の中で、一番人口の少ない小さな島。奄美大島の人口の10分の1以下でしかありません。首都圏ではあまり名前の知られていない喜界島よりも少ないとは意外です。それでも見どころたくさんの、美しい島でした。

レンタカーですぐに島内一周
那覇からの便は午後二時過ぎの到着。レンタカーを予約しておくと、空港まで迎えに来てくれます。事務所までの道を行きながら、島内には信号が二基しかないことを教えてくれました。生徒への交通学習用に作ったとの事で、島外へ巣立っていく若者が、信号の存在で戸惑わないように考えられているようです。

島を見わたす
小さな島を巡る時、最初に行ってみたくなるのが展望台。島全体を眺めて規模感を確かめたくなります。早速、展望台「サザンクロスセンター」に昇り、島の南方から北側を眺めます。5階が展望室で、ガラス窓越しに360度の眺望を楽しめます。天気のいい日には沖縄本島が見え、その近さを実感できます。下の階は、与論の自然、歴史と文化を紹介する有料施設となっています。

もう一か所は、「舵引の丘」。島の中心部にあって、島内を広く見渡せます。珊瑚礁でできた与論島誕生の場所として有名です。駐車場があり、無料で利用できます。

サザンクロスセンターからの眺め(上)と舵引の丘zoom
サザンクロスセンターからの眺め(上)と舵引の丘

「与論駅」は鉄道の駅ではなく、レールに乗る車輪のみがある場所です。鉄道のない島の為、島民に車輪の大きさを実感してもらおうとしているのかもしれません。駅名看板の向こうに広がる海の様子が見事にマッチ。周囲に溶け込んでいる施設として写真を撮りに行くべき場所だと実感します。遊歩道を行くと、与論港に繋がるフンチュ崎、海を洗う絶壁の向こうの沖縄本島が見えて印象に残ります。

ヨロン駅にあるのは車輪だけzoom
ヨロン駅にあるのは車輪だけ

希少な海の眺め
島の東側に広がる百合ケ浜は大潮の干潮時、沖合に現れるまぼろしの浜。カーナビには、「大金久海岸」と入力しないとヒットしません。到着日は午前中に干潮との事で急いで向かいました。島内各所の浜に設けられた観光アーチをくぐり、海に向かいます。途中、ご高齢女性の土産販売テントの前を通り掛かると声がかけられました。方言での挨拶にホッとするひとときがあり、素朴な貝の装飾品などを買うことができました。

梅雨の時期とはいえ、干潮の過ぎた週末の浜に人はいませんでした。名だたる観光地の浜にしてはその静けさに意外さを覚えながら、砂浜を歩きます。幼き頃に海遊びをした時を思い起こす、小さくて優しげな貝が密集した美しい浜辺でした。

遠くにポツンとあるのは、浜遊びの道具を貸す小屋。沖には小さな観光船が数隻。さほど観光に力が入っていないようにも思えますが、それが逆に静けさと居心地の良さを生んでいます。人生の中でボーッと海を眺める時間はさほど長くないですが、時間さえあれば、もっとゆっくりしていたいと思える時を過ごしました。

百合ケ浜の一景zoom
百合ケ浜の一景

浜辺のできごと
眠くなるような時間の経過があって、ふと見ると遠くの浜に人影があります。一人の少女が、はっきりとした足取りで、船に向かって歩いていきます。そのまま水の中に入り、へさきのハシゴを上手に昇って、船の人となりました。船頭はこのひとりを乗せただけで、出航させます。船は百合ケ浜に向かってゆっくり動いていきました。

目的など何もわかりませんが、映画のワンシーンのような眺めに見とれてしまいました。

遠方より浜の眺めzoom
遠方より浜の眺め

宿泊先
与論島での宿泊は、プリシアリゾート・ヨロン。空港から車で5分の絶好の位置にあり、サンセットビーチと言われる兼母(かねぼ)海岸もある場所。5万㎡の敷地に100を超えるコテージが並びます。4つのレストランで好みの食事を食べることができる島随一のリゾート施設。地中海を想わせるという表現は誇大ではありません。

プリシアリゾート・ヨロンのコテージと兼母海岸zoom
プリシアリゾート・ヨロンのコテージと兼母海岸

翌、最終日は4フライト。まもなく終わる「跳び飛びの旅」の完成に向けて、夕暮れから夜に掛けての幻想風景が旅に華を添えてくれました。

ヨロン島観光協会     ⇒ http://www.yorontou.info/

南国レンタカー      ⇒ https://yoron-nangoku.com/

プリシアリゾート・ヨロン ⇒ https://www.pricia.co.jp/information/

JALPAK跳び飛びの旅   ⇒ https://www.jal.co.jp/domtour/kyu/amaminosora/
*7月~10月のツアーは宿泊地が異なりますので、要注意。

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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