旅の扉

  • 【連載コラム】***独善的極上旅日記***
  • 2019年4月26日更新
フリージャーナリスト:横井弘海

人生を楽しもう!~カナダ・ケベック州へ~モントリオール②町の中で自然を楽しむ

モントリオール子の憩いの場所、モンロワイヤル公園の冬景色zoom
モントリオール子の憩いの場所、モンロワイヤル公園の冬景色
「 山が無ければモントリオールではない!」

そんな名言を吐いたのは、モン・ロワイヤル公園でガイドを務めるマリークリスティーヌさんでした。モントリオールで一番高い標高は233メートル!
その山はこの公園の中にあります。

「だってここはモントリオール。この山が魅力をつくるのです」とニッコリ微笑む彼女。
ケべコワのガイド、マリークリスティーヌさんがスノーシュウの説明中zoom
ケべコワのガイド、マリークリスティーヌさんがスノーシュウの説明中
モントリオールはフランス語で Montréal。1535年、フランスの探検家ジャック・カルティエがここモン・ロワイヤル(Mont-Royal」山の頂上からモントリオール島を発見したことが町の名前の語源と言われます。
「Mont」は山を意味する montagne。レアル、ロワイヤルは王様。「王の山」ということでしょうか?

ワンコの散歩ですzoom
ワンコの散歩です
「山ねぇ。なだらかな丘のようにも思えるけれど」という気持ちを胸にしまいつつ、説明を聞くうち、モントリオールの人たちにとって、ここがとても大切な場所であることが感じられました。
3つの頂上(丘?)をもつ10キロ四方の山のうち、約200ヘクタールが公園になっています。町の中心地からわずか15分という近さで、周辺には大学や病院、美術館などがある一方、森には動物もたくさん住んでいます。
これだけ近いと、仕事や学校に行く前後に、自然と散歩や運動をしたくなりますよね。
仕事の後、クロスカントリースキーを楽しんでいるのかもzoom
仕事の後、クロスカントリースキーを楽しんでいるのかも
マリークリスティーヌさんが所属するLes Amis de la Montagne は、この山のガイドとイベントの企画管理運営をしています。
バードウオッチング、ハイキング、ランニング、サイクリング、湖でのボート、ガイドツアーのウォーキングなどを楽しむことができます。雪のある季節には、スケート、クロスカントリースキー、スノーシュー、スノーチューブなど、町中で、こんなに簡単に自然と触れ合うことができることに驚くばかりでした。
リスは山のあちこちにいますzoom
リスは山のあちこちにいます
私たちはスノーシューを履いて、山を散策。風と雪を踏みしめる靴音だけが聞こえます。ヒンヤリした空気の中を歩くのは心地よいものです。モントリオールでは、町にいてもモニュメントを見るだけが観光ではないのですね。あちこちにリスが飛び跳ねているのを見つけてはキャーキャーはしゃぎ、写真にあまりよく映りませんでしたが、図鑑でしか見たことのなかったカーディナル(ショウジョウコウカンチョウ・猩々紅冠鳥)を見つけて、大満足でした。
展望台からの良い眺めzoom
展望台からの良い眺め
モン・ロワイヤル公園の「Kondiaronk look out」展望台は、モントリオールの町を俯瞰できる絶好のスポット。
展望台奥には「Chalet」と呼ばれる瀟洒な建物があり、中の四方の壁にはカナダの歴史の絵画がかかっています。
眼下に広がるカナダ第二の大都市の高層ビル群と遠くに流れるセントローレンス川。はるか昔に思いを馳せました。
Kondiaronkは先住民族の長の名前で、1701年に、フランスと30の先住民族が和平協定を結んだ時のリーダー的な存在だったそうです。

取材協力:Tourisme Montréal 
フリージャーナリスト:横井弘海
元テレビ東京アナウンサー。各国駐日大使を番組や雑誌でインタビューする毎に、自分の目で世界を見たいという思いが強くなり、訪問国は現在70カ国超。著書に「大使夫人」(朝日新聞社刊)。国内旅行は「一食一風呂入魂!」。美味しいモノと温泉を追いかけて、旅をしています。
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