トラベルコラム

  • 【連載コラム】トラベルライター岩佐 史絵
  • 2012年12月12日更新
贅沢☆旅スタイル
Writer:岩佐 史絵

オフシーズンのリゾートはおひとり様で! 隠れ家リゾート サリーサムイinサムイ島(タイ)

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敷地内は緑が多く、窓を開けはなつとこの景色
ひとり旅、いかがっすか?
隠れ家リゾートでおこもりステイ


 娘が生まれるまではよくひとり旅をしていたあたくし。友人たちとどこへ行こうか、なにをしようかと盛り上がるのも楽しいのだが、誰にも気兼ねなく100%自分の好みと考えだけで行動できるひとり旅の自由さは何にも代えがたいものがある。
 ひとり旅なんて、寂しいじゃない。というアナタ。プライベート空間がばっちり確保された隠れ家リゾートなら、ひたすら自分を解放する大人旅が可能なのでおすすめだ。ねらい目は、オフシーズン。雨季のビーチリゾートでひとりぼっちなんて切なくて、と言うなかれ。引きこもることを目的にでかければ、かなり快適で気持ちのいい旅になることはうけあいである。
 今回おすすめしたいのは、タイのサムイ島。バンコクから飛行機でひとっ飛びという気軽なリゾートで、知名度の高さのわりに混雑していないのが魅力だ。欧米人にはかなり前から定番の人気を博しており、ツウっぽい旅先のひとつである。
 ここにはいくつかの世界的に有名なリゾートもあるが、ひとり旅にお勧めしたいのは独立系リゾートの『サリー・サムイSareeSamui』。こちら、タイなど東南アジアを中心に独特な魅力あるホテルを集めた「ユニークコレクション(http://www.theuniquecollection.com/index.html)」の一員となっており、なるほど確かにユニークな魅力あるホテルである。
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重厚な感じのする木材と白いリネン。かなり好み
オーガニック素材のシンプルリゾート
素朴なゴージャスさがうれしい


 先述したとおり、ひとり旅にうれしいのはプライベート感あふれるリゾート。サリー・サムイも例にもれず、ヴィラタイプの部屋に足を踏み入れた瞬間「わぁっ」と歓声を上げてしまうようなゴージャスなつくりとなっている。ひとりだったら声はあげないかもしれない。でも、頬が緩むのは間違いない。
 重厚な木製の扉を開けると、すぐ目に飛びこんでくるのはリビングルーム。ライティングデスクとクッションがたくさんある(←けっこううれしい)カウチがあり、壁は3面、つまり1面には壁がない。その奥に透明のガラス戸があり、そこが唯一エアコンがある寝室となっている。ベッドのサイズや配置は部屋によるが、木材に白のリネンがまぶしく清潔感がある。天蓋がついているのもお姫様気分が盛り上がる。
 ベッドルームは2面がガラズ張りなためとても広々とした解放感。突き当りの木製のドアは観音開きで、開けるときにいちいちちょっと楽しい。で、開けてみるとそこはまた半分外である。トイレや洗面台は完全に屋根の下だが、シャワーやバスタブは「ちょっと外」。しかしヴィラを囲う塀は高く、プライバシーは完全に守られている。
 また、ガーデン以外の敷地も緑にあふれている。メインダイニングのキッチンの裏にはソーラーパネルやハーブガーデンがあり、さらに建設素材もオーガニックにこだわっていることは、ただ泊まるだけでは気づかないポイントではないだろうか。
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雨期なだけに、天気はよくないけれどビーチでまったりは可能
スタンダードに認定!
タイならではのホスピタリティに感激


 そういうこともさることながら、このリゾートに滞在して、一番「いいね!」と思ったのは、そのホスピタリティだ。総支配人氏いわく「家族的であるように」というその言葉通り、スタッフのきめ細やかな気配りが心地いいのである。これ、おひとり様にはかなり重要なポイントなので、要チェックだ。
 異様に明るくやたらと話しかけてくるでもなく、かといって高飛車な壁があるわけでもない。ビーチに面したダイニングでひとり食事をしていたら、いい感じのタイミングで話しかけてくれる。「卵の固さはどうですか?」という話から、スムーズに「明日はお祭りがあるので、ご一緒しませんか?」というところに話が進んでいく、その話術はタイならではのホスピタリティ。おひとりさまの気持ちを理解しているのか、ある程度放っておいてくれつつも、こちらがさびしくなく、かつウザくない感じに話しかけてくれるのだ。
 もともと〝おひとり様“旅ではひとりでまったりすることが目的なので、このリゾートはまさに最適である。エアコンのないリビングで本を読んだり、ネット(ネット環境、超いいです)で好きな動画や映画を見放題。そんなことなら日本でもできるでしょう? という諸姉もあるかと思うが、これ、雨期でも十分温暖な気候、静かな環境、ナイスな内装のリゾートにおいてはまた格別。ものすごく贅沢なリゾートライフを満喫できることは間違いない。ぜひやってみて!
 いつもよりちょっと安い、混んでいない、なによりスタッフのケアも行き届くオフシーズンのビーチリゾート。これはぜひともスタンダードにしたい。
Writer:岩佐 史絵
旅に貴賎なし! 旅をしていないと血中旅度が下がってお腹が痛くなってしまうほどの旅好きが高じてトラベルライターに。ONもOFFも旅一色。妊娠中も子育て中も闘病中も行きたいところには必ずでかける体力自慢。著書『人生のサプリを見つける旅ガイド』(ソニーマガジンズ刊)ほか。
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