旅の扉
- 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
- 2017年5月2日更新
- よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子
オアフ島の絶景スポット、ピンク・ピルボックスを目指す爽快トレッキングコース
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- 鮮やかなピンクが海に映える『ピンク・ピルボックス』。正式名称は『Puu O Hulu)プウオフル』といいます。
- 海に山が迫る、島国の日本にも似た地形のハワイは、トレッキングコースの宝庫。日本と異なるのは、そこが南の島であること、そしてビーチを眺めながら歩ける絶景コースが豊富にあるということです。
そんなハワイで、このところ話題になっているのが『ピンク・ピルボックス』と呼ばれるスポット。ピルボックスとは、第二次世界戦争中に建てられたコンクリートの要塞跡。おなじみのダイヤモンドヘッド山頂にもあり、武器の保管庫のほか見張り台としても使われていたため、当然のこと見晴らしがいい場所が多いのです。
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- Farrington Hwy.からKaukama Roadを右折した右側に、トレイル入り口があります。 大小の石が転がりる個所は滑りやすいので注意を。
- 『ピンク・ピルボックス』があるのは、オアフ島のなかでも晴天率が高い西海岸。ワイキキから車で1時間ほど走ったローカル・タウン、ナナクリを超えたあたりでハイウェイに岩肌が迫りくる頂上の1カ所に、ポツンとピンク色の四角い箱のような建物が見えてきます。
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- まるで血管のように斜面を覆う木の根がある個所が、トレイルの中間地点。
- トレイル入り口から山頂まで往復約3.2km、所要1.5~2時間が目安です。ダイヤモンドヘッドに登ったことがある人なら、それより往復で30分~1時間くらい長いコースとイメージすればわかりやすいでしょう。
この日、一緒に出掛けたのはハワイ在住のフォトグラファーとその子どもたち。ハワイのローカルにとって、トレッキングやハイキングはビーチに出かけることと同じくらい手軽な遊びのひとつ。小学生と中学生の彼らも途中で撮った写真をママにLINEで送りながら、鼻歌気分で登っていきました。
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- 壁面と屋根にも大きく描かれたリボンは、ピンクリボン運動啓発のためといわれています。
- オアフ島内にいくつも残るピルボックスのなかで、この場所が注目されるようになったのは数年前、山頂付近のピルボックスの1つがピンク色に塗り替えられてから。乳がんの早期発見と治療を促すピンクリボン運動啓発のため……といわれていますが、実際のところ計画的なものだったのかどうかはわかりません。とはいえ、青い海と空に映えるピンク色は、インスタ映えも抜群! ということで、またたく間に人気が広まり、それまでトレッキングにあまり興味がなかった女性たちも集まってくるようになったのです。
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- このあたりはオアフ島のなかでも晴天率が高いエリア。山の魅力も体験してみたい。
- 目指すピルボックスの上からは、北方向にオアフ島の最西端、カエナ岬へと続く海岸線が、反対の南方向には新たなリゾートエリアとして開発が進むコオリナまでをぐるりと見渡せます。背後に迫るのは雄大なワイアナエ山脈、足元をのぞき込むとハイウェイを走る車が、ジオラマのように小さく見え吸い込まれそうです。
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- オアフ島の西海岸をぐるりと望む絶景スポット。ピルボックスのなかから眺める景色も面白い。
- 冬であれば、沖にザトウクジラの姿を見つけることも難しくありません。西海岸のドライブ途中にぜひ立ち寄ってみたいスポットです。トレッキング初心者でもそんなに難しいコースではありませんが、滑りやすい箇所があるので足元はトレッキング仕様のシューズで。日焼け止めと飲み水は必携です。スナックを持参して、ピルボックスの上でおやつタイムもいいですね。