旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2017年11月24日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

わくわくが止まらない! 初めてのドバイ(2)デザート・サファリで体験する砂漠の太陽、アラビアンナイトの宴

初めて見る、砂漠のサンセット。感動的な光景です。zoom
初めて見る、砂漠のサンセット。感動的な光景です。
高層建築が立ち並ぶ未来都市のようなドバイですが、市街地から一歩出れば広がるのは砂漠の世界。そんな中東の地ならではの体験ができるのが『Desert Safari(デザート・サファリ)』。ドバイの旅の第2回目は、4WD車で迫力満点の砂漠ドライブと、アラビアンナイトを思わせるディナータイムを楽しむツアーのご紹介です。

都会的なドバイにRV車が多い理由とは?

一般道も高速道路も整備が行き届いたドバイで、なぜRV車が多く走っているのか現地のガイドさんに尋ねてみました。その理由は、郊外から通勤する人が多いこともあるけれど、地元の人はやっぱり砂漠が好きで、休日になるとその砂漠へ遊びに行くことが多いから。例えば、ハワイの人がビーチパークでバーベキューを楽しむみたいに、砂漠のバーベキューを楽しみに出かける、そんな感覚なのだそうです。
スタックを防ぐため、タイヤの空気を抜いてから乗り入れます。zoom
スタックを防ぐため、タイヤの空気を抜いてから乗り入れます。
砂漠があるエリアまでは、街の中心部から車で50分~1時間。砂地へ乗り入れる前に、タイヤの空気を抜いて準備をしていたドライバーが、
「運転は、速いのとゆっくりと、どっちがいい?」、にやりと笑いながら質問してきました。もちろん、速い方がスリリングに決まっています。女性ばかりのグループだった私たちはとりあえず、
「ゆっくりから中くらいのスピードで」とリクエストしました。

スリル満点のデザ―ト・サファリに、いざ出発!

遠くから眺めるとあまりに広すぎ、斜度の感覚がつかめない砂漠ですが、走り始めて間もなくすると目の前に砂の壁が出現!
斜めになったり、ひっくり返りそうになったり、スリル満点のドライブ!zoom
斜めになったり、ひっくり返りそうになったり、スリル満点のドライブ!
空を仰ぎながら砂の壁を駆け上がったかと思うと、次は30度もありそうな急斜面を一気に下ります。車体が揺れるたび視界も大きく傾き、ジェットコースターに振り回されているかのよう。前の車がひっくり返りそうなほど傾いて見えるのが、いっそうスリリング! 
それでもしばらく走っていると少しずつ慣れてきて、もうちょっとスピードアップしてほしいな、なんて思う余裕も出てきます。
目の前をのんびり歩く、ラクダの一行に遭遇。zoom
目の前をのんびり歩く、ラクダの一行に遭遇。
世界がオレンジに染まるサンセットに言葉を忘れる

約30分、エキサイティングなドライブを楽しんだら、見晴らしのいい場所に移動してサンセットタイムを待ちます。太陽が傾くにつれ、砂に刻まれた風紋がくっきり浮かび上がる様子が神秘的。空と太陽、砂しかない世界に、人工の音も届いてきません。初めての感覚と光景に、地平線に太陽が隠れるまで言葉を忘れて見入ってしまいました。
砂漠のサンセットショーを堪能した後は、再び車で移動しアラビアンBBQのディナーを楽しむキャンプサイトを目指します。
オレンジ色に染まる空と砂。ここでは風の音しか聞こえません。zoom
オレンジ色に染まる空と砂。ここでは風の音しか聞こえません。
アラビアンナイトの世界に浸るディナータイム

ゲートで1台ずつ車のセキュリティチェックを受け入場するのは、フランスほどの面積がある自然保護区。アラブ首長国連邦、オマーン、サウジアラビア、イエメンが国境を接するという広大なエリアです。15分ほど走り、まっ暗くらななかにキャンプサイトの灯りが見えたときは、なんだかとても温かい気持ちになりました。
アラビア料理のビュッフェディナーと民族舞踊で、アラビアンナイトの世界を体験。zoom
アラビア料理のビュッフェディナーと民族舞踊で、アラビアンナイトの世界を体験。
砂の上にじゅうたんが敷かれたキャンプ内では、水タバコ、ヘナタトゥーの無料体験ができます。ビュッフェスタイルのバーベキューディナーとフリードリンク付き。ただし、アルコール類は有料です。
食事が始まるころ、客席の中央では民族舞踏のショーが始まります。あでやかな衣装が照明に映し出される様子は、まさにアラビアンナイトの世界。ダンサーたちが各テーブルを回り、ショーがクライマックスを迎えるとゲストも入り混じってのダンスタイム。人種も言葉も異なる人々が一緒に踊り、賑やかなフィナーレを迎えてパーティーはお開きになりました。

最後に一瞬、照明が消されキャンプ内がまっ暗に。頭上を見上げると数えきれないほどの星。今、まさに砂漠のまん中にいることを改めて実感し、「アラブの人にとって、砂漠は心の故郷なのです」、そんなガイドさんの言葉が思い出されました。

11月下旬から3月のドバイには日本の秋のような爽やかな季節が訪れ、砂漠で遊ぶには絶好のシーズン。素足で砂の上を歩いたり、ディナータイムの夜風もとても心地よく感じます。そんな『デザート・サファリ』をぜひドバイで体験してみてください。

【取材協力】
●ドバイ政府観光・商務局
https://www.visitdubai.com/ja

●Travco L.L.C. 
info@travcojapan.net
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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