旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2018年6月26日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

台湾のホスピタリティでお客様を歓迎! タイガーエア台湾のフライト

成田空港を離陸するタイガーエア台湾のエアバスA320zoom
成田空港を離陸するタイガーエア台湾のエアバスA320

LCCはカジュアルなフライトとよく言われます。各エアラインが今までの概念をくつがえすサービスでお客様を迎えて来ました。ギャレーで4人の客室乗務員がそろって虎のポーズで笑顔を見せたタイガーエア台湾。新しい時代のエアラインだなと思います。

シンガポールで生まれたタイガーエアは、スクートと合併しました。現在は、タイガーエアオーストラリアとタイガーエア台湾だけが残り、チャイナエアラインのグループとして独自のサービスを展開しています。日本が最大の目的地。13の空港に乗り入れます。

エアバスA320は虎のしま模様の尾翼が目印。成田空港第二ターミナルビルでは、フルサービスキャリア同様にボーディングブリッジから搭乗できます。高雄行きのIT281便は出発の40分前には搭乗が始まりました。機体に近づくと、二名の客室乗務員が迎えてくれます。

機内でまず目に入るのは、ヘッドレストカバー。キャラクターの宇宙猫クロロが頭の部分にドーンと来るデザインになっています。色を見ると3種類。最前方と非常口座席は、紫のタイガーコンフォート。前方2列目から5列目は青のタイガークイッカー。そして一般席は黄のターガーバディ。ダークグレーのレカロの革製シートが整然と並びます。今回は追加料金を払って、足元の広い機体中央部の非常口席を予約しました。シートポケット部分は上部に設置されていて、足元が広くなるように設計されています。

クロロのヘッドレストカバーが楽しいシートzoom
クロロのヘッドレストカバーが楽しいシート

搭乗便の客室乗務員は男性2名、女性2名の編成。女性の制服のパンツはベルトの代わりに虎柄のスカーフが巻かれており目を惹きます。制服の後ろ襟もとには「tigerair台湾虎航」と刺繍が見えアクセントになっています。ネックストラップには販売用の「クロロ旅するぬいぐるみ」を掛けており、旅を楽しくしてくれそうに思え、思わず欲しくなってしまいます。通路で手荷物収納にとまどう乗客の手伝いをしつつ、スムーズにご案内もしていました。非常口席に座ると、客室乗務員から行われる説明は、タイガーエア台湾では安全のしおりを手に一人一人に説明するという丁寧なもの。この部分でも各社の個性がでます。

台北から来た機体は、成田で折り返し高雄行きになります。この4人の乗務員は折り返しで2便の乗務。彼らにとっての帰路となりますが、笑顔は続きます。

旅の最初ははにかみながらの客室乗務員zoom
旅の最初ははにかみながらの客室乗務員

事前に機内食を予約した乗客には、まっさきに機内食が配られます。事前にインターネット画面で選んだのは、「蒸し鶏のネギ油ソース掛けご飯」。前回の高雄旅行で食べた美味しい駅弁を思い起こさせる楽しいメニューを想像しながらのチョイス。この選択は間違っていませんでした。100%オレンジジュースとクロロ蜂蜜ケーキがセットとなっています。紙トレーにクロロがデザインされたスプーン・フォークと共に入ってサーブされます。「蒸し鶏のネギ油ソース掛けご飯」は、思った通り前回高雄で食べた懐かしの味。台湾に向かっていることを思い起させてくれ、旅の始まりに相応しい楽しい時間となりました。機内食に満足しつつ見ていると、機内購入用の機内食カートがまわり始めました。TIME TO EATと書かれたボードをカート上のトレーに挿し、二人一組で通路を移動します。メニュー「tigerbites」から注文する人を何人も見掛けました。

台湾弁当の凝縮された旨みのある機内食zoom
台湾弁当の凝縮された旨みのある機内食

機内販売は、「SHOPPING TIME」のボードに変わったカートが動きます。シートの冊子「tigershop」は3か月毎の品揃え。9つのカテゴリーに分かれた160以上の商品に、メールオーダーの50品目以上は充実です。

西行で、時間の長いフライトの合間に乗務員と話をしました。
客室責任者はクルーインチャージと呼び、フィービー(Phoebe)さんが乗務。経験3年で旅行好きから乗務員になったとのこと。空いた時間で身体を鍛えるマッスル乗務員。同じく経験3年のシーン(Sean)さんはオーストラリアでのワーキングホリデーでホテルの仕事をしてサービス業が合っていると感じたとか。京都が好きと言います。経験2年半のハリー(Harry)さんは、東京の大学で半年の交換留学生の経験から日本語堪能のクルーとしてアナウンスをこなします。アマンダ(Amanda)さんはマンダリン航空で地上職として働いたのちに転職して客室乗務員になりました。

この便の客室乗務員4人が揃って虎の手真似でお客さんを迎えます 左からシーンさん、フィービーさん、アマンダさんと日本語を話すハリーさんzoom
この便の客室乗務員4人が揃って虎の手真似でお客さんを迎えます 左からシーンさん、フィービーさん、アマンダさんと日本語を話すハリーさん

同社で一番多い路線は日本ですので、日本通が多く在籍します。最長路線が台北⇔旭川というのは意外な気がしますが、機内誌”Tigertales”の路線図を見ると納得。台北⇔バンコクよりも遠かったです。男性客室乗務員の割合は全体の3分の1。今日の編成は珍しいようです。年齢が若く、皆友達のように和気あいあいと仕事していました。窓の外に目をやると、ウィングレットに虎の模様。カジュアルさが徹底していて気持ちいいです。

台湾の山々に映えるウィングレットの虎模様zoom
台湾の山々に映えるウィングレットの虎模様

高雄は乗務員が唯一ステイできる地。「明日からマカオへ行きます」と笑顔で話してくれました。

協力:タイガーエア台湾 ⇒ こちら

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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