旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2018年4月18日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

ひと味違うカンタス航空ビジネスクラスで食を堪能し、深い眠りのままシドニーへ

印象に残る素敵な笑顔 カスタマーサービスマネージャーのリチャードさん(右)、ユキオさん(中)、ミヨコさんzoom
印象に残る素敵な笑顔 カスタマーサービスマネージャーのリチャードさん(右)、ユキオさん(中)、ミヨコさん

新路線 関西空港⇔シドニー
関西空港でカンタス航空が週3便のシドニー行きを開設したのは2017年12月14日。3カ月経過したこの路線の様子を体験しにシドニーまで行ってみました。週末発のこの便は、ほぼ満席。人気の秘密を探ります。カンタス航空QF34便関西国際空港発はエアバスA330-300型機が就航し、夜間便になっています。

機内へ
機内へ入ると、オージーの男性客室乗務員が笑顔で迎えてくれました。ビジネスクラスは1-2-1のスタッガード座席7列が28席で整然と。通路側に座席のあるタイプと奥まって座席のあるタイプが交互に並びます。

夜間便での就寝に備えて、既にシートにはグレーの敷布がセッティングされています。ヘッドレストまですっぽり覆われており、清潔感があります。リクライニングのままで離着陸できるとのことで、3点式シートベルトは安心感がありますね。エンジ色のかけ布団と枕も用意され睡眠の準備はできています。シートの上にアメニティキットが置かれ、サイドテーブルには新潟の天然水もセットされています。就寝用にカンタスのロゴ入りスリーピングウェアの上下が渡されました。青いリボンで結ばれており、気が利いています。ビジネスクラスでのウェアが用意されるのはまだまれなことです。

上下のスリーピングウェアが配られますzoom
上下のスリーピングウェアが配られます

機能の多いシート
シートのリクライニングは微調整も可能の4つのポジション。2つめまでが離着陸でも使えるサインが出ています。シートマッサージ機能も付いているので早速動かしてみました。アメニティは16人のオーストラリア人クリエーターによるデザイン。どれが選ばれるか、搭乗のお楽しみでもあります。一通り座席周りの探索を終えて、改めて深く座ってみると快適さがわかります。適度な個室感があって、他の乗客の視線は一切気になりません。客室乗務員が静かに通路を動く時にわかる程度。落ち着いた魅惑のビジネスクラス「ビジネススイート」の空間をひとり占めできます。

搭乗時から就寝の準備ができていましたzoom
搭乗時から就寝の準備ができていました

機内食
離陸して、シートベルトサインが消えると、頭の中は機内食。メニューを繰って、機内食をどれにしようか決める時間はいいものです。
カンタス航空の機内食のメインメニューは、どれも美味しそうで迷います。
オーストラリアの3都市で開業する高級レストラン「ロックプール」のオーナーシェフ「ニール・ペリー」が監修します。オーストラリアのトップシェフの生み出す料理が空の上で味わえるのです。ワインのセレクトも行なわれており、4種のシャンペン、4種のカクテル、8種のスピリッツと3種のコニャック・リキュールが勢ぞろい。大関の日本酒や、キリンビール一番搾りも嬉しい選択。糊の効いた純白のテーブルクロスが敷かれて、いよいよディナーの始まりです。最初に運ばれてきたのは、前菜としてのチョイス。ズッキーニとバジルのスープか鴨肉のサラダ。健康的なスープを選ぶか、メインを魚にして前菜は鴨肉で胃に刺激を与えるか悩むところ。鴨肉は花びらのように盛り付けられていて食べるのが勿体ないくらい。個別にフレッシュサラダとバゲットの載った皿も用意されています。

これぞプレミアムなビジネスクラスと言えるサービスzoom
これぞプレミアムなビジネスクラスと言えるサービス

前菜を食べ終わると、皿が引かれて次のメインを待ちます。しっかり食べたい人に茸の炒め物か鮭のソテーを。軽く済ませたい人にはチキンサンドイッチか豚肉入り味噌うどんの用意もあります。見ていると、一人ひとりのメニューがギャレーから運ばれてきます。手の込んだメニューがゆえ、用意に時間がかかるようです。代わってデザートはカートのサービス。選べるのはチーズ、フルーツ、アイスクリームかチョコレートムースでコーヒー、紅茶とともに運ばれてきました。目の前に並ぶと、迷ってしまいます。フライトの全行程は10時間を切っています。日本時間で早朝に起きなくてはならないので、焦ってしまうくらい丁寧でゆったりした空気の中を食事が進んで行きます。

空の上の食事を満喫zoom
空の上の食事を満喫

就寝
お腹が満ちると映画を見てもいいし、読書でも。読書灯は天井からの光とベッド後方からのスポットライトが使えます。スポット光は、3段階で照度を変えられるので使いやすいですね。機内エンターテインメントの航路マップを見てみると、パプアニューギニアの上空を飛んで行くのがわかります。太平洋の真っただ中。外はマイナス60℃の世界を、ゆったりとしたベッドを独り占めしてまっすぐ横になれることが不思議な感じがします。たまにビジネスクラスに乗ると、この時ほどエコノミークラスとの差を感じることはありません。

あとは寝るばかり。柔らかなかけ布団は寝るのに丁度いいです。ノイズキャンセリングヘッドフォンを装着すれば、機内であることを忘れる快適な「ビジネススイート」の本領発揮。知らぬ間に眠りの世界へ。実質5時間ほどですが、驚くほど熟睡できるものです。

朝食で目覚め
機内での朝は、朝食を用意する音で目覚めます。窓の外は朝焼けが見えてきます。未だ夜明け前の白む空は多くの色で覆われ、白、黄色、オレンジ、青、紫と多彩なカラーリングで明けていきます。

運ばれてきた3種類のドリンクの中で、バナナと蜂蜜のヨーグルトドリンクをぐっと飲んで眠りから覚めたばかりの頭を覚醒させます。クロックムッシュ風クロワッサンで軽く済ませ、ヨーグルト添えのフルーツサラダで締める頃には到着を待つだけに。

外は朝焼けのシドニー国際空港zoom
外は朝焼けのシドニー国際空港

到着へ
朝陽の差し始めたシドニー空港へ着陸しました。良く眠れたおかげで、シドニーでの旅の初日から充実した時間が過ごせそうです。ビジネスクラスのサービスチームの笑顔が旅先でも思い出されました。

協力:カンタス航空 ⇒ https://www.qantas.com/jp/ja.html

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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