旅の扉
- 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
- 2017年10月29日更新
- よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子
ニックネームは「オギー」。オカナガン湖に棲む伝説のアイドルとは?
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- 湖畔にリゾートホテルや別荘が立ち並ぶオカナガン湖は、カナダでも人気のサマーリゾート。
- ハーベストシーズンに訪れたカナダのブリティッシュ・コロンビア州ケロウナでは、ワイナリーやファーム巡りの話題が中心でしたが、最後に地元の人はもちろん、カナダの人なら誰もが知っている伝説のアイドルをご紹介しておきましょう。
ウォータースポーツを楽しめるカナダ有数のサマーリゾート
ケロウナ周辺をドライブしていると、いつも目に飛び込んでくるオカナガン湖。南北に細長いこの湖周辺はカナダ有数のサマーリゾートです。7~8月の最高気温は30度を超え、湖で泳いだりウォータースポーツも楽しめます。私が訪れた8月末も乾燥した晴天が続いていて、湖畔の砂浜では日光浴やキャンプを、湖上ではウィンドサーフィンやSUP(スタンドアップ・パドルサーフィン)を楽しむ人をたくさん見掛けました。
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- 湖畔にはアクティビティデスクがあり、レンタルのほかボートツアーも申し込めます。
- 湖の総面積は約350㎢。日本の琵琶湖の約半分の大きさです。ただし、最大水深は230mあり、琵琶湖の約2倍。これだけ深いと湖底は神秘の世界。何か潜んでいるとのうわさがあっても不思議ではありません。そこでたびたび目撃情報が寄せられるのが、未確認の巨大生物の存在です。
切手にも登場する、国の保護指定動物
オカナガン湖に棲むとされる巨大生物の名は『オゴポゴ』。地元の人の間では、『オギー』のニックネームで親しまれています。その体長は5~15m。暗緑色の身体に、牛か馬を連想させる頭部には角が生えていて、大ウミヘビに尾びれが付いたイメージ。長い体をくねらせながら、かなりのスピードで湖のなかを泳ぐのだそうです。
ほら、こんな感じ!
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- 湖に突き出したシティ公園にある、オギーのオブジェ。
- オギーはヨーロッパ人がこの地にやって来る先住民族の時代から『ナティアカ(湖の悪魔)』の名で語り継がれてきた謎の生物。ネッシーほど世界的な認知度は高くないものの目撃情報は多く、水上スキーヤーがニアミスしたとか、しなかったとか。1950年代にはニューヨークタイムズ誌が、明らかにオゴポゴとわかる写真を提供した人に懸賞金を出すと呼びかけたこともあったそうです。
オギー情報を求めて?、オカナガン湖とダウンタウンを散策
オギーのオブジェがあるのは、湖に突き出した半島のような場所にあるシティ公園。ケロウナの人の憩いの場であるとともに、バスターミナルが近いためツーリストも立ち寄り記念写真スポットになっています。
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- オギーのオブジェがある湖畔の公演から、街歩きが楽しみなダウンタウンはすぐ近く。
- シティ公園からは街の中心部であるダウンタウンが近く、街歩きも楽しめます。七色の横断歩道、懐かしい感じがするカフェや古本屋、カラフルな郵便ポスト、自由に弾いて楽しめるピアノ、屋外の卓球台や人間が駒になってゲームを楽しむ巨大なチェス盤も置かれていました。
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- 春から秋にはファーマーズマーケットの会場になる広場にもオギー発見!
- カナダでは国民的人気を誇るオギー。切手の絵柄に採用されているほか、未確認生物であるにもかかわらず、国の保護指定動物になっているというのですから、カナダの人の本気度というか、ユーモアセンスはなかなかのもの。そんなオギーのキャラクターグッズも豊富で、お土産物屋や空港のショップにはぬいぐるみ、イラスト入りのタオルやマグカップなどがたくさん並んでいました。
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- 早朝のオカナガン湖。あの霧の向こうに、何か潜んでいるかも?
- 朝夕、霧に覆われたオカナガン湖を眺めていると、正体不明の巨大生物が潜んでいても不思議ではない気がしてきました。ケロウナを訪れたら、オギーとの遭遇を期待してオカナガン湖周辺を散策してみることも忘れないでくださいね。
取材協力:
カナダ観光局 http://jp-keepexploring.canada.travel
カナダシアター https://www.canada.jp