旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2018年3月22日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

JALPAKのアイランドホッパーで沖縄離島の空旅を満喫

沖縄空旅のだいご味はこの素晴らしき機窓 写真は宮古島の来間大橋zoom
沖縄空旅のだいご味はこの素晴らしき機窓 写真は宮古島の来間大橋

ツアーについて
JALPAKの「アイランドホッパー in OKINAWA3日間」はJTA日本トランスオーシャン航空とRAC琉球エアコミューターで沖縄離島路線を全制覇する16フライトを楽しむコース。しっかりマイルも貯まります。少しの冒険心と期待感を胸に、春の嵐が残る羽田空港を飛び立ちました。

タッチ&ゴーで保安検査場に直行すると、連続して3便までの搭乗案内のレシートが出るので便利です。羽田から石垣島は時刻表上3時間20分の長旅。新石垣空港から始まるホッパー空旅に備え、機内で予習です。まずは、離島の位置を覚えます。東から西へ、北大東・南大東・那覇・久米・宮古・多良間・石垣・与那国と就航の8空港を記憶します。これで、機窓を楽しむ余裕ができました。

最新機材紹介
JTAでは長距離国内路線は3便。那覇、石垣、宮古からの羽田便です。この路線には基幹機種のボーイング737-800型機が使用されていますので、機内Wi-Fiサービスが使え、沖縄関連の番組も視聴できます。

Jクラスシート20席、普通席145席の計165席。同じ機種を使う189席のLCCと比べると、4列24席も減らしているので、シートピッチに余裕があります。窓側の席であっても、隣席の乗客に足を横に動かして貰えば立ち上がらなくても移動が可能です。
ボーイングスカイインテリアは天井が特徴。流れるような設計で間接照明が淡く光って落ち着きます。機体後部のラバトリーのひとつは、フローラルルームと言って、鏡が大きいなど女性にも使いやすい仕様になっています。
石垣島への飛行の途中、最初の与那国島行きの便が強風のため、石垣空港へ引き返す場合があるとメールが入ってきました。機内でWi-Fiができると情報も早く受け取れます。

「奄美のくろうさぎ」をウィングレットに描いたJTA機zoom
「奄美のくろうさぎ」をウィングレットに描いたJTA機

アイランドホッピングへ出発
新石垣島から与那国へのフライトからアイランドホッピングは始まります。日本最西端の与那国。遠方にはるばる来た感が強く心弾みます。島に寄せる波は白く、風の強いことがわかりました。次のフライトまで45分。駐機場前のレストラン「旅果報」で与那国そばのランチにしました。乗ってきた機体を眺めながらの食事は最高です。

早くもアイランドホッピングの最長路線
与那国から那覇はRACで一番長い距離の便。東行では1時間20分飛びます。
(那覇発は1時間40分!)機内では、ドリンクサービスがあり、さんぴん茶などでくつろぐことができます。

機体のうんちく
DHC8-Q400CCはカーゴコンビと呼ばれてRACが世界で初導入の後方が貨物室という珍しい機体。2-2配列の13列(左舷は12列)の50席。スマホでも座席指定は簡単ですので、機内あちらこちらの窓側をリクエストすることができます。6番がプロペラの真横。9番が車輪の見える位置。最後列の13番はエンジンの排気口が見える場所と覚えておくと指定しやすいです。12番は非常口席でシートピッチは広めですが、すぐ横に窓はありません。

座席の間隔が広いので、全席リクライニングはありませんが非常に快適です。

歩いて搭乗する楽しみは何回でもいいものzoom
歩いて搭乗する楽しみは何回でもいいもの

ベースとなる那覇空港を知ろう
アイランドホッピングのベースは那覇空港です。旅行中4回通りますので、空港の構造を覚えておくと便利です。JTA/RAC便は2階の21-28番ゲートで出発となります。

時間を見付けてホテルへ
那覇では、久米島行まで2時間の余裕がありました。ここで、市内へ行ってホテルにチェックイン。空港からゆいレールで4つ目の旭橋にあるダブルツリーByヒルトン那覇を指定していました。荷物を身軽にして、再度出発。

観光ができる時間のある久米島
この日はあいにくの曇り空でしたが、久米島までは右側に座れば「はての浜」が見えることがあります。久米島では約3時間あるので観光へ。離島ならではの絶景が望める比屋定バンタ展望台などを巡ります。そして最終便で那覇へ。初日の5フライトが終了しました。

二日目の空旅
那覇から石垣島へはゆったりの10時45分発。ボーイング737-800はJTA運航です。石垣島では約3時間の観光タイム。玉取崎展望台からの紺碧の海に癒されてきました。

新石垣空港のJTAボーイング737-800zoom
新石垣空港のJTAボーイング737-800

石垣発14:50からは宮古⇒多良間⇒宮古⇒石垣⇒那覇と怒涛の5連続フライト。全てRAC便で、機体とともに移動するので、機体番号と乗務員も変わらず、Q400CCを満喫です。空港では、すぐに出発待合室に移動もできますが、少しの時間でも空港ビルを見たいので保安検査を受けることを前提に外へ出て、展望デッキから機体の撮影を。充実の時間です。

三日目の空旅
最終日は午後の北大東便まで時間があり、午前中は那覇観光です。国際通りを歩き、「第一牧志公設市場」へ。建て替え工事直前の昭和の香りを感じに行きます。お土産を選んでいると、JALからスマホにメールが入りました。北大東便が前便到着遅れで45分の遅延になると。スケジュールを見ると、南北大東路線後の那覇発宮古島行きにギリギリ繋がる時間。今回のツアー、最大のピンチ!これ以上遅れないことを祈って出発です。

定期便最短路線
北大東空港から、南大東空港へは時刻表上15分。実質6~7分でフライト完結の文句なしの日本一最短の定期航空路線。離陸後にすぐ着陸空港が見えるのは、ここだけ。北大東空港の滑走路03を北へ離陸。西へ旋回し、そのまま南側から南大東空港02へ着陸する7分のフライト。貴重な体験です。
那覇から南北大東空港路線は1時間超え。ほぼ南北に並ぶ島ながらよく見ると北大東の方が所要時間は長く東に位置します。少しの発見を重ねながら旅は続きます。

この三角フライトは、乗務員と機材が同じです。乗務員は連続搭乗に気付いて「乗り継ぎは大丈夫ですよ」と声を掛けてくれました。

機内販売中のRAC客室乗務員zoom
機内販売中のRAC客室乗務員

旅は締めくくりへ
Q400CCが到着する沖止めの駐機場に、那覇降機のお客様とは別のバスが用意され、28番のバス案内口へ直行。最終的にはゲートで案内開始まで10分もの余裕がありました。ここでツアー最大の危機は去ったと安堵です。こんなハラハラドキドキもこのツアーならではの醍醐味です。
離島旅の終わりは、那覇から宮古島へ。JTAのボーイング737-800で出発です。この時間帯、那覇空港のターミナルビルに夕陽が写ってとても綺麗でした。完乗を祝ってくれているようだと勝手に感激。間もなく東京に帰るのに、最後に逆の西へ向かう旅の行程を思い浮かべて完乗間近と気持ちが高揚。機材は変わらずそのまま羽田へ向かうので、接続出来ない心配をすることもありません。要注意なのは、那覇で夕食を買っておかないと、売店の少ない宮古島では食料を仕入れられない可能性があること。那覇空港は売店が多いので、目移りするのも楽しいです。

羽田へ戻る機内で
一日1便の宮古島⇒羽田便は、帰路東行で風に乗るので2時間半の飛行時間。
旅を振り返るのに丁度いい時間です。

旅の締めくくりはJTA機で羽田へ さんぴん茶を飲んで旅を回想! JTAとRACの客室乗務員はスカーフが違いますzoom
旅の締めくくりはJTA機で羽田へ さんぴん茶を飲んで旅を回想! JTAとRACの客室乗務員はスカーフが違います

三日目の北大東路線からは、2日間16フライトに挑戦する男性と話ができました。会社の休みが取れないので1泊だけれど、16回も乗れるなんてと顔をほころばせます。

狭いと思いがちなプロペラ機で足を伸ばしてくつろげる。眠い時には眠ればいい。RACの客室乗務員手作りMAPで機窓満喫。空港でその土地ならではの土産物が買える。短時間観光の充実。楽しみは色々です。

好きな航空機に多く乗れて、全路線制覇の満足感。毎回、駐機場を歩いて機体に近づき自分の足でタラップを昇る。パイロットがすぐそばにいて、手を振ってくれる近さにいる。航空機搭乗の原点がそこにあるように思います。
「アイランドホッパー in OKINAWA」は航空ファンだけでなく、沖縄・離島好きにも大満足なツアーではないでしょうか。漆黒の空を眺めながら、楽しかった旅を振り返りました。

尚、この2泊3日のツアーは3月22日までの設定。4月以降については夏ダイヤに合わせ、継続予定とのこと。現在、ゴールデンウィーク明けの発売を目指して商品を造成中です。

兄弟ツアーのご紹介
「跳び飛びの旅 小型プロペラ機でホッピング in 奄美群島・西日本」も発売中。鹿児島空港を拠点に飛ぶJAC日本エアコミューターで鹿児島と那覇間の五島を3機種で巡る空旅。7~16フライトの6つのツアーが用意されています。次はこのツアーを狙ってみたい!  詳細は、こちら

協力:JALPAKhttps://www.jal.co.jp/domtour/oka/island_hopper/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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